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失われたユダヤ10氏族はいなくて単にパレスチナ人になっただけ、ユダヤ人を名乗る白人が別でいるだけ、ユダヤ人を名乗ったり辞めたりするのは昔からという説、実利を求め合理的で現世主義の考え方とそのアンチで神秘主義的禁欲的な考え方に宗教は2分されることなど面白い。
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高校時代の世界史を真面目に聞かなかったせいもあるとは思いますが、教科書の世界史は、古代4文明を習った後に、いつの間にか、欧州の歴史になっていたような気がします。その途中に何が起きていたのか、ブラックボックスに包まれたまま、近代史になっていたと思います。
そんな知識が欠如している私にとって、世界経済関連でいつも興味ある内容の本を書かれている副島氏が、その部分を埋めてくれる本を書いてくれました。また今まで思っていた認識も変わってしまうような部分もありました、これから日本人は「令和」という新しい時代を迎えますが、今までの感が型にとらわれず生きていかなければならないな、と思いました。
以下は気になったポイントです。
・人間を貫く三大法則、1)食べさせてくれの法則、2)遊牧民が定住民の国に侵入し占領する、3)熱狂が人類史をつくる(p7)
・エジプト帝国とバビロニア帝国は、どちらも5000年くらいの歴史を持っていて、ここから世界史が始まる、この2つの大きな地域全体は繋がっていた、言葉と宗教が同じ中東世界に突如、異質の集団が出現した、これがユダヤ教で出エジプト記(BC1250)に書かれている(p34、37)
・オランダがスペイン帝国から独立(1581)したとき、国王にならず総督にとどまったのが、オラニエ公ウィレム一世である、アメリカ合衆国はこの総督制度を引いているから、国王ではなく大統領である(p46)
・旧約聖書はBD400頃でヘブライ語で書かれていたとされるが、紀元後200頃にエルサレム辺りで成立した、この時にギリシア語で書いただろう、なので旧約聖書の成立は、新約聖書がローマでギリシア語で書かれたAD60年よりも100年以上後だろう、つまり、旧約も新約聖書も初めからギリシア語で書かれた(p47、49)
・一神教と対立する多神教はギリシアのオリュンポス12神のことであり、日本の八百八神などは論外(p53)
・ユーラシア大陸の北方の大平原の人々はすべてトルコ人である(p62)
・ゲルマン族の中心のフランク族は元々、今の北ドイツ、フランス(ガリア)にいたので彼らは民族大移動はしていない、トルコ系が速攻で移動してきた(p66)
・カスピ海と黒海の北にいた、カザール(ㇵザール)王国をつくって、ユダヤ教(モーセ5書のみで、タルムードは除外)をAD740年に国教にしたのが、アシュケナジーユダヤ人で、1880年からイスラエルに移住してきた(p67)
・モンゴル帝国は、フン族、突厥、ウイグル、契丹、遼などのチュルク(トルコ)系が混血した帝国(p71)
・ニカイア公会議で、三位一体説が決定、神性は「神とその子と精霊」の3者によって分有されるという、アタナシウス派が勝利し、アリウス派(イエスは人間で、大神はゼウス)が異端とされた(p77)
・コンスタンティヌス帝も、その母ヘレナもローマからコンスタンティノープル(元々はビザンツという町)へ移ってきて、ローマ語よりも高級語であるギリシア語で読み書きした、そしてローマ語(のちのラテン語)を忘れていった(p82、83)
・ローマは死に体であったが、ローマ・カトリック教会だけが荒廃したローマの中で頑張っていた、ゲルマン種族や蛮族を教化、洗脳、帰依させていた。ゲルマン族からフランク王国(ドイツ、フランス)ができてそれを正統で受け継いだのがハプスブルク家である、なので1400年代から神聖ローマ帝国のウィーンの皇帝たちは、1800年代になってもローマ教会が嫌い(p85)
・イギリスの建国はヴァイキングの王である、エクバードによる829年、サクソン(ドイツ・ザクセン地方)出身(p89)
・ジョチ(チンギスハーンの長男)と、その子パトゥを頭目として、キプチャク汗国を建てて、先住民(ロシア人)を240年間支配しが、これをタタールの軛(くびき)と言う(p93)
