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病院でもカフェでもない、間の空間。特殊な空間だけど、落ち着くところです。思い返すと院内カフェみたいなお店に行ったことあるなぁ。
「今の時代では出番がなかっただけ」「この世にある全てのものは、誤作動を起こすものでも、絶滅するものでも、必要なものなんだよ、きっと」という、相田さん夫婦の会話良かったです。わたしは独身のまま中年なので、ちょっと心が安らぎました。
村上くんのアレルギー説も面白かったです。最後のバックアップシステムかぁ。
「病めるときも健やかなるときも」、相手が病気になったときも自分が病気になったときも、変わらずに相手の傍にいられるか。夫婦間の誓いだけれど、家族や友人の間にも当てはまると思えば大事な誓いです。
検診に引っかかって要精密検査の結果が出たこのタイミングで読了したので、余計に考え込んでいます。
でも、深刻になりそうな空気でしたがハッピーエンドな方向で終わったので良い本でした。メリークリスマス。
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「ここのコーヒーはカラダにいい」と繰り返す男や、態度の大きい白衣の男が常連客。その店で働く亮子は売れない作家でもある。夫との子どもは望むけれど、治療する気にはなれない。病院内カフェを舞台にふた組の中年夫婦のこころと身体と病を描く長編小説。
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病院のなかにあって、病院ではない。院内カフェは独特の存在である。入院患者も外来患者も、その家族も見舞客も、誰でも分け隔てなく迎え入れ、ここではみな等しく客という存在になる。そんな、中立国のようなこの場所にも、毎日、さまざまな人生模様が描かれ続ける。主婦であり、作家であり、カフェのバイト店員でもある亮子の目が捉える人間模様を、彼女自身の家庭の事情も織り込みながら、紡ぎだしているのが本作である。自分というものの在りようや、夫婦や親子のかかわりあい方のことを、いままでにない角度から考えさせられる一冊でもある。
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【あらすじ】
『漢方小説』から14年。
新たな舞台は病院のカフェ。
人々にそっと寄り添う空間で、
醸し出される温かさが通奏低音ように流れる傑作。
総合病院のロビーにあるカフェ。
「ここのコーヒーはカラダにいい」と繰り返す男や
白衣のコートを着る医師は常連客だ
。 土日だけこの店でアルバイトをする主婦の亮子は、
鳴かず飛ばずだけれど小説も書いている。
自然酵母のパン職人の夫との間には子どもができない。
子どもは望むけれど、がむしゃらに治療する気にはなれない。
不妊は病気なんだろうか。
実家の親の面倒で他人の世話をし続ける朝子は、
介護人生に疲れ切っている。
ついに夫の孝昭も難病に見舞われた。
不満も満足も口にしないでわだかまりをかかえた中年夫婦。
「院内カフェ」に集う、
人生の困難が否応なくおしよせる、
ふた組の中年夫婦のこころと身体と病をえがく長編小説。
【感想】
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面白かった。
とくに最後のクリスマスプレゼントのあたりでは、読みながら涙ぐんでしまった。
本当にこの作者、カフェで潜入取材したかもね。
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病院の中にあるカフェ?と疑問に思いながらも訪ねてくるのは患者さんやスタッフ、お見舞いにくる人など様々。
そこの小さな空間で起こる様々な物語
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病人とそうではない人には確かに壁がある。
それを無理に取り除かない。
それってとっても勇気のいること。
でもそれが一番自然な姿でお互い肩の力が抜けた良い関係性になれるのかも。
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病院の中のカフェをきっかけに広がる人間模様が興味深かった。
病院の中にあるカフェって、本当にこんなにいろんなことが起こるのかなぁ。ちょっと気になる。
親の介護に疲れ、やっと自分の夢に向かおうとした矢先に旦那が難病になった奥さんの話は、読んでいてグッときた。
特に、旦那さんへの手紙のくだりは、感動したなー。
病気に巻き込まれるのではなく、院内カフェのようにいつでも寄り添っている。カフェにいるから、来たい時には来てね。という奥さんの愛情の大きさに、自分ももし同じ状況になったら、こんな風に考えられるのだろうか?と思ったりもした。
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思ったより深くて思ったより心に刺さった。図書館で借りて読んだため手元にないのがすごく不本意。買うぞー。
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漢方小説を最初に読み終わって、良くも悪くもない普通の作品だったなと思いながらこちらもあまり期待せずに読みはじめたのですが、読み終わってみたら予想を超えて良い作品でした。
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院内カフェで少しずつ関わり合う人達。語りが次々変わり、お互い思いあっているのにすれ違う心。健康な人、患者、それぞれの視点から見ると同じものを見ていても思いは違う。答えを見いだせた夫婦は幸せ。
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院内カフェには、色々な病気の人やお見舞いの人、それ以外に普通のカフェにはない、少しホッとする場所として利用する人など、本当に色んな人が来るんだなと思う。だから必要な場所なんだと再確認出来ました。なんか、ホッコリして良かった。
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お見舞いに来たに人、入院してる人、入院するほどの病気をもっていない人、看護師や医者などいろんな人が来るカフェ。いろんな人が一息つける場所。
そんな場所があるからいいのだと思う。病院の下にあるからって体にいいものを提供しているわけでもない。だけどここでみな心落ち着かせる。素敵な場所だなと思った。
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ずっと気になっていた本。
柔らかい印象のカバーイラストに惹かれてました。
病院内にあるカフェのチェーン店を関わる人たちを描いた連作短編集。
病院の患者や付き添い、家族、医師、店員など様々な視点で様々な悩みや思いを抱える様子が描かれている。
そして、立地ならではの通りがかりの縁というようなものもあって、奥深かった。
話は決して軽くはないけれど、読み進めれば進めるほどカフェでの出来事がするすると結びついていく感じが読んでいて心地よかった。
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読み返したい本がまた出来た。持病で毎月のように通院していたとき、まさに院内カフェで居合わせた方と話したことがある。何とも言えない連帯感がある、不思議な時間だったことを思い出す。中江有里さんの解説も良かった。
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カフェを利用している人、それぞれの話が身近にあるだろうし、いずれは私も経験することなのだろうと思いながら読んだ。
病気の人には病気の人の悩みが、付き添いや介護をしている人にも悩みは必ずあって、それはきっと分かり合えないかもしれない。
でも、それをわかってあげたい、理解してあげたいと思えれば、お互いが救われるのだろう。
病院という異空間、非日常の生活でカフェに来て、普段を取り戻したり、考えごとをしたり、リフレッシュしたり、そうする時間を持つことが必要なのだろうと思う。