投稿元:
レビューを見る
2019/09/04:読了
面白かった。
海水、海底、海の山「海嶺と島弧海底火山」、海溝に臨んだ人達、どれも新鮮だった。
この人の本、わかりやすい。
【もくじ】
第1部 太平洋とはどのような海か
第1章 「柔らかい」太平洋――広大な海を満たす水の話
第2章 「堅い」太平洋――その海底はどうなっているのか
第2部 聳え立つ海底の山々
第3章 ハワイ沖に潜む謎の海底火山
第4章 威風堂々! 天皇海山群の謎
第5章 島弧海底火山が噴火するとき――それは突然、火を噴く
第3部 超深海の科学――「地球最後のフロンティア」に挑む
第6章超深海に挑んだ冒険者たち――1万メートル超の海底を目指して
第7章 躍進する超深海の科学
投稿元:
レビューを見る
読ませる書き方でよかった
深海探索の歴史は興味深かった
深度の記録が徐々に塗り替えられていく
1万メートルの深海へ行ったのは3人しかいないのは意外
海底火山の噴火で観測隊が全滅した事件は読みごたえがあった
投稿元:
レビューを見る
最初は内容難しいなぁと少しモチベーションが低下していたが、読み進めるうちに太平洋の環境への影響力の大きさを痛感した。また太平洋、特に深海の神秘さが伝わってきてどんどん読み進めた。
第一部
「太平洋とはどのような海か」
熱水プルームの存在が、地球に豊富な金属資源をもたらしてくれていると分かり、海底火山の重要性を再認識した。
地球温暖化により深海の温度もここ100年で1度以上上昇した。さらに二酸化炭素の増加が海水の酸性化に繋がったり、難溶性プラスチックが海底に大量に蓄積していたりすることを知り、早急に環境問題に対処する必要があると感じた。
第二部
「聳え立つ海底の山々」
海底火山の観測の話を通じて、自然の力の凄まじさを感じた。
第三部
「超深海の科学」
深海にはまだまだ未知の世界が広がっていて、奥の深い世界であること、超深海探査の難しさを、複数の冒険者の功績や取り組みを学ぶことで少しは理解できた気がする。
2023/12/31読了
投稿元:
レビューを見る
何一つ知識のないジャンルは、ブルーバックスや岩波ジュニア新書で知ることが多い。
なんといっても分かりやすいので重宝している。
海ものは好きだけど、詳しいことは全然知らない世界。
今回もこの本で楽しく入門の扉を叩いてきた。
深海の研究は難しく、特に世界でも指折りの最深の場所、日本海溝周辺の研究はようやくはじまったと言えるらしい。
圧力との戦い、遠き場所での孤立無援のチャレンジャーという点でも、同じ時期に進められてきた、宇宙の研究と似ているとのこと。
読んでいて面白かったのは、空気中と水中では、音と光のあり方が反対だという点。
水中では、光はすぐに失われてしまうが、音は空気中より遥かに速く、遠くまで伝えることのできる存在だそう。
太平洋の深い海中に、日本の古代天皇たちの名が連なっていることは今回初めて知った。
その命名に関わった米国人の博士の意図が今もよくわかっていないこと、その人物が本書では他に二箇所にわたって名を出すほど、海の研究で多彩な功績を残した人物であることなど、はじめて知りました。
潜水の技術の発展、海の深さをどう測るか、測量は古来即ち軍事利用されうるジャンルなのでそこが太平洋戦争を経てどう動いてきたか、を読み取るのは面白かった。
マイクロプラスチックがここまで深海にも影響を及ぼしていること、これからの環境問題について考える際の大きな事実となりそう。