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いつもながら控えめだけど着目点が違う糸井ワールドが詰まった一冊です
これまでのビジネス本にはなかった視点で語られたインタビューの内容には理想的な働き方のエキスがたくさん詰まっています
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今は亡き雑誌「広告批評」の創刊者、天野祐吉を評して、「広告」を「文化」と「経済」に分け、まったく「経済」観点で「広告」を語らなかったことが、「広告批評」の存在意義であった、と言い切った人がいました。2009年、今から10年前、休刊になったのは「広告」を「文化」的側面から論ずる価値が減じたから、だと。その「広告批評」のスーパースターが糸井重里であり、コピーライター イトイは時代の寵児でもありました。今ではあまり呼ばれない「文化人」というジャンルの人として発する光はキラキラまぶしかったなぁ〜。しかし、活動のフィールドを広告制作者という立場から「ほぼ日刊イトイ新聞」というメディア運営という場所へ移していったことはインターネットとの出会いによるものでしょうし、それは「広告批評」が成立しなくなっていった時代の変化との相関なのだと思っていました。東京糸井重里事務所が、2017年に株式会社ほほ日としてジャスダックに上場したことも知っていましたが、本書で「文化人」糸井重里じゃなくて「経済人」糸井重里が、改めて目の前に立ち現れたような感じです。しかし、「幸福」な「資本主義」を語る彼の言葉は、昔ながら変わらずの、人間に対する深い洞察と優しさに溢れていました。それは、マス広告時代からインターネットメディア時代へ、制作者から経営者へ、環境の変化はありつつも、彼自身が「文化人」「経済人」という区分けではなく「生活人」として一貫しているからなのでしょう。「働き方」改革、「年功序列の崩壊、AIの登場、仕事の意味が激変している激変している今だからこそ、糸井社長の言葉は宝の山だと思いました。いっぱいメモしちゃいました。題名でも、すいません、といいながら多分、この経営者、そうとう強いかも。
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おもしろい。糸井さんがフリーから会社組織へ、そして上場するに至った思考過程がわかる。インタビュー後のまとめもコンパクトに要点が書かれていて読みやすかった。
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糸井さんの経営に対するスタンス。
人材育成や作りたい会社の空気感とか、らしくて誠実に向き合う姿が素敵だなぁと思います。
フリーから組織にチャレンジして20年、企業はSDGSとかESG投資とか期待役割が微妙に変わる潮流が大きくうねり出して、その二つのタイミングが相まってこの会社が在るのかなぁ。
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2018年57冊目。
去年上場した「ほぼ日」。「事業」「人」「組織」「上場」「社長」の5つの観点における、代表糸井重里さんへのインタビューをまとめたもの。
聞き手の川島さんの口調がちょっときつめな印象で、こちらまでどきどきしながら読んでいたが、初めて読んだほぼ日を知るための本としてとてもバランスがよかった。「おもしろい」「好き」「何がかっこいいか」そういう感情を起点に事業を展開しているところが、クリエイティブの源泉なのかなと感じた。「売り手」と「買い手」ではなく、企業と会社が共同して何かをいっしょに作っている雰囲気も素敵だと思う。ひとまず来年は、人生初のほぼ日手帳を使ってみようかな〜
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糸井さんの視野の広さ、何歳になっても常に自分を疑う姿勢、変える/変えないを判断するバランス感覚にはいつも驚かされる。
特に歳を取っていくと難しいのは「疑う力」を維持することで、うまくいっていると感じるときほど「思考停止して安心な場所に落ち着いていないか」を考えるようにしたい。
