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『七人のおば』で有名なパット・マガーの初邦訳長編。
演劇をテーマにしているだけあって、非常にドラマチック。特にラストシーンの台詞はそのまま舞台に乗せたら衝撃的な結末になりそうだ。作中で演じられる新作の不条理劇、見てみたいな〜。
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俳優のマークは、親友が”事故”で死んだあとその妻だった人気女優と再婚。そして17年後、駆け出しの劇作家である義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り、その劇のキャストとして参加することを決意する。実父が死んだ事件に関してケニーが何か知っているのか探ろうとするのだが…
まずこの不条理劇が難解だし、過去の事件に関しては詳細もマーク自身が何を知っているのかも曖昧にしか語られず、ケニーとの腹の探り合いもじれったい感じで進んでいくが、中盤の急展開からぐっと面白くなる。
ミステリとしては『〜を探せ』シリーズのような派手さはないが、キャラクターの攻防を楽しむ話。やはりパット・マガーは女の描き方が実にうまいと思った。
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愛のドラマだ。人は愛のために嘘をつく。重ねて行く。積み木のような物体は常に監視をしてほころばないように見張っていなくてはならない。その事実を渦中の人間が知らされた時には積み木を積む行為が責められ、気持ちの方は置き去りにされる。しかし憎しみが原動力であったなら行為も正当化されるのは変な物だ。
継父の俳優と再婚した女優と新人脚本家の息子が3人で舞台をやることになった。それに巻き込まれる共演者舞台演出家達を描いたドラマ。やはりこの人の作品は好みだ。1967年作。
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さすがパット・マガー。見事な演劇(小劇団)ミステリ。
スター俳優夫婦の「過去の事件」と、その事件を目撃したかもしれない義理の息子。守り通さなくてはならない秘密と、成長した息子が書いた現代劇の中に織り込まれた「真意」とは?
心理描写の絶妙さと、演劇界を舞台にした故の各種設定が生きてて、ほんとこれ、映像作品や舞台にそのまま持って行けそうな見事な「演劇作品」ですね。
特に終盤にググッと出てくるあるキャラは、これ、役者ならぜったい演じてみたいでしょう?って感じのても魅力的なキャラで。いやほんとにマガーは心理描写からのサスペンス描写が上手ですね。面白かった。
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(チャラララッチャッチャ〜)
ひまわりめろんはレベルが上がった
ひまわりめろんは「予約」を覚えた
我が市には市立図書館というものが6ヶ所あるんですね
1つは中央図書館で残りが分署ということになるんですが
元々広い市だったのと合併した町村の図書館がそのまま残ったことでその数になっているわけです
そしてこの図書館群、狙ってのことかはわかりませんがそれぞれ微妙に得意分野が違うんです
児童書・絵本が得意だったり、実用書が得意だったり、古い蔵書が多かったり、海外ミステリー(特に文庫本)が新旧問わずに得意だったり…
で、もちろんこの海外ミステリーが得意な図書館に行きたいわけじゃないですかひまわりめろんさんとしては
でもね遠いんですそこ
もう端と端なんですそこ
土瓶さんやhiromida2さんが薦めてくれる作家さんや
NWクレイヴンやアンソニー・ホロヴィッツの新しめのやつとかそこにしかないんです(泣)
で泣く泣く諦めてたんですが…
最近になってホームページで予約すると近隣の図書館に届けてくれることを知りましたw
え?もしかして常識だったのかな?
というわけで、やっとパット・マガー読めました!
1番読みたかった「4人の女」はどこにもありませんでしたが本作は読めました!
そしていつもの通りのオチで申し訳ないですが前読んだことありました!w
恐らく「4人の女」も読んだことある気がします
ま、とにかく今後さらに海外ミステリー率上がると思います
そしてどうせまた読んだことあるんでしょと思わずおすすめお願いしやす!
今回も読み直せて良かった!
面白かった!
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パット・マガーさん。好きです。
なにがそんなに好きなんだろうと考えてみたんですが、人物描写なんですよね。
もちろんパット・マガーさんより優れた人物描写をされてる小説なんて数えきれないくらいあるでしょう。
でも、本格推理でありながらだとどれほどあるのか。
本格推理物はどうしてもパズルになりがちという印象があります。
被害者A 。容疑者B。容疑者C。容疑者Ⅾ……。
特に一昔前の海外推理小説はそんな印象でした。
犯人当てクイズ。トリック。
少し辟易していた頃に出会ったのがパット・マガーさんの「被害者を探せ」。
新鮮でしたね~。人物が目に浮かぶようで。
そして「七人のおば」。
名前の憶えづらい海外物で、しかもタイトルでもわかるとおり七人もおばが登場する。にもかかわらず、登場人物が個性的できちんと判別できる。おもしろい。
そこから一気にパット・マガーさんの著作を全部読んでしまいました。
と、いっても翻訳されていたのは5作品のみ。
ずいぶん前にコンプリートしたものだと思い込んでいました。
しかし、いつのまにか出たんですね~。新しく翻訳するならするで教えてくれればいいのに。
そのひとつが本作「不条理な殺人」。
う~ん……。
期待して読んだのですが今回のは分かりづらい。
登場人物のほとんどが役者であり、急に役名が出てきたりするので混乱します。
できれば登場人物一覧に役名も添えて欲しかったな。
推理、という点でも弱いです。
事件そのものより、この舞台がうまくいくのかどうかの方に焦点が当てられ、興味も向けられます。
ラストはさすがにため息が漏れます。
決してつまらなくはないんですが、後半に行くまでがつらいな。
いままでの5作品からするとかなり見劣りします。
それとも……過去に読んだ本が素晴らしく思える「思い出補正」でも入っているのかな?
もう一本ある未読作品「死の実況放送をお茶の間へ」はどうしようかな。う~ん。