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「贈る」ように本を作り届ける人たちの小論集。編集する人、装丁する人、校正する人、印刷する人、製本する人、取次ぐ人、営業する人、書店で売る人、本を届ける人、批評する人。本が出来上がるまでの過程がよくわかる。そうだ。本はこんなにもたくさんの人の手で作られている。それぞれの仕事がリレーのように繋がって読者に届く。私はやっぱり本が好きだし本の仕事に携わりたい。この流れのどこにいたいのかだ。本っていい。モノとしての本の価値も再認識。大事に作られた本を大事に手元に置きたいし出会いの場を作りたい。
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烏兎の庭 第七部 3.19.23
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto07/diary/d2303.html#0319
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本を世に出す仕事をしている人たちの書いたエッセイ集といった感じの本らしい、という認識で読み始めた。書き手として思い浮かんだのは、作家、編集者、校正する人、挿絵や装丁の担当の人…?程度。ちゃんと考えれば当たり前なんだが、他にも印刷、製本、取次、書店、といった工程/場所で働く人がいて、それぞれの持ち場なりの視座というものがあり、お仕事本的な面白さがあった。
「書き手として思い浮かんだ」人の偏りからもわかるように、私は本と言えばついその内容だとかメッセージみたいなものばかりをその本質だと考えがちだったが、もっとシンプルに、モノとしてここにある本を、愛おしく思う気持ちがむくむくわいてきた。
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本に携わる様々な人々の「本を贈る」ことについて。それは「プレゼント」とは限らない。それぞれの立場から本を贈る。
本に携わる人たちの本を作ったのは、文章を寄せたそれぞれの人たち。
一冊の本にはたくさんの人たちが関わっている。
この本はまさにその人たちから私たちへの贈り物なのだろう。
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〈執筆者〉批評家・若松英輔/編集者・島田潤一郎(夏葉社)/装丁家・矢萩多聞/校正者・牟田都子/印刷・藤原隆充(藤原印刷)/製本・笠井瑠美子(加藤製本)/取次・川人寧幸(ツバメ出版流通)/営業・橋本亮二(朝日出版社)/書店員・久禮亮太(久禮書店)/本屋・三田修平(BOOK TRUCK)
宿題こそ進まないが彼女は本の虫で、毎週学校の図書室や、区立図書館、子ど も文庫などで山のように本を借りてくる。ものすごい集中力で、ほっておくと何 時間でもひとり読みふけっている。
「本に関わる仕事ができたらいいな。でも、営業だけはいやだ」 大学時代は午前中から夕方までずっと図書館で過ごしていました。数回チャレ ンジしたサークルの新歓コンパも雰囲気になじめず、バイトも続かず、大学生活 の歩き方がわからず、つまずいてばかり。行き着いた先は、図書館でした。新聞 を読みくらべ、膨大な数の古典文学を読みあさっているうち、本に囲まれた空間 に体が馴染んでいました。
小石川の店にいた頃、月刊誌『WILL』を毎号欠かさず買いに来るおじいさん がいました。この雑誌は保守系言論誌で、おじいさんは、この雑誌に執筆して 百田尚樹や櫻井よしこ、石平といった作家の新著を欠かさず買ってい した。買いに来るたびに話が長くて、「北朝鮮のならず者が⋯⋯」「中国に出し抜かれる⋯⋯」と、ぼくはひたすら聞かされていました。個人的な信条からすれば、 おじいさんの買う本にも話の内容にもあまりノレないのですが、ぼくはこのおじさんのことがわりと好きでした。たぶん、素朴な義俠心のようなものが強いいい人なんだろうと感じていました。
子どもの頃に本を読む習慣がなかった僕は、大学生になってから突然読書の楽しさに目覚めた。そのきつかけはなんてことはない、当時会計士を目指していて、 会計や金融の勉強にでもなればという軽い気持ちで読んだ経済小説『金融腐蝕列島』(高杉良)がめちゃめちゃ面白かったからだ。今までの生活の中に「本を読む」という選択肢は全くなかったのだけど、読書の楽しさを知ってからというも の、夏目漱石や太宰治らの名作と呼ばれるものから、村上春樹や伊坂幸太郎らの当時流行っていたものまで、在籍していた専修大学の図書館で本を読み漁るよう になった。新しい考え方や知識が増えていき、今まで漠然と思っていたことが言 語化されることで物事はクリアに見えはじめ、視界がパッと開けていく感覚がやみつきになった。この時期は本を読むという行為がとにかく楽しくて仕方がな かったのだ。
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本が出版されるということは
ひとつの命が誕生するほどの
価値があるのだと感じた
かんたんに言葉にできることは 直接相手に伝える
でも言葉に残しておきたい時は メールを使う
もっともっと…相手に気持ちを伝えたい場合は手紙に想いを託す
それでも足りないとき…
初めて“本”という形で
世界の片隅で生きる私たちに
言葉が贈られているのだと感じた
本が出来上がるまでの
長い航路を思うと果てしない…
執筆…編集…校正…装丁…
印刷…製本…営業…取次…書店へ
ようやく私たちの手元にくるまで
本たちは今まで携わった者たちの想いを受け継ぎ
色んな物語を経たあと
私たちの大切な本棚に並んでいく…
この作品は いつも贈るように本をつくり
本を届ける10人のエッセイが収録されている
編集者の #島田潤一郎 さんや
批評家の #若松英輔 さん
他にも装丁家、校正者などなど…
ひとつひとつがとても豪華な内容で
感動しました!!
私も大切な人が困っているとき
“言葉を贈る”人でありたい…と感じました
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本を作る人、というと著者・編集者・出版者、というような職業が思いつきますが、本ができてから読者のもとに届くまでには、その他にも印刷・製本・装丁・取次・書店員と多くの「見えない」方々の手を通っています。
この本では、編集者・装丁家・校正者・印刷・製本・取次・営業・書店員・本屋・批評家と、様々なタイミングで本に関わる人たちのエッセイが収録されています。一人ひとりが思いを込めて本に接していることが分かり、何気なく手に取る一冊の本が今まで以上に貴重で価値のあるものに思えてきます。
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一冊の本が自分の手元に届くまでに、たくさんの人が関わり、実際どんなお仕事をしているのか知らなかった。
作家、校正 編集 製本 製紙会社 木を育てる人 取次 販売 などなど。多岐にわたっている。
それにしても、本が好きで本に携わる人たちが書いた文章は、どれもすばらしい。
矢萩多聞さんが好きで、この本を手にした。やっぱり分かりやすくてよかった。若松英輔さんの、柿本人麻呂の歌から、当時の人たたの言葉の持つ力の大きさを伝えてくれている箇所が特に印象に残った。
私は、読んだ本から好きな言葉を抜き出して、2001年からノートに記している。
読み返すと、その時の自分が求めていたことに適した言葉達が記されていて、今でも変わりなく力をもらっている。
だから、言葉の持つ力って色褪せないということを実感している。
わたしは、この本の表紙の字体や紙の手触りや中表紙や、軽さも好みだ。
本に携わる人が、求めてはいないのかもしれないが、パン的にも恵まれる世の中だったら、もっともっと希望があるのにと思ってしまう。