・キエフ・ルーシ(ウクライナ人)は誇り高く抵抗したのに対して、モスクワ・ルーシは従属したので、ロシア人とウクライナ人はいまでも仲が悪い(p94)
・イスラエル国民の2割がスファラディユダヤ人、スハラディウムとは、スペインという意味であり、1492年のディアスポラ(大離散)によりスペインから追放され移住したユダヤ人である。どの代表が、オランダのアムステルダム、ロッテルダムへ移住した(p99)
・EU(ヨーロッパ同盟)は実は、キリスト教圏である、ヨーロッパ人とはクリスチャンである白人たちの連合体である(p119)
・日本では憲法よりも上に、実は安保条約がある、憲法の上に軍事同盟条約がある限り、憲法典をすこし改正してもたいした意味はない(p142)
・十字軍運動(合計4回)とは、ちょうど200年間(1096-1291)に及ぶ、西洋白人によるアラブ世界への干渉、侵略戦争であった、この後1918年にイギリスがトルコ帝国を追い払いながらやってくる(p206)
・テンプル騎士団からの大借金に耐えられなくなった、フランス国王のフィリップ4世が、テンプル騎士団の幹部たちを逮、拷問、火あぶりにしたのが、1307年の「魔の13日の金曜日」事件である(p207)
・モンゴル帝国の脅威が1300年くらいから徐々になくなって、オスマン家(1299年に王朝つくる)が台頭してきた、オスマン家はカリフになれないが、スルタン(皇帝)を名乗った、1918年までの600年間、アラブ・イスラム教世界を支配した(p209)
・パレスチナ人とユダヤ人たちの話す言葉は互いに通じる、文字は違うのに(p213)
・ギリシア・ペルシア戦争のあと、200年経過して紀元前300年くらいから、カルタゴ(今のレバノン、フェニキア人)とローマ人との戦いが激しくなる、カルタゴ戦争とは、ローマ対フェニキア(ギリシア)戦争である(p224)
・アレクサンドロスはエジプトから引き返して、BC331年には世界首都バビロン(後のバクダード)に入っている、のちのバグダードはここから100キロくらい北、アッバース朝のイスラム帝国がAD762年に移している、5000年の人類の歴史の中心は、バビロン(後のバグダード)、ギリシア・ローマ文明よりもさらに2500年古い(p233)
・日本の仏像の、あのパンチパーマのちりちり髪は、ギリシア彫刻の白人のくるくる巻毛から来ている(p245)
・中東世界全体で、BC333年(アレクサンドロス大���)から、AD400年代までの700年間、ギリシア語が使われていた、しゃべるのはラテン語、AD600年代からラテン語が書き言葉でも使われだした(p247,249)
・エジプトナイル川から出る大量の砂金を奪い取って、ローマ帝国は金貨をつくった、落ち目で貧乏になったローマ帝国は鉄で造った、鉄をまぜたら貨幣は終わりである、腐食しないのは、金と銀(p252)
・BC168年、ギリシア(マケドニア)の最後の王ベルセウスがローマと戦い大敗し、ギリシア全土がローマ軍に支配された、これを今も欧米白人歴史学者は書きたがらない(p263)
2019年5月5日
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モーゼに率いられて出エジプトをしたのはエジプトの屯田兵で、ペリシテ人も早くに送られた同じ屯田兵であった。この出エジプトの中で、彼らはユダヤ教を発明し、ユダヤ人となった。モーゼ五書がまとめられたのは、新約聖書より後でありギリシャ語であった。黒海の北にあったサガール国は、ユダヤ教を国教とし、その人々はアシュケナージ・ユダヤ人と呼ばれ、東欧などに散り、イスラエル建国の時には8割を占めていた。ユダヤ人は、負け戦になるとペリシテ人になって、そのままその地にとどまった。ヨーロッパ諸国を建国したのは、ヴァイキングであり、突厥、匈奴、モンゴル、オスマントルコたちは、皆チュルク人である。しかし、人種、民族などというものはない、みんな混血してしまっているから。一神教がなければ、人類はもっと幸せであったろう。
