投稿元:
レビューを見る
特養老人ホームで入所者が何者かに殺害された。第一発見者で介護員の穂香は事件とは別に、ストーカー被害に悩み、交番巡査の武藤を頼る。一方、新米刑事の風間は未解決事件の捜査をきっかけに、半グレ集団の罠に落ちていた──。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり面白い福澤徹三。登場人物を見ていても気づかなかったが、五味が登場した時点で思い出した。この物語は、『白日の鴉』の続編というか、同じシリーズ。前回大活躍した弁護士の五味と新田は今回は脇役だが、成長した新田の姿を見られたのは、親心のような感情からか、なんだか嬉しかった。
さて、今回は特養老人ホームで働く穂香と、不良上がりの新人警察官の武藤。それから、新田と同期の新人刑事、風間の3人の視点から物語が展開されていく。
ホストクラブ経営者殺害事件が起こり、上司の丹野と共に捜査していた風間。被害者は半グレ集団、サベージのメンバーで、内輪揉めの可能性もあった。
また、新たに特養老人ホームで入所者が死亡したとの報告が。しかし、現場の状況は他殺の疑いを示していた。
老人ホームに駆けつけた武藤は、第一発見者の穂香に事情聴取をする。その後、穂香はストーカーに付きまとわれるが、親切に対応してくれた武藤に相談する。武藤は、穂香と関わり合ううちに、しだいに惹かれていく。しかし、穂香は武藤の不良時代の先輩であり、今はサベージのメンバーである根岸の元妻だった。
一方、新人刑事の風間は、独断で捜査をしていくうちに、サベージの幹部である小田切にハメられ、弱味を握られることに。
そして、老人ホームでは、穂香の夜勤中、さらなる悲劇が起こる。犯人は一体誰なのか。そんな中、穂香の身に魔の手が忍び寄って・・・。
初めの頃には犯人もサベージのリーダーも見当がついたが、それでも十分に楽しめた。福澤徹三は、こうしたアンダーグラウンドの人物を描かせると本当に面白い。そして、弱味を握られ、葛藤する人間の心理描写も上手く、自分を登場人物に重ねて読むと、ドキドキすること請け合いだ。
また、登場人物も魅力的で、今回登場した武藤にはそのまま突き進んでいってほしい。それから、根岸。根岸はどうしようもない男だが、なんか憎めない印象。それだけに最後は悲しかった。そして小田切。この小田切はかなりの切れ者で、今後もこのシリーズには欠かせない人物。
ラスト。小田切との確執が今後も続きそうで、このシリーズも続編が出そうな予感。そして、大いに次回作に期待したい。
投稿元:
レビューを見る
「白日の鴉」の続編。
不良から警察官になった交番勤務の新人警察官の武藤、前作にも登場する先輩になった新田、新田の同期で刑事になった風間が主役です。
半グレ組織の幹部の元妻だった清水穂香が務める特別養護老人ホームで、利用者の死亡が相次ぐ。
穂香に想いを寄せる同僚に、警察官の武藤、穂香の元旦那の根岸、同組織の小田切と、介護現場を舞台にして、汚職と犯罪の端緒が切り開かれていく。
最後はもうみんなで奈落の底へ落ちていきそう。
続きありそうな感じでした。
投稿元:
レビューを見る
評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
特養老人ホーム「敬徳苑」で入所者が何者かに殺害された。第一発見者で介護員の清水穂香はストーカー被害に悩んでいた。現場に臨場した交番巡査の武藤大輔は穂香の相談に乗り、ストーカーの正体を暴こうとする。新米刑事の風間志郎は未解決事件の捜査をきっかけに、半グレ集団の罠に落ちる。錯綜する事件の果てに巨大な闇が三人を襲う!緻密な描写と予想を裏切る展開!異色の警察小説。
犯人探しよりも・・・介護業界の劣悪で苛烈な内容に介護士たちに頭が下がった。しかし、折角介護士として立派に貢献しているのに・・・犯人の動機がしょぼくて、もう少ししっかりせんかい!と言いたくなったわ。
投稿元:
レビューを見る
12ふつうにありそうな市民のトラブルが小さな地元で大きな出来事のなると言うことを淡々と描いて秀逸。若い警官に頑張って欲しい
投稿元:
レビューを見る
2月-6。3.5点。
シリーズ3作目。2作目と違い、登場人物が2作目の踏襲多し。
老人ホームの事件と、半グレ集団の事件を追う、新米刑事と巡査。
相変わらず丁寧な描写。結構面白い。次作も期待。
投稿元:
レビューを見る
図書館の本。
おかんに薦められて。
3人の視点から書かれている話。
短い章ごとに視点が入れ替わる。
章が短すぎて、1章読んだから今日はここまで、ってやってたらなかなか進まなかった。
でも、後半は展開が気になって何章も読んだし、最後は一気に読んじゃった。
いろんな思惑が絡み合ってて、みんな怪しく思える。
犯人のことは途中から怪しいなぁと思ってたけど、ここまでぶっ飛んでるとは。
この人がリーダーかな?とも思ったけど、それはハズレだったね。
投稿元:
レビューを見る
条川署管内の特養老人ホーム「敬徳苑」で起きた二つの不審死。街に蔓延る半グレ集団「サベージ」に絡む幹部殺害事件とオレオレ詐欺事件。
駅前交番の不良上がりの新米巡査・武藤、条川署強行犯係の刑事・風間、ホームの介護士・穂香の3人の目線で語られるストーリーはとにかくくどい。
老人ホームや介護事情を始めとし、警察の捜査や内情のいちいちを解説本か!というくらいくどくどと説明する。そのたびに事件の流れが止まり、スピード感がないことこの上ない。
介護事情はさておき、警察の事情はこちとらほとんど学習済みだから、まどろっこしいのなんの。おかげで、読みづらくて進まなくて読み終わるのに3日もかかっちゃった。
さらに、不良上がりの武藤が惚れた腫れたでやたらと任務をほったらかして突っ走る姿にオイオイ!とげんなりし、風間も勇み足の個人プレイから半グレに弱みを握られ情報提供までする羽目に。
「もう、おまえら何しとるんじゃ!」と上司でなくても怒鳴り散らしたくなる。
そして、穂香のストーカー容疑の怪しい同僚は作者の陽動作戦で、一見ナイスガイの爽やか青年が絶対怪しいと最初から見抜きましたよ~。
事件の構図としてはよかったから、余計な解説を省いてスピード感をつけ、最後の解決篇をもう少し肉厚にしたらいい作品になったのにと残念無念(*´Д`)