投稿元:
レビューを見る
デュシャンって結局何者?という問いに、平易な表現で解の一つを提示している本。とてもわかりやすく、この本を読み終えた後は自分でもデュシャンの作品(思考)を追ってみようと思うことができた。丁寧な調査や研究を行った事が文の随所に見え、信頼に値する本だと私は思う。著者のおすすめデュシャン本リストが載っているのも実にありがたい。この良著が「マルセル・デュシャンと日本美術」展の特設ショップに置いてあったのは皮肉という他ないが…。
投稿元:
レビューを見る
「網膜的絵画」
ただ目の快楽に供されるためだけ
から灰白質(頭脳)に働きかけるものに
「泉」R.MUTT 1917
アートではないとの理由で展示が拒否されることを目論んだ。
「作る」のではなく、「選ぶ」行為
投稿元:
レビューを見る
マルセル・デュシャンについて、人物面と作品面が上手く融合して書かれていて、わかりやすく面白く読めました。
投稿元:
レビューを見る
アーティストなんだけど、何やってるか全然わからない人で、とにかく便器にサインを書いて、これはアートだ!なんて言ったことぐらいしか知識がなかった、マルセルデュシャン。
マルセルデュシャンとは「何か」なんて、ものすごく哲学的なタイトルで、パラパラとめくってみれば、なんだか自分の思っていた人と随分違う。
というよりも、アートとは何か?といった具合に、懐疑的なところに惹かれる部分があって、他の本を並行して読むことなく、ひたすら向き合ってしまいました。
わかりやすい文章でありながらも、デュシャンの考え方の奥行きを見出せる、そんな内容でした。
さまざまな絵画技法を、泳ぐように学んだ青年期。そして、アートとの距離を置くこととなった作品。
工業製品を使った、レディメイドから、なぜ「泉」という作品が生まれたのかが、この本を読んでスッキリすることができましたが、それと同時に、別のことでまた考えさせられることとなりました。
アートとは「選ぶこと」この考えにたどり着いたデュシャンの言葉には、なるほど、と感じました。ただそう思ったのは、彼が今までしてきたことの積み重ねがあったからなんですよね。
もう一点、納得させられたのは、作者と作品の関係性です。
作品を評価する時、どうしても作者というフィルターを通して良し悪しを決めてしまうことがしばしばあります。
ただし、名作といわれるものの中には、作者不詳のものが多くあるように、よい作品は、無名であっても評価されるべきなのです。
全く無知な私でも、誰かに話したくなるくらいに、わかりやすくまとめられた一冊でした。本の厚さ(と言っても普通の単行本と同じくらいですが)にたじろぐことなく、読んでみることをお勧めします。
投稿元:
レビューを見る
入門本として凄く良いと思う。
「わかりやすく」とまでは行かないけど、難し過ぎないぐらい。様々な事を調べたらすると、デュシャンの「泉」には腐るほどぶつかる訳で、とても参考になった。4分33秒作ったジョンケージもついでに許してやろうと思う。