投稿元:
レビューを見る
月刊絵本での発行から1年余りという異例の速さでハードカバー化。安野光雅さんの推薦文の帯付き。
**以下月刊誌のときの感想**
著者初のこどもむけの著作。体の構造も見えている世界も生き方もまったく違うアリも人間と同じように数学を理解するか? というやや哲学的な内容ながら、具体的な話題を積み重ねてなるほどと納得させる。アリが体感する数の世界はわたしたち人間ならではの想像力の賜物であり、詩のような文章を通して、数学の美しさやとらえどころのなさ、当たり前の概念を疑う用心深い思考にふれて、「計算」「苦手」「面倒」といった算数のイメージが一変するかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
【図書館・新刊棚】アリの世界の数は動いていて生きている!アリには人間の数学は分からない。それと同じくらい人間にはアリの数学が分からない。読んでいて、所々でヨシタケシンスケさんが頭に浮かんだ!発想って自由なんじゃないかと。この絵本はいろんなことを考えさせられると思います。
投稿元:
レビューを見る
人間からみた数字の意味とアリからみた数字の意味。
シンプルにおもしろいなと思った。私たちからしてみると数というのは生活のほとんどを占めているといっても過言ではない。今日は何日?今何時?お給料はいくら?薬をどのくらい飲めがいいか?どれをとってもいい意味でも悪い意味でも数字に支配されている。
それをこういった子供向けの本で解いたというのがどうにも面白いところ。小学校中学年にはこの本の真のテーマを解くのは難しいかもしれない。でもこういった形で著者が世に向けたメッセージをみて明るくなった。
数字一つとっても、受け取る側で理解が180度変わる。
例えば、テストで悪い点をとったらどうだ?自分はばかだから一生分からないとふさぎ込むのではなく、分からないところを指摘してくれたこのテストの機会を通して、理解が深まった、もう二度とミスはしないと視点を変えてみることはとても大事だなと思わせてくれた。
投稿元:
レビューを見る
子供向けにしては結構難しいことが描いてあると思うが、分からないながらも抽象概念に触れてみるということはたまにはいい経験になるんじゃないか。世界の見方は一様ではなく、見る立場によって変わってくるという感覚が少しでも伝わればいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
2017.8.5
ちょっと感動する。数の話。数学の話。頭を使って考えさせられながらも物語がある。数学の世界おもしろそうじゃないか。これを絵本にしたのがすごいし、よかったよなあ。子どもはどう感じるんだろう。もう少し大きくなったら読ませてみたい。
投稿元:
レビューを見る
「数や図形がそもそもどういうものなのか」を探求するために、著者はアリとなって考えていく。
私にとって、その深い未知の世界の、ほんのほんの一片をのぞき見た感じ。
そうか、数学者って(森田さんがなのかな)私が当たり前だと思っている概念を、全く別の視点で無の状態から考えていくんだと初認識した。
“アリに数がわかるだろうか。
アリにはかぞえるための指がない。
たくさんのものを同時に見わたす視力もない。“
それならばと、アリになり、アリたちに話を切り出すとの、発想!
アリにとって、「数ははじめから生きている」
「同じ 1 にも、色や、輝きや、動きがある」
「アリには折ってかぞえる指はないが、群れの中の一匹ずつが、群れ全体の器用なゆびのように、世界のすみずみを探索している。」
「自分の知っている数は、生きた数のほんの小さなかけら」なのだとしたら、「その世界は広くて自由」だけれども、それはもうとてつもなく無限だ。
数学者は、それをずーと考えている。
すごいなぁとしか言葉がでないけれど、同時にワクワクする。
数学苦手な私だけれど、数学は面白いと思った。
この本に出会った子どもたちはどう感じるのだろう。とても興味深い。
ずーとずーと考え続けたら、数や図形の心がわかるようになるのだろうか…
投稿元:
レビューを見る
ほんものの3、確かに見たことがないなあ。
人間の数学者にとって、数は存在しないものだ。その存在しないものを、言葉も宗教も人種も何もかも違う人同士が共通のものとして理解しあっているのだと、まず思い出させられてはっとする。
そしてアリにとっては、「数はまわりからてらされ、まわりをてらしかえしながら刻々と変化しつづけている、生きた数」らしい。群れ全体のからだで感じるもので、もっとずっと広くて自由なもの。
アリになったことがないので真実のほどはわからないが、なぜだかとても納得する。確かに、生きものにとっての数とは、本来そのように生命ぜんたいで理解するものなのかも知れない、と。
アリにとっての数を、いつか理解したいと思える素敵な本だった。
投稿元:
レビューを見る
哲学的でむしろ大人のほうが意表を突かれるのではないか。アリ社会の数学論なんて、アリの行列を見ても思いつきもしないのに、なんて豊かな想像力なのだろう。
投稿元:
レビューを見る
数学者です、と言われて、一体何をしている人かイメージを持てますか?私は正直、さっぱり何をしているかわからなかった。
でもこのほんを読んで、数学者の人が、この著者の森田さんが見る世界は、なんて繊細で面白いんだろうと思った。だから、私にとって数学者は、目に見えない世界の秘密を解いて教えてくれる人になった。
私は数学が苦手で、学生の頃面白いなんて微塵も思わなかったし、むしろ数学、算数的な授業は苦痛に近かった。でも、もしかしたら、本当の数学を知らないだけで、ちゃんと正しい扉を開けば面白い世界なのかもしれない。
最近、どんな分野も最初の扉の開け方で、その後関心が持てるかどうかが大きく変わってくるように感じている。
アリの視点で見る数字の世界は、新鮮で輝きに満ちていた。たくさんの子どもがこの本をきっかけに数学の世界に興味を持つだろう。これは、いい扉です。月刊 たくさんのふしぎ、初めて読みましたが、すごいいい!定期購読検討中。
個人的に、アリに噛まれて、じゅわっと甘い汁が漏れだす描写と、食感で水滴に触れるシーンが瑞々しくて好きでした。
投稿元:
レビューを見る
読了感としては、星の王子様を読んだときみたいな、
わかったようなわからないような、でもめちゃくちゃ大事なことに触れたようなかんじ。
一回では落とし込めない。
何度でも、事あるごとに読み返したいし、子どもにもいつか読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
「1とはなにか? アリたちに導かれ新しい数の世界へ。
数や図形を便利につかう方法を教えてくれるのが「算数」。「数学」は、そもそも、その数や図形とはなにか? と考える学問です。そんな「数学」の世界を探求する数学者は、ある日気がつくと、アリになっていました。数学者は、アリたちと数学について語りあいたいと願います……。さて、アリたちに人間の数学、「数」は理解されるのでしょうか? 数を通してこの世界をどう理解するか。アリたちが導くあたらしい数の世界へ。」
投稿元:
レビューを見る
中学生の長女が今でもいちばんの宝物だという絵本。これで算数が今までより好きになったらしい。数学も頑張っているね…
姿は絵本だけど内容は深いような。大好きなSOU・SOUのテキスタイルデザイナー脇阪克二さんの絵もいい。苦手だった数学、やり直してみたくなる〜。
投稿元:
レビューを見る
数や図形というのは不思議なものだとはっとさせられた。実体はないが、人間の生活には必要不可欠なもの。しかし、アリの世界では数や図形はどうなっているのだろう?人間のそれとは別次元のもので、アリの数学を人間は理解できないし、逆もしかり。でも数学者の研究でいつかは……