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この(18)は、本編そのものも良いのは当然なんですが、引っ張り方が上手いんですよ
すぐにでも、(19)を読みたくなるトコで終わっています、ハイ
どの話まで収録するか、藤田先生と担当編集さん、どっちが決めているのか、はちょっと判らんけど、いずれにしても、やってくれますねぇ
ついに、この(18)で、『からくりサーカス』は最終章に突入しました
当たり前の話ですが、これまでの話以上に、激熱で重厚な展開になっていきそうです
藤田作品の最終章は、どれも、読み手を殴るパワーが凄まじい、と判っているので、こっちも全力で腹筋を固め、衝撃に備えねばなりません
この(18)でも、勝&しろがねサイド、鳴海サイドともに、大きな動きが起きています
まず、勝&しろがねサイドから感想を書いていきますので、お付き合いください
とは言え、毎回、長文になってしまうので、今回はなるべく、コンパクトに
端的に書くと、フェイスレスの底知れない悪意が、幸せを満喫していた勝を絶望に陥れます
よくもまぁ、ここまで、ゲスい事が出来るな、と感心しそうになるほどです
フェイスレスが、しろがねを手に入れるための最終段階を発動させたことにより、世界中の人々がゾナハ病に罹ってしまいます
唯一、罹らなかったのは、勝としろがね、彼女と共に生活をしていた仲町サーカスの面々
様々な因縁が絡み合う黒賀村が、最終決戦と言う「見世物」の最初のリングになっており、そこで、各キャラが各自の敵と対峙するってのが、これまた、藤田イズムを感じます
勝としろがねは戦闘に長けてますが、他のメンバーは一般人。ヴィルマは裏の世界の住人なので、他のメンバーよりは強いですが、自動人形に勝てるほどじゃありません
それでも、弟の仇であるワイルド・ウェスト・ジェーンに単身で立ち向かいます。女にだって、退いちゃいけない時と場があるんですよね
これまで、しろがねに守り続けられていた勝は、彼女が知らない戦いをいくつも経験し、確かな戦士に成長しており、フェイスレスが切ってきた最高戦力である「最後の四人」を相手に善戦します
しかし、狡猾で陰険な「最後の四人」に人質を取られてしまい、勝は窮地に陥ってしまいます
その勝を助けたのが、ある意味、同性ゆえに大きな影響を受け、良い方向に変わった平馬ってのが、これまた、グッと来ます
勝ばりの無茶で、見事に親友を助けた平馬は、本当に良い働きをしました
力及ばず、しろがねをフェイスレスに連れ去られてしまった勝は、危険を承知で、彼女の救出に一人で向かおうとします
祖父・正二との約束や、“家族”や友達は巻き込めないと言う甘さ、また、勝自身のしろがねへの気持ちもあり、彼の眼は、ヴィルマが「男」と認めなおすほど、精悍な光が宿っていました
鳴海サイドは、収録されている話こそ少ないですが、熱さで負けている訳でもありません
先にも書きましたが、続きが気になってしょうがないです
鳴海サイドに、仲町サーカスの法安さんと、ギィが加わった点も、話の展開を面白くしてくれそうです
法安さん��一般人の中でも老齢で、戦闘面に関しちゃ、全く期待は出来ないんですが、人生経験が豊富な分、若手らに大事なことを教えてくれそうです
以前、鳴海を激怒させたジョージも、サハラで阿紫花と関わったからか、妙に良い人間味が出ているように思えます
果たして、この個性が強いメンバーたちは、ゾナハ病から人を守り、なおかつ、フェイスレスの企みに対抗できる機械を守れるんでしょうか
この(18)では、勝&しろがねサイド、鳴海サイドだけではなく、自動人形サイドにも、見過ごせない動きがありましたね
とことん、性格がひん曲がっているフェイスレスから、自分達が偽のフランシーヌ人形を守っていたことを聞かされ、人間のような動揺、狼狽、失望に囚われてしまうコロンビーヌ、アルレッキーノ、パンタローネ
この三体は失意に沈んでいましたが、その時、出逢ってしまったのです
本当の主の面影を強く持っているしろがねに
三体は知りません、本物のフランシーヌ人形が、幼いエレオノールを守って、笑顔のまま、「生命の水」に溶け、それをエレオノールが飲み、記憶を受け継いでいる事を
だからこそ、彼らの心に、この出逢いが、どのような影響を齎すのか、楽しみになるんですよね
この台詞を引用に選んだのは、藤田イズムが大炸裂してるなぁ、と感じさせてくれるからです
勝手な意見ですが、藤田作品が面白いのは、藤田先生の中に流れる血潮が、この年頃の男の子に負けないくらい、熱いからなんでしょう
その熱さを、大人になっても維持できている藤田先生は、本当に凄い、と思いませんか、皆さん
どうやったら、そんな事が出来るんでしょうか
やはり、押切先生が仰っている通り、「怒り」を大事にしているからなんでしょうか
そう考えると、私は、自分の作品に、そういう「怒り」を込められていないようです
「怒り」を込める事が出来れば、自分の小説をもっと面白く出来て、デビューも叶う、と気合を入れ直してくれた感謝も、この台詞を引用に選んだ理由です
「へーま、大人より、子供が弱いなんて、誰が決めたんだろう? いつだって、大人になろうとしてる・・・・・・子供の血のほうが熱いのに!!」(by才賀勝)