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視点を変えれば立場が変われば、人の人生は如何様にも写る。そしてそれを鑑賞する私たちの視点もまた、誰かによって見られている。そんなことを考えさせられるような話。痛々しくてかわいそうな私は、自分であり他人なのかもしれない。
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湊さんらしいドロドロした物語の短編集
人って違う人が見ると全く違う人格として表現されうる
最後のお話の弓香の母親はやっぱり毒親だと思う
マリアの母親は毒親じゃなくて虐待
明らかに法律で取り締まれないけど子供に悪影響を及ぼすのが毒親だと思う
でも多かれ少なかれ親はみんな毒親だ
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わたしはまさしくポイズンドーター側にいて、そしてマザーでもないので、ストーリーの中にいる間は、ただただひたすらホーリーマザーに怯えていた。
わたしはいつからか、母親になることを拒んで生きるようになった。母親になったら、わたしもホーリーマザーになってしまうのだろうか。
ここに出てくるホーリーマザー達は皆、娘を支配しているつもりなんてまったくない。
「優しい子に育ってほしい」親なら誰もが思う。思うのは勝手だ。
そもそも優しいってなんだ。分かりやすいのは、自分より相手を優先しろ、っていうソレだ。自分の気持ちより、親の気持ちを汲み取って行動する子どもが、「優しいね」と、褒められる。『優しい人』が怖すぎて、優しいって呪いだ、と思っていたら、最後は秀逸にしめてくれました。
親が見えないレールを敷くことは支配の入口であり、言葉にはしなくても、残念な表情をすれば、子どもは「親の期待を裏切ってしまった」と、酷く傷つく。そして、もうその残念な顔は見たくない!と、親の期待を裏切らないよう、見えないレールに従って、生きていくことを決める。大概は、それが支配だとは気づかない。
最終章のラスト、理穂は前章と異なりとても恐ろしく、だけど、理穂はきっと、自分がポイズンドーターであり、自分の母親がホーリーマザーであったことに、ちゃんと気づいていた。でも、今の人生を肯定するために、その気づきに蓋をしているだけ。きっと、こういう選択をしている人は多いと思う。
弓香の言うことは本当にそうで、他と比べてどう、とかではなくて、自分が親に対してどう思っているかであって、その気持ちは、絶対に誰かに脅かされてはいけないもの。だから、自分が「うちの親は毒親だった」と言うならそれでいいと思った。解説では、「無意識に【毒親】というワードを利用する毒娘になっているのでは?という投げかけ」について書いてあったけれど、わたしは親子関係というすでに子どもの方が絶対的に立場が弱く、さらにとても濃密な関わりから始まる人間関係の中で、それでは子どもの気持ちはどうなってしまうのか、と、思ってしまった。
子どもは社会を知り、親以外の考え方を知り、いずれ親となり、正義や価値観が変わってゆく。
「子どもは思い通りにならない、元気ならそれでいい」「子どもが幸せであるならそれでいい」「どんな子になるのかな」
そんな風に、親の敷いたレールではなく、子どもが親とは違う存在であることを肯定してくれるような、そんな親であれたらな、とドーター側のわたしは思ったものです。
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人間って、そういう生き物かもしれないけど、
何となく、さみしい。
そんな感じになった。
ホーリーマザーが、寂しさを倍増させますな。
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6篇からなる短編集。
さすが湊さん、安定のイヤミスでした。
タイトルは「ポンイズンドーター・ホーリーマザー」ですが、全体的には「ポイズンドーター・ポイズンマザー」。
毒親によって毒娘は作られるという感じです。
親も子も、自分達の『毒』に気づいていない。
こうやって毒親・毒娘は作られるのかと思うと背筋が寒くなる。
そして振り返ってみる、自分は毒親になってないか、毒娘になっていないか....。
湊さんの作品は、読後、自分を振り返らせてくれる。
いい意味でも悪い意味でも。
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6つの短編
マイディアレスト:人を馬鹿にしたら報いがある 母親が長女にだけ厳しい理由が知りたい。最後 怖い。
ベストフレンド:題名のとおりの作品 お見事です!
罪深き女:最後の場面で犯人の証言は真実か?
優しい人:人に優しくするのは節度を持って!他人の本性なんて確かに解らない。
ポイズンドーター:娘に同情 『私が悪いんだよね?』と娘にうのは呪いを掛けているようなものだと思う。自分の言って欲しい言葉を優しく強要するのは呪いのコミニケーション!
