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2冊纏めて。
『ミステリーランド』の最終巻となった恩田陸の2部作が文庫化。
『オチが弱い』といういつもの欠点が出ている2作ではあるのだが、反面、『盛り上げ方が上手い』という最大の魅力も遺憾なく発揮されている。なんやかんやで恩田陸に求めているのは風呂敷の広げ方であって、オチではないのだ。あと、これに限らず、タイトルのセンスはずば抜けている。
しかし、折角、タイトルに『七月』『八月』とあるのだから、文庫も連続刊行にすれば良かったのにw
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夏流城での少年たち。彼らの心に同調できない、「七月に流れる花」にのめり込み過ぎていたのかもしれない。
光彦が思ったことの中の明るいほうへ向いていけるといいな。世界がどう変わっていこうとも
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NHKあたりで連続ドラマ化すると丁度良い気がする。適度にクローズな世界観だが結末としては広がりを想像させる見せ方は流石。
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講談社タイガから発売された連作です。
表紙の絵とタイトルが気になって読んでみました。 『六番目の小夜子』とか『麦の海に沈む果実』とか『蜂蜜と遠雷』とかタイトルのセンスが好きです。
何かしらの「美」を感じます。
ただ、1冊あたり160ページしかないので通勤の電車で読み終わってしまった。
賞味2日(4時間)。 ストーリーも設定は面白いけどどこかで読んだような。
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短くて読みやすかったがあっさりし過ぎている気もした。
七月〜の方は読んでいないが、蘇芳のいる女の子たちの側の話なのだろう。
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内容としては「七月に流れる花」で謎だったところ
が繋がって明らかになっていきました。
簡潔にいうと、夏の人とお城の正体と、病気の事が
明かされます。
見方が違うだけでラストの印象がこんなに違うのだと
驚きました。
彼らは前を向いてこれから死を背負って生きていく。
それは、夏の乾いた風が汗ばんだ頬を吹き抜けて
夏が終わっていく時のような懐かしくて
切なくて名残惜しいような気持ちに似ている。
私達はもしかしたら夏から「永遠なんて無い」
ことを学ぶのですかね。素敵な一冊でした。
私としては七月を読んでから読むことをお勧めします。
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7月よりもこちらのほうが怖かった。7月を読み終わった段階で謎はすべて解けたと思っていたけど、まだ謎は潜んでいた。導き出された答は多少無理があるけれど、少年達の不安な気持ちがひしと伝わってきた。
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夏流城(かなしろ)での林間学校に参加した光彦と三人の少年を迎えたのは、首を折られた四本のひまわりだった。
不穏な空気が漂う中、光彦は茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。
閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き…、彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。
「七月に流れる花」と同時期に城の反対側にいた少年たちのお話です。
「七月に~」を先に読まないと楽しめないので、読む順番を間違えないように冒頭に書いておいてほしいです。
事前情報を持たずに読む方も多いと思うので、そういう配慮は必要なのでは…。
「七月~」では解明されなかった謎もこちらでは明らかになったので、セットで読むことをお薦めします。
通奏低音のように流れる不穏な雰囲気は「七月~」と同じですが、前作が何となくリリカルなひと夏の寓話めいていたのに対し、こちらは冒険譚のような、少し戦闘的な感じ。
やはり少年と少女の違いでしょうか。
それにしても、同じ状況を描いている話なのに、登場人物の置かれた立場によって話の表情が変わるのが面白かった!
見る方向や立場によって全く別の様相が現れていくので、読んでいて飽きなかったです。
最後、通過儀礼を経て大人に近づいた彼らの後姿は頼もしく、眩しい。
この本でミステリーランドのレーベルも完結となるそうですが、少年少女がその時代を卒業していくという、レーベルとしても最後にふさわしいお話になってました。
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2つで1つの作品という感じでした。私はもう覗くことは出来ないけど、この世界はこれからもずっと続いて行くのだろう。
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あっという間に八月も読了。
七月と同時系列に別棟の夏の城に招かれていた四人の少年達。
そこで起こる危険は事件か事故か。
光彦は姿の見えないもう一人の存在を疑う。
誰が何の目的で動いているのか。
「夏の人」とは一体何なのか。
ハラハラする展開で一気に読んでしまった。
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少年サイドの話。
<夏の城>にやってきた4人の少年を待っていたのは、首を折られた4本のヒマワリだった。
7月とは違って、ここにいる意味が解っている少年たち。
が、不穏因子があって、結局は世界が、小さくだったとしても、揺れ動くことになる。
<真実>はかのように重い。
にしても、最後の最後にうっそうとした緑に覆われて、人工のものが朽ちているというイメージはよくある。
よくあるということは、わりと共通する夢想なのだろう。
人は、緑を夢にみる。
緑の中で、圧倒的な沈黙の中で、朽ちることを遺伝子レベルで求めているのかもしれない。
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前作で疑問に思ったこと、それらがゆっくりと紐解かれて行った。
美しくて、虚しさが溢れる文章から想像も出来ないくらい過酷な現実の話だった。
みどりおとこの本当の意味は、城から立ち去る子供たちの見送りなんじゃないかなって、考えてみたり。
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閉鎖された空間の中で少年たちが経験する、夏の恐ろしく寂しい出来事。世間から隔離された城という空間が、時間の感覚を麻痺させながら、その分恐怖を増幅させるように感じました。最後に明かされる事実はあまりにグロテスクで悲しくて、静かな重たい余韻に襲われました。
前作「7月に流れる花」から読まないと、内容がピンとこないかもしれません。
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「緑色感冒」で親の死が近い子供たちばかりが集められる
「夏の城」
少年たちはその場所で親の死を待つ
「七月」より先にこっちを読んでしまったので
世界観がわかるまで時間がかかっちゃった(汗
案内人の「みどりおとこ」の正体は・・・
急いで「七月」も読まなくちゃ
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「七月に流れる花 」の続編で、本編でストーリーがわかります。
中学生位では「死」を受け止めることはなかなか難しい。
自ら死の境界を味わうこと、他人の死を経験することで、
死が身近になった位だから。
比喩もグロいけど、解釈を間違えると、恐怖になる。
児童向きのため、話の展開は難しくないが、必ず「みどりおとこ」なのか?疑問が残ったけど。
この話はエイズ等から発想が生まれたのかな。