ーとまあ、思い出せるまま書いてみた。納得できることがいっぱいあった。アーサー・ケストラー「第13支族」、ベネディクト・アンダーソン「幻想の共同体」、シュロモー・サンド「ユダヤ人の発明」、ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス」の4冊が、副島氏の考えのもとになっているという。寡聞にして初めて聞く本ばかりだが、世の評価はどうなのだろうか。
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何が定説で、何が他の書籍からの引用で、何がこの作者の推測(妄想)なのか、ごちゃごちゃでさっぱり分からない。というより、筆者に分からせようという気が無い。
全般的に、「私はこんなスゴイことに気づいた。スゴイだろう」という論調であり、老人の自慢話を延々と聞かされているようで、ただただ不快。
新たな世界史観を示した本は他にもたくさんある。この本を読まなくても新たな知見はいくらでも得られるだろう。
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はじめにー世界の歴史が大きく分かる
この本は、世界史を勉強するための本だ。世界史をできる限り分かりやすく、その全体像をつかまえて、分かるための本だ。
日本人が、世界史(=人類史)の全体像を、どこまでも徹底的に簡潔に外観(アウトルック)できることを目指した。
大風呂敷を広げ、大丼を書いた。世界史の勉強本である。それがうまくいったかどうか、読者が判断してください。
世界史(人類史)五〇〇〇年間(たったの五〇〇〇年だ)は、世界各地に起ち上がったたくさんの小さな民族国家=国民の興亡である。そして、それらをやがて大きく束ねて支配した帝国(大国)の存在に行きつく。
そして帝国(大国)は、別の帝国と世界覇権を目指して激しく衝突する。その構造体(仕組み)は今もまったく変わらない。
わたしの歴史観として、人間(人類)を貫く法則は、3つある、と考えている。
1.食べさせてくれの法則。
2.ドドドと遊牧民(騎馬隊)が北方の大草原から攻め下る。そして低地(平地)に住む定住民(農耕民)の国に侵入し、占領支配する。
3.熱狂が人類史をつくる。あるとき、なんだかわからないが、ドカーンと激しい熱狂が生まれて、多くの人が幻想に取りつかれて、その熱狂、熱病に罹る。それは地域を超えてわーっとものすごい速さで広がる。それが大宗教である。世界5大宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教)だ。
共産主義(社会主義)という貧困者救済の大思想も、この熱狂である。
この「人類史の3つの性質」(史観)を土台にして、この本では、さらに次の4冊の大著に拠った。
世界の先端知識人に注目される近年の4冊の世界史の大著
1『第13支族』アーサー・ケストラー
2『幻想の共同体』ベネディクト・アンダーソン
3『ユダヤ人の発明』シュロモー・サンド
4『サピエンス』ユヴァル・ノア・ハラリ
ものごとは、大きく大きく、スッキリと分かることができなければ意味を持たない。大きな真実は小賢しい嘘と怯懦を、長々とこねくり回さない。強大な真実をバーンとはっきり書かなければ、どうせ私たちの生活の役に立たない。
4冊の本を使うことで、これまで私たちが習って(習わされて)教えられてきた「世界史の知識のたくさんのウソ」が大きく訂正、変更されるからだ。
18の帝国がイスラエル=パレスチナを占領・支配した。この小さ場所から世界3大宗教(一神教】が生まれた
第1部副島隆彦が伝える世界史の「新発見」
いくつもの定説が覆される
捏造された旧約聖書と人類を不幸にした一神教
チュルク人の大移動が世界史をつくった
カザール王国とノルマン人が西欧に打撃を与えた
民族・宗教はすべての幻想の共同体だ
第2部古代オリエントー三日月地帯から世界史が分かる
イスラエル=パレスチナが世界史の核心部
モーセの出エジプトからユダヤ民族の歴史が始まった
消えた10支族と王の友になったユダヤ人
聖地エルサレムは3大宗教の争奪地帯
第3部ギリシア・ローマーアテネ壊滅とギリシアへの憧憬
ギリシアとフェニキ���は一心同体だった
アレクサンドロス大王の「世界征服」の事実
ローマ皇帝とは大勝を強いられる戦争屋
ローマ人のアテネ破壊が西欧最大の恥部
おわりに
世界史年表