ホーリーマザー:ポイズンドーターの気持ちが反転!?親子の話はどうでもいいが、極論の話には非常に感銘を受けた。
ホーリーマザーを読んだ後で親に抑圧されて育ったと思っている各章の主人公達に対して少しだけ同情が薄れた。
いずれにしても、極論以外は子供の頃のトヤカクを大人になって迄引きずるのは良くない!基本は割り切って生きていくしかないのではと思った!
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湊さんお得意のイヤミス短編集。気づきや考えさせられることがあり、何とも言えない余韻が凄い。
表題になっている2タイトルは、特に視点によって物の見方がガラッと変わることを思い知らされる作品。社会問題に対する提起も含んでるのかな。
娘の気持ちが分かるからこそ、母親側の物語に深く考えさせられた。2作品を最後まで読んで初めて、其々のタイトルの意味が分かる。
煮詰まっていて、新しい視点や考えが欲しい時に読みたい一冊。
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湊かなえさんらしい作品で、1話目からドキドキした。
母と娘とか、意外とあるんじゃないかな…こういうこと…とか思いながら読んだ。
ヒトの想いって難しい。
2018.9.14
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毒親という言葉は、それなりの市民権を得ている、もしくは一定の支持を集めた時期が確かにあったと言っていい。抑圧される子供たちからのNoを、そして親を愛さなくていいという選択権を代弁する言葉として。本作は、この言葉に対して分かったような気でいる読み手に「そんな単純な理解でいいの?」を問う。弓佳を「何も分かっていない」と裁く里穂だって、正しいわけではないかもしれない。真実は、誰の目を通すかで違うという事実を改めて突きつけるという点で小説が持つ基本的なファンクションをきっちりと果たしている作品である。
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記憶が作り上げた今の自分は、本当の自分なのか。選べない環境や言葉掛け親から受ける影響は大きい。子どもの頃抱いた気持ちが重なる中、視点が変われば全く異なる人物が浮き出てくる。優しさが毒にも罪にもなる‥‥怖い。
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あまり短編集は好きではないが,これは最初の1文字目から湊かなえワールドなので,そんなに嫌悪感はなかった。母親が悪者にされることが多いなか,これは親と子供の立場の違いとでもいうのだろうか。そんなに悪い人ではない,ちょっと子供に依存が過ぎちゃった母親のようだったので,残念な結果に終わるが少しほっとした。
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毒々しい短編集。
「ベストフレンド」が好き。
最後のはちょっと納得がいかない。
人に対する印象なんて人によって違うし、人に与える印象だって人によって違う。人によって態度を変えるなんて普通のことだし、そのことに考えが及ばないのは浅慮だ。そして誰もがエスパーではないし読心術を得ているわけではない。人の気持ちは言葉にしないと伝わらないのだ。
それに、子育てに正解は無い。
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イヤミス。湊さんらしい作品だった。新刊!と思い読み始めてから短編集だということに気がついた、、、。でも一気に読めてしまった。
当たり前だが人は自分視点で話す。
あの人あの時こんな顔したから多分こー思ってたと思う。くらいは私も人に話していると思う。でもそれを鵜呑みにしてしまう人や、もっともっと妄想をして大きく大きく話す人、また絶対こー思ってた!と思い込んで、その先まで考えてしまう人。思い当たる人の顔が浮かぶ。
今回の登場人物はまさに、そんな人たち。
自分が傷つかないように、ダメにならないために人のせいにして生きていく。この本の主人公たちは残念な結末を迎えるけど、世の中はそーゆー人の方が得をしたり、上手に世の中を渡っていけるのかも。
でも私は、きちんとした人から信頼されるために、主観ばかりにならないように気をつけたいと思った。
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短編集ですね。
その短編それぞれにそれぞれのストーリーがあって,それぞれが思うことが色々あって,物語になっています。
色んなケースに共感するところもあり,特に最後のポイズンドーター・ホーリーマザーの集では,親が思うこと。やること。子が思うこと。やること。
それぞれが思ってやってることがお互いに通じ合ってないのだけれど,それぞれに思ってることがあるという,現実によくある話なんだろうけれど,それが素敵な?物語になって伝わってくるものがありました。
言葉にしないと伝わらないことあるけれど,言葉にしてもその言葉をどういう風に相手が感じるか?というのは別物だなぁ。。。と実感した次第です。
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同じ事柄が、違った人の目線で物語が進んで行く、湊さんの作品でよくある感じでした。
が、今回の作品は少し違う感じがしました。
なんというか。。物語と思いながらも、真実に近いことが描かれていると思いました。
何か、自分も気をつけなければと思いました。
面白かったです。