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ちょっと心にチクッとくる、でも優しいオムニバス短編だった。中でも異彩を放っている蛇猫奇譚がすごく気になった。自分の家のネコもこんなふうに考えていてくれたら嬉しいなぁ。
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おとなしめの女性達のstory
流石 小説家 視点を変えて いくつかの物語を
1つにまとめるあたり、いいね!
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心の隙間を書いたような小説だった。読みながら消えていく泡みたいな雰囲気。人は人といても寂しさは埋められない。。そんな気持ちにさせてしまう。
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読後数か月が経ってしまい、記憶がかなり曖昧に。ただなんとなく、全編に通して流れる物静かな、恋愛ものなのに物悲しい空気感は思い出せる。
現実の世界ではそういう事はないよな、と読みなが感じたかと思えば、恋愛している時の女性の感情をとても丁寧に、リアルに描写している事もあったり、不思議な本に感じた記憶がある。
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たまにはこんな恋愛系のものも。
自分は体験したことがなくても、なんとも不思議な関係は存在するのかも。機会があれば……。
いつもと変わらぬ生活も安定していていいけれど、時にはスパイスも必要。人間って飽きっぽい生き物なのかもね。
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表題から想像するドロドロの雰囲気はなく、穏やかに寂しさと優しさが感じられる作品でした。心理描写がとても繊細で素敵。瞳さんのように、危うさのある人に惹かれるのかも。
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6篇からなる連作短編集。ここに登場する人物達は誰かの愛によって傷付き、そしてまた別の誰かの愛によって癒されていく。島本理生さんの書く繊細な心理描写は読んでいると心がひりつくような痛みを覚えます。登場人物達の迷いや葛藤、切ないまでの情愛、憎しみや歪な、恋愛とも言えない関係。それでもそれぞれの物語の終わりに微かな光を感じるのが救いです。甘く幸せなばかりの愛ではないけれど、それもまた紛れもなく愛なのだと思う1冊。
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わたしこの作品の雰囲気が好き。
静かに、少しずつズレていく感じ。
それを覚めたかのように戻す人、そこに取り残された人。
短編だけど少しづつ登場人物が被ってるのがいい繋がりをつくってる。
2020.1.19
13
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アンニュイな感じがとても良かった。ドロドロかと思ったら意外と清純にも思えるストーリーと表現でドンピシャでした。
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浅野さんと瞳さんの関係には共感出来た。
踏み込みたくないけど手離したくない関係ってある
その昔 あなたの事が 好きだった
そして今では 嫌いになった
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【あなたの心の中に住んでいる人は…】すれ違う恋?愛?不倫…男女の仲は⁈繋がってる6話短編集。一文目の問いかけ、わぁお。どんな話⁈ドロドロ⁈想像しながら一気読み。浅野さんと瞳さんの絡み方、わるくない。男と女、ほんとうの心の拠り所は、いったいどこにあるんだろう。想いが伝わらないって切ないわ。男女ともに伝え合っても分かり合えないことはあるのかもしれない。一緒にいても、いなくても、会えなくてもメールだけでも、癒しを優しさを人は求めたくなる生き物。瞬間瞬間を深く分かり合えたら、求め続けてしまうのかもしれないね
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その昔 あなたのことが大好きで そして今では嫌いになった
ありふれた男女のいざこざを決まったリズムで切り取るだけこんなにドラマチックになるのね
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すれ違う男女の短編集。
読んでいて、瞳の気持ちが異常にわかってとても胸が痛く切なくなった。
相手がいるからこそ足りないものを補うための浮気相手。手に入らないから欲しくなる。
この刺激や非日常が日常になると、また飽きて同じ繰り返しなんだろうなぁ。。
ないものねだりばかりで幸せな恋愛ってなんだろうと考えさせられた。
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【足跡】
夫もいる、不自由はない。満たされていないわけではない。
なんとなく足を運んだ「治療院」で、ささやかな快楽に浸る。
自分の中の言語化できない、熱のようなもの
一時的だけど、体に残った「跡」
【蛇猫奇譚】
一度にふたり以上は愛せないよ
って、多分、本心じゃない。
母親がそうだったからかもしれない。限界がきた、母になった女性を猫の視点で見守る。
きっと酷い目にあったとしても、一番の理解者は猫
【あなたは知らない】
婚約者はいる。けど、浅野さんと体だけの付き合いになって言葉を交わし合って、それから…心も繋がりたくなっているけど、ぐっと抑える
遊びが恋になってしまう。そうならないために
私のことは教えない。ギリギリのところで浅野さんとの距離を保とうとする瞳さん。
「好き」とは言わないけど、体と心の交わりが、熱量が
恋の濃さを示しているから、退くに退けないふたりの情事が
美しい分、切なく見えてしまう。
【俺だけが知らない】
ふたりの心をそれぞれの視点から描いた一対の作品
その対の章
瞳さんと出会い、交わり、心も惹かれていきつつある浅野さん
体だけであろうとする彼女と、心も(できれば)欲しがった浅野さん。何も知らないままで
そのままでずっといられると思っていた。
彼女の婚約者が登場して、結局婚約破棄に至ってしまうけど
彼女の「向こう側」を知ってしまったことで、結局関係は終わってしまう。
熱量は本物だっただけに、10万円の手切金だけが残ってしまった結末。悲しすぎる。
【氷の夜に】
居酒屋のオーナーと男性恐怖症の女性
冷えた空気の中で、美味しい香りとホワっとした空気が周りを暖めていく様子が描かれていて素敵だ。
男女が仲良くなるのは、些細でささやかなことだけど、やはり奇跡的なんだろうなと。
次章で2人が付き合っているのは(嬉しいけど)なんだか意外でした。
【あなたの愛人の名前は】
表題作。父(あなた)の愛人の、優しいナイフを憎むと。
浅野さんの妹で、他のストーリーとも関わりがあって。
個人的にエピローグのような位置かなと思う。
マカオで新しい自分を発見するけど、愛人というのは兄や知人友人を示す言葉に転換されたのだろうか。
兄の情愛が消えた対価の10万円で、愛に気づけたと。
今 この瞬間を 深く理解されていればいい
たとえ恋じゃなくても
果たしてハッピーなのかどうかはさておき
熱量がリアルで激しい、島本さんの作品にハマっています。
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「あなたの愛人の名前は」を含む6つ短編を編んだ作品集。どの作品にも、それぞれの登場人物の存在が、濃い薄いの差はあるものの、感じられて、短編ひとつでは、捉え難く、ぼやけていた人物像が明確になっていく。読み進めていくうちに、「あ、この人って……」となる瞬間があり、また出会いなおすようで楽しい。ある人からみえる顔は、また別の人からみると違う。さまざまな立場がある大人はとくにそれが顕著だ。短編ひとつひとつをとってみても、面白かった。描かれている感情の矢印は、どれも絶妙にすれ違っていて、愛とは、恋とは、何なのだろう、という気持ちになる。「あなただけが知らない」と、その対になる「俺だけが知らない」の二作がとりわけ印象的でした。