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群青から道。6つの短篇が映した情景。
描くことがないという状況は、
なにも考えない、感じないこと。
どうかしなくては。
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短編小説もいいけれど、がっつり長編小説で読みたかった。原田マハさんの本を読むともっとアートに触れたい、勉強したいという気持ちが強くなります、
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アートの世界で生きる女性たちの、美しい六篇の物語。
原田マハさんの、絵を、私のような素人が見るよりも美しく描写する表現力に、今回も惚れ惚れしました。
どの主人公たちも、誰かに依存せず個人として自律して生きている中、心の与りどころを求め、頼らねばならないときに一枚と出会い、時を経てまた再会する。
常設展示室は、華やかで話題性のある特別展示会と比べるとすこし控えめな存在だが、「常にそこにある」安心感は大きい。
登場人物たちが、美術商やキュレーターといった、絵を手に入れたり手放したり…絵を動かす人たちであることから、この常設展示室での静かな絵との対話が、より引き立ってるなと。
六篇の中では、デルフトの眺望、がいちばん好きかも。
弟のいる主人公と、自分の立場が重なる。いつかこんな日が来るのかなぁなんて。
何回もよみかえしたくなる一冊でした。
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美術作品にまつわる短編集。
1作を除き、家族の絆を中心に描いているので、読んでいて、とても優しい気持ちになれる。
取り扱っている作品も、身近な作品が多く、作者の美術系の作品の中でも比較的読みやすい。
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6扁どれも秀作でマハさんの魅力満載。特に最初と最後「群青」と「道」は個人的に好き。この2作品だけ発表が10年近く前なんですね。展開と設定がダイナミックで粗い印象もありますが、ストレートに心にグッとくる力があります。特に「道」の東山魁夷はその作品も大好きなので、特に心に残りました。
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最初の『群青』からほろっとくる。ピカソ青の時代の「盲人の食事」を軸に思いを交錯させる良作。ふと、モダンにあったクリスティーナの世界を思い出す。原田マハさんは絶望の中の希望みたいなのが好みなのかな?
『デルフトの眺望』では今まさに旬のフェルメール。表紙にも使われてることから本短編集の核となるテーマかな。窓を軸に家族を思いやる柔らかな気持ちになる。その続編のような『マドンナ』も同じく家族がテーマ。高齢の親を見て色々な思いが入り混じる感じが自分ごとのように感じる。絵はラファエロ。
後半最初の2作は軽い方の原田マハテイストかな。この人の作品は描写がモノ中心で、特別なアビリティを持った人物がやたらと登場する事があるが後半はその傾向が強い…
最後の『道』は話が出来すぎでベタながら、素直に読めばいい話かな。そういえばこの話の絵は東山魁夷だけど今まさにその企画展やってる。この話自体は2009年初出のようなので、美術館の企画担当者も原田マハさんの本を意識してるのかな?と思うとちょっと面白い。
まぁいつも通り読みやすく、冒頭の3作はどれも素敵なので充分に楽しめました!
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短編集6篇だが、1〜5篇はあまり印象に残らない。
最終篇「道」は、涙を堪えながら読んだ。
切な過ぎるストーリー。ハッピーエンドを思わせるストーリーの展開が、読み進めるうちに心を惹きつける!
それなのに辛い結末に、読んでいたわたしが悔しくて仕方がない気持ちになる。
これは、読んで感動だった。
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悩める女性を主人公に、その女性たちが絵画に出会い、そして自分の人生を見つめ直す6編の短編集。
タイトルの通り企画展ではなく常設展示の作品をモチーフにしていることがキモ。
主人公たちも日常に忙殺されていたり、日々変わらぬ自分に嫌気をさしていたり。
いつでも観に行くことができる「常設展示」の絵画からその日常や変わらぬ自分からの脱却に結びつくことがうまくリンクする。
絵画に限らず美術作品は作家の気持ちが入り込んでいるので、観るものに必ず何かを訴えかけてくれているはずで、どの作品にその訴えが気付くかが美術作品の面白さの一つ。
その美術の面白さと一歩を踏み出すきっかけに繋がることが、とても感動し元気付けてくれる作品となっていてなんともすがすがしい。
「群青」と「道」が涙腺崩壊した。
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人生の岐路に立つ人々が世界各地の美術館で出会う、運命を変える一枚。アート小説の第一人者が描き出す、最新短編集。
ラスト1編の不意打ちに落涙ー。
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絵画をテーマにした短編小説集。
群青 The Color of Life
(ピカソ 盲人の食卓 メトロポリタン美術館)
デルフトの眺望 A View of Delft
(フェルメール デルフトの眺望 マウリッツハイス美術館)
(フェルメール 真珠の耳飾りの少女 マウリッツハイス美術館)
マドンナ Madonna
(ラファエロ 大公の聖母 ピッティ宮・パラティーナ美術館)
薔薇色の人生 La Vie en Rose
(ゴッホ ばら 国立西洋美術館)
豪奢 Luxe
(マティス 豪奢 ポンピドゥーセンター・国立近代美術館)
道 La Strada
(東山魁夷 道 東京国立近代美術館)
の6品収録、()内はテーマの絵画です。
一つの絵が人生に強く影響する物語集で、中でも10年前の作品である最初と最後の作品は物語が訴える力強さを感じました。
特に最後の作品は感涙しました。
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1編ごとに、ある1つの絵画をテーマ(モチーフ)にした短編集。その絵画をまたじっくり見てみたくなる。特に最初に収められている群青というお話が心に残った。アートは生きていく上で(生体活動という意味で)必要不可欠なものではないかもしれないけれど、生きる意義・支えになるものだと感じた。
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絵画を題材にした作品こそ、原田マハさんの真骨頂。しかも常設展示。期待は高まるばかりでした。最初の作品のインパクトはありましたが、私の中では徐々に失速。絵画の描写は素晴らしいのに、それに当てはめているストーリーの部分が卑近すぎてバランス取れてないように思えました。勝手なことを言ってるのは重々承知してますが、楽園のカンヴァスみたいなのはもう読めないのかなあ。
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IT長者の愛人になるためアートギャラリーを辞めてしまった女性の話や、メトロポリタン美術館で働く人、年老いた母のいる画商の話など、絵画に関わる短編集。全体的にまあまあ。
いい時のマハ様はこんなもんじゃないぞっ、と呟きつつ、、
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久しぶりの原田マハさんの作品を読みました。
常設展示を一つのモチーフにしているのですが
話の内容というか筋はあまり関係がない気がしました。
ただ、美術館に入って、常設展の空いている感じと
その中を見て回ってぱっと気に入る絵画に出会う感じは
とてもうまく表現されていると思います。いつもの
作品の感じですが。
ただし、小説の内容としてはあまり感情を入れてよめる
内容ではないものもあったと思ってしまいました。
それでも
ピカソの群青
フェルメールのデルフトの眺望
ラファエロの大公の聖母
東山魁夷の道
はよかったと思います。
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本当の感動は作品を見終わったあとについてくる。
見た人の一日を豊かにし続ける。
それが名作というものだ。
東京国立近代美術館の常設展示室の東山魁夷の「道」
全部捨てた。そうしたら、道が見えてきた。
表参道で200円の水彩画を売る男。
美術館で絵を見てもらう約束をした。
2度目は絵の審査の応募作品での再開。
作者に会いに行くと、
そこには幼いころに生き別れた兄の娘とチケットの半券が。
*マセラティ グランツーリズモ V8 2009年