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稲田豊史氏の書評によって出会った本である。書評が素晴らしく、ここにその一部を引用する。
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全編に共通して描かれるのは、呪縛から解放されようともがくじょせいのすがただ。
呪縛のかたちはさまざま。「足跡」「あなたは知らない」の主人公は、夫や既婚者が善人であるがゆえに、むしろ離別する理由を奪われている。「蛇猫奇譚」と表題作の底にあるのは母娘の血の縛り。「俺だけが知らない」「氷の夜に」では、呪縛から解放される可能性が鮮やかに示される。
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夢と希望に満ちた結末を描くのが男性的なロマンチシズムだとすれば、女性はエンドロールの後も厳しい人生が続いていくことを知っている。手放しのハッピーエンドという概念が存在しない。それ自体が女性特有の呪縛ではないかと投げかける点に、本書の魅力がある。
(稲田豊史・ライター:琉球新報2月10日[読書])
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6編の短編だが、3作目からリーレー形式の物語になったが、テーマ的には女性の性にまつわるものが多い、こんな女性ばかりなら男としては都合のいい女性ばかりだが、女性たちの性の倫理観は喪失したのだろうか。最終話だけはどこか救われた気がしたが、2話目に入れた猫の話は何だったのだろうか、女性の本質には間違いないのだけれども。どれも短編であるだけに物足りない気がしたが、これらの作品が後の長編の習作になったりするのだろうか。
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「その昔 あなたのことが大好きで そして今では嫌いになった」
大人の恋愛をテーマにした6つの短編集。
傍目には幸せに見えてもその人にしか分からない想い。
そこから生まれる名前の付けられない関係。
今まで島本作品に登場する女性は好きじゃないことが多かったけれど、今までには感じなかった強さや潔さを感じたことが、大人の恋愛というテーマに結び付く気がした。
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いろいろな愛の形を描く連作短編集。
恋愛ものは苦手だったんですが、この作品はすんなり読めました。
他の作品も読んでみたいです。
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すれ違う大人の心情が繊細に描かれた全6篇
全篇が少しずつ絡む展開なので、何度も行ったり来たり(笑)
恋でも、愛でもない心の動き、でも隣にいる他人を探してしまう。。。
突然、別れを切り出した父、母は「あなたの愛人の名前は?」を繰り返すが、父は最後まで明かさなかった。その理由は・・・。
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寂しい大人たちの、6つの恋愛短編。
3.4.5.6話のオムニバス形式が読み応えあった。こういうの好き。
4話、瞳はなぜあのような俳句を浅野に贈ったのか、謎でした。3話、瞳側の話ではあんなに会いたい会いたいって言いながら終わったのに。
6話、懐かしさは人をお喋りにさせてくれるんだと思った。
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心の隙間に刺さるような恋だったり、魔が差して他の誰かに目移りする気持ちだったり、親の不仲やトラウマで恋に憶病になっていたり、と。決して手放しで喜んではいけない大人の恋愛短編作品。何が正解で何が不正解の恋なのだろうか、と。きっとその答えはそれぞれが決める事なのでしょうね。
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ずっと勝手に苦手意識を持っていてごめんなさい。もうちょっと積極的に読もうと思います。連作短編と言って良いのか、それぞれのリンク具合がちょうどよかったです。
2019/1/28読了
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あなたの愛人の名前は
島本理生さん。
直木賞受賞第一作。
短編集。
少しずつ、登場人物が、繋がっている。
心の中。皆、いろいろ抱えている。
淡々として物語が進む。
おもしろかった。
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島本さんの作品なので読んでみた。
すごくおもしろい!というわけでもなく、つまんないというわけでもなく。。。
あ~、こんな感じあるかも。って感じ。
ちょっとリアル感がなく、小説っぽい小説だった。
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久しぶりの島本作品。連作短編になっているが、リンクの仕方が絶妙。もうちょっとその後が読みたくなる作品もありました。
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六つの連作短編集。素敵な人たちばかりでしたが、特に真白さんがとても気になりました。また書いて欲しい…。
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これを読んで思ったこと‥私は、この人の全部が欲しいと思えるくらいの人に出会ったことがないなぁ。全体的に共感出来ないことが多かった私は、まだオトナの恋愛をしていないのか、それとも穏やかで安定した愛情をもらえているのか分からなくなった。
だけど、この人の全部が欲しい。そんな風に思える人、感情のままに大胆になれる人に出会ってみたい、そんな気持ちになってみたい、そんな風にも思った。その反面、そんな人と出会ったら私は気持ちを全てその人に持っていかれて、今の私の生活は間違いなく破綻するなぁ、そんなまるごと全部が愛おしくてたまらない人とは、なんだか幸せになれないような、そんな気もした。
久しぶりに読んだ恋愛小説、とても女性らしい気持ちにさせてもらえました✨
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大人の恋愛集と銘打つ6編を収録。
既婚だったり、婚約者のいる人たちが、もやもやとした違和感をもつうちにすれ違い、自分のあるべき姿を見つけ出し、新たな一歩を踏み出していく。「あなたは知らない」「俺だけが知らない」のみ、完全に対になっている。
ほかの話も、少しずつ登場人物がかぶっているので、あとからつながりをチェックしてみたところ、唯一関連のないのが「蛇猫奇譚」。話自体も猫の語る異質なもので、初出を見るといちばん古い。これをあえて掲載順を変えて、2話目に入れたのはなぜなのか、少し気になった。
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「あなたは知らない」「俺だけが知らない」が印象的。
ふたりが、惹かれ合ってから離れていく過程が悲しかった。