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もともと何がきっかけで興味を持ちだしたのかは忘れたが、かれこれ2.3年前からウェブサイトの方はちょくちょく見ていた。それが昨年。2回目の六本木ヒルズでの「生活の楽しみ展」の開催期間中にたまたま東京に滞在していて、そのことを当日の朝に知り、急きょ行くことにした。そしたらその時に出店してた水沢ダウンのお店で引いたガラガラで一等の「中に着るダウン」を当ててから勝手に一方的に縁を感じて、東京に行った時や京都に行った時にTOBICHIに行ってみたり、ほぼ日5年手帳を買ってみたりする中で、今年は大阪初開催の梅田阪急での楽しみ展にアルバイトで参加させてもらった。残念ながら糸井さんと直接お話しさせてもらう機会は得られなかったが、この経験を経てからこの本を読むと「ほぼ日」という組織がますます好きになった。と同時にやはり自分が居たら邪魔になる、自分とは色が違う、けど好き。みたいファンのようなストーカーのようなごちゃまぜの感情になった。僕も今まで1度も組織に属したことがない「フリー」の人間なので会社や経営のことなど何も分かっていないが、外から見てても何かを生みだすクリエイティブに関わる組織集団として、かなり斬新でオリジナリティ溢れるおもしろい組織づくりだと思う。そしてその中にいる乗組員と呼ばれる社員さんたちは、文中にあったように「農業」をするような感覚で、「手仕事」をする「職人」のような感覚で、とても丁寧に仕事をされている。とても良い企業風土が浸透している。自覚的に楽しさを発信している。生き方がじょうずだと思った。今後も自分の活動の参考にさせてもらうと同時に関わらせてもらえるよう、その時まで自分自身がもっと「考えること、考え続けること」を続けて実力をつけていきたい。あー就職したい。
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問いが面白くない感じがしてしまった。インタビュワーの主観と価値観を感じるため、糸井さんの感覚をそのままに受け取り、受け手自身の感覚で能動的に考えることができない構成だと思った。よくある自己啓発本のように、あまり考えずに読みたいなら、良いかもしれない。
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物語みたいな、素敵な言葉を寄せ集めた「ほぼ日」経営のお話。既成概念を根本から疑う姿勢に感心します。誰かと何かをもう一度「おもしろく」やりたい気持ちにさせてくれる本。
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最近は見ていないが、以前はほぼ日のサイトを定期的にチェックしていたりして、興味があり手に取る。今自分がいまいち生き生きと仕事できていないのもあり、社員が生き生きと仕事しているようで、うらやましく思う。
会社に入れたい基準、「いいひと。なにか有るときにあいつ呼ぼうぜ!」
との言葉には自分はなれているかな、なれていないかなと自問自答。仕事の能力の前に、人間力と思っていたけど結局グジグジ考えて今悪循環なんだろうな。「他人の評価を気にするのではなく、自分が他を幸せにする事を出来ているかどうか」
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糸井さんの語り口がものすごく気持ちいい。
スピード感をもって誰よりも早く手をつけて成功しろという時代の流れに対して「もう少し落ち着いてもいいんじゃないでしょうか」と語りかけてくれる。
ホッとしながら読めるビジネス書。
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株式会社ほぼ日についての糸井重里インタビュー本。何となくユルい会社というイメージを持っていたが、アイデアを実現する事の重要性を「つよく」と社是にし、上場に当たって「稼がなきゃ」と断言しているのは意外だった。次世代のロールモデルになるのかは分からないが組織論として勉強になる。
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20181203 充分、ビジネス書として読めました。真似する内容では無く、理解する内容ではという点でも良い本。
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ほぼ日の経営について。
ほぼ日が上場したニュースを見た際、
その意外性に驚きました。
なんか逆じゃない?と。
それで読んでみたこの本。
事業、人、組織、上場、社長。
企業の根幹のそれぞれについて、糸井さんが
ぐるっとまるっと語られています。
しかも、たまにダジャレつき。
(わたし、「すいません経営」で吹きましたw)
謙虚で俯瞰されてる姿勢が、重たくイヤミにならないのが
糸井さんのすごいところ。
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・「人がうらやましがるようないい考えをだして、実行すること」がかっこいい。
・消極的でいたほうがうまくいくような風土をなくす(のが糸井さんの役割)
