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富山を旅する予定なので読んでみた。
子ども目線で大人の理不尽な世界に悲哀を感じながらも日常の友情を切なく描く。表紙もいい。蛍見に行きたい。
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「泥の河」
信雄にとって、喜一と銀子は友達だったのか。少し怖いと思っていたのか。彼ら家族との出会いと別れは素晴らしい経験だと思う。
ただ、蟹の巣のくだりとか怖い。
信雄も変わったとこあるけど。
昭和30年代の大阪。今の人には想像できない空間だったんだろう。強いて言えば今だと競艇場とか。
「螢川」
竜夫、当たり前の存在だった父親が死に、ずっと友達と話した後に友人が死んでしまう。色々経験して成長していく。
重竜も千代も当たり前だけど色々経験している。最後、妖光って表現は凄い。
螢川の方がスラスラ読めた。
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戦後から数年の復興期の物語なのに古めかしいとは感じなかったのは自分も歳を重ねたからであろうか。時代に翻弄される人々も今現代のわたし達とちっとも変わらない。学生の頃読んだ青が散るをもう一度読みたい。
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螢川の情景が美しい。でもそこには哀しみが漂っているように感じた。
誰もが必ず通らなければならない死別、それでも前を向いていかないといけないですね。
2021/4/4 ★3.5
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螢川のいたち川は富山市内の母の実家の近所を流れていて、幼少の時に遊びに行った際に自分も渡ったことがある。登場人物の会話に出てくる富山弁は親戚たちを思い出させ、この小説が自分の身近な話であるかのような感覚で読み進めた。
主人公の思春期の葛藤に、両親や親戚の生き様と友人などとの関わりが丁寧に描かれて、最後は螢川の奇跡の情景へと繋がっていく。複雑で難しい人生模様を、悲観させず独特のファンタジーな包容で展開させる作者らしい仕立てだった。
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かつての日本の貧しさに負けたシリーズ。
いや、精一杯頑張ってると言いたい向きもあるだろうけども、廓船の兄弟の厳しい現実よ。
まぁそういう貧困を伝えるための話ではないかもしれんので。ここはボーイズの青春ストーリーとして楽しむべし。どっちのボーイズもちょっと大人の階段登る感じでこのマセガキめ、っていうのが、この良さが分かるのはもうあの頃には戻れないオッサンだけに違いない。
しかし螢川のラストシーンは今の技術で映像化したら良いじゃん的なと思いきや少々出木杉くんかもしれん。とはいえ余韻の残る良いラストですよって。
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最後に大量に演舞する蛍を見ることになるのだが、最初はそれは何?・・という感じであった。
ただ、のびすけさんという方の書評にこのような記述があり、はっとさせられた。「無数の螢が英子の周りで乱舞する光景が幻想的。それと同時に、螢の出現は竜夫と英子の別れを意味していることに切ない気持ちになる。」
その蛍を好きな人と見ると結ばれる・・という言い伝えがあるらしい。なるほど!人というのは、別れがたいものがあればあるほど、別れられる理由が必要になるんだな・・と気づいた。竜夫は言い伝えにすがることで、希望を残し、分かれたんだなと理解した。また、これから大きく変化していく竜夫の人生の「願えば叶う」的な若いエネルギーを象徴しているのかもしれない。