・やってみてよかったなと思うことを伸ばしていければいいと思っています。そういうことしかできないし、それをやってきたのがほぼ日です。(中略)すぐになにかが起きるというより、効き方は漢方のようなものだと思っています。
・ただ給料だけを目標にして、眉間にしわを寄せて働くのが、ぼくはあまり好きではないんです。伸び伸びと働いていたら業績が上がって、じぶんの安心や安定が生まれて、人のことを考えられる余裕ができる、というのがいいんでしょうね。(中略)もっと「つよく」ならないと、人を助けることもできません。(つよさとは)「現実にする力」です。「ぼくらができることはこんなものです」ということを実際にやってしまう力、とも言えます。これは、とにかくコツコツと積み重ねていくことの中に答えがある。
・ただ、毎日おにぎりを配ったからといって、メシを食わせていることにはなりません。社員がじぶんの幸せをそれぞれ追求する環境をつくることが、「メシが食える」ということですから。
・1つひとつの問題に向き合って、「きみの言いぶんを言ってみろ」とやるよりも、環境を整えたほうがずっとよくなる。人間関係もそうでしょう。
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インターネット元年の1995年から3年後の98年、今や1日150万ビュー超えというお化けサイトに成長した「ほぼ日刊イトイ新聞」が産声を上げ、しばらくして「ほぼ日手帳」が生まれた。この手帳は順調に売上を伸ばし、(株)ほぼ日の年間売上の7割を占める基幹商品に。2016年東京糸井重里事務所から(株)ほぼ日に改称。その理由を訊ねられ、「はっきりと『チーム』で何かを実現させていく会社に変化してきたからだ」と。ほぼ日に3つの行動指針がある。「やさしく、つよく、おもしろく」。求人募集広告では、「いい人募集」とユニークな呼びかけを行い話題を呼んだ。このあたりはコピーライター糸井重里の面目躍如といったところか。2017年ジャスダック市場に上場。年商40億、経常利益4億8千、総資産30億という超優良企業に育て上げた代表取締役 糸井重里。
会社の来歴を簡単に舐めたところで本書。読み進めていくにつれ、これは実に“けったいな経営書”であるぞと実感。聞き手の問い自体にもその一因があるのかもしれないが、例えば手帳市場を一変させた「ほぼ日手帳」について語ることもなければ、ほぼ日の全てが凝縮しているサイトについても語らない。
ひたすら語るのは「働くということ」「会社というもの」についての思いを平易な言葉で、巧みな比喩を交えつつ「フニャ」と語る。糸井重里特有の平坦な語りは活字からも法話を傾聴しているような感覚に陥り、陶然とした気持ちになってしまう。
おそらく平素もこのような感じで社員に接し、毎週水曜日11時半から90分、全社員を前にして糸井重里は様々なことを語る。本人は意図してか知らずか、糸井イズムの注入を行なっているわけですな。
ゆえに改称しようが、ほぼ日のどこを切っても糸井重里の血がほとばしることは容易に想像できる。社員を叱らない、稟議書も求めない、パワハラとも無関係、主催イベントで人手が足りないとなれば、総務経理も駆けつける。
組織はあくまでも、有益な商品・サービスを生み出すための場であるが、時として管理のために存在しているのかと思しき組織や社員のケツを叩かなければ動かないと嘆息する経営者も多い。そういう面から見れば、ほぼ日は理想中の理想の組織と言える。
ただ見方を変えれば、「何をすべきかを常に考えさせられセクションを問わずアイデアを出し、行動を起こす」ことを求められる組織であるとも言える。人から指示を受けたことを実行に移してる方が楽と思う人にとっては、息苦しい企業風土であろう。
本書は「ほぼ日の“今”」について焦点が当てられ過ぎなのが残念。糸井重里を形成したであろう思想家 吉本隆明やセゾングループ元代表 堤清二のふたりについて切り込むべきではないか。とりわけ吉本隆明から受けた薫陶は少なくないだけに。概して起業家は「生い立ち」「若き日の挫折」「混迷期に手を差し伸べてくれた人の温情」が原動力になっていることが多いだけに、糸井重里の思想の源流に迫って欲しかった。
本書と糸井重里の自叙伝「古賀史健がまとめた糸井重里のこと」(糸井重里・古賀史健・ ほぼ日文庫)の併読をオススメする。代取以前の生身の糸井重里が坦懐に語っている。
最���に、読み終わって想起したのは、職人の世界で言われる「一子相伝」という言葉。糸井重里も齢70。ほぼ日がほぼ日たらしめている精神性を誰に引き継ぐのか。はたして引き継がれるのか。
今や上場も果たし、糸井商店でなくなった「ほぼ日2.0」のビジョンは、糸井重里のみぞ知るといったところか。本書では、その「ヒューチャー」については語ってはいない。