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残業とは、仕事ができない人や残業しないといけないという雰囲気でしていると思っていた。しかし、実際残業をしないと生活をできない層も少なからずいることがわかった。多分、感覚としてはこれが理由で残業している人は増加していると思う。なぜなら、所得が低い人が増加している印象があるためである。文化的に残業をしなければいけないことが一番強い理由である気もする。それは、経済的に理由で生活に困っていなくても出世や名誉という社会的ステータスのためという価値観である。これは、宗教的価値観を含みにくい日本ではなかなか変えていくことは難しいと思う。残業減らしたいなら、起業するか、早く自分が会社で権力の職に就いたほうがいいと思う。
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自分が働いている会社は、いわゆる裁量労働制、みなし残業で固定の残業代をもらうので、ずいぶん良い環境なんだなあと思ったけど、周りを見てみるとひどい残業する人(プロジェクト)と、そうでない人(プロジェクト)とあって、やっぱり残業は集中するものなんだなと実感したり。(ちなみに自分はほとんど残業しない)
大量生産大量消費の時代では、働けば働くほど会社が儲かったけど、今は個人個人の嗜好に合わせなければならないので、働くほど儲かるという時代でもない。というあたりはずいぶん納得した。出来ない人はいくら時間をかけても出来ないので、残業する意味はないのだと思う。
成果が出なかった時に、残業しなかった人より残業した人の方が評価される「努力信仰」
残業が月60時間を超えるとなぜか幸福感が増す「残業麻痺」
これらはやばい。昭和の価値観滅びろ。
気になったところ引用。
> 残念ながら、人は「経験」を積み重ねるだけでは成長できません。「経験」したことについてのフィードバックを受け、振り返りを行って、次の行動に活かしていくことが「未来」に向けた学びとなります。
> 個人のスキルアップや効率化の努力は、一時的には残業時間を減らすことにつながるものの、長期的に見ると、むしろ残業時間を増やしかねないのです。
(できる人に仕事が集中するから)
> ではなぜ、「長時間残業体質」上司たちは、「働き方改革」「長時間残業是正」が声高に叫ばれる中でも、マネジメント行動を変えられないのでしょうか。それは、環境や時代の変化に合わせた「アンラーニング(Unlearning:学習棄却)」ができていないからです。
> 今、マネジャーたちには、①コンプライアンスを守り②多様な部下を扱い③部下に残業をさせず④自分も残業をせず⑤組織のパフォーマンスを高め⑥個人としての成果も上げ続けるという高難度な課題が与えられています。これはほとんど「無理ゲー(クリアが不可能なゲーム)」でしょう。(中略)まさに、日本でマネジャーになることは「罰ゲーム」と化しているのです。
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残業の発生メカニズムをデータで説明するところは、無料の労働力を利用できる先生ならでは。
行きつ戻りつ残業のメカニズムを述べてはいるが、結論に目新しさはない。
・ジャッジ力
・グリップ力
・チームアップ力
何事にも共通するキーワード。
働き方改革が声高に叫ばれる会社にお勤めのマネジャーの理論武装にどうぞ。
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残業が起きる要因や歴史などを統計を交えて解説。
経営陣と従業員。上司と部下。国と企業など立場が違えば、残業に対する捉え方も変わってくる。
残業の武勇伝を聞かせる上司は珍しくないし、時期によってはやらざる得ないときもあるでしょう。生活費としての残業もあるかもしれない。非正規で働くひとの立場に立っていないところは多少残念だと思うけど、製造業中心の社会からサービス業にシフトしていくなかで、残業も量から質に変化していかないといけないと言うのはわかった気がします。働き方改革との兼ね合いも考えれば、個人も常にアップデートしていかないといけない。仕事に対するモチベーションを常に保つことは、なかなか難しいですね。
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ポップな表紙だが侮るなかれ。すぐれて良書。約2万人の大規模調査データをベースに、日本において残業がどれだけ発生し、どのような原因から生じるのか、その解決には何がポイントなのか、までを300頁の対話文体でわかりやすく書いている。
定量的な分析もわかりやすいが、ワードのチョイスも印象的。残業に”幸福”を感じてしまう意識を「残業麻痺」、職場に残業を広げてしまう社員を「残業インフルエンサー」、残業施策が有名無実化した状態を「改革ゾンビ」と、キャッチワード化していて覚えやすい。
個人的には本書前半のまとめ的な内容である、「残業における『個人』『ヨコ(組織)』『タテ(世代)』の学習メカニズム」(p.200)の図は、日本企業の宿痾に感じられ、末恐ろしく感じた。図の説明には、「日本企業は、『麻痺』『感染』『遺伝』『残業代依存』といったメカニズムを通じ、残業を『組織学習』『世代継承』をしてきており、必要なのはこの学習メカニズムの解除」(同頁)と、きわめて的確に・端的に問題点を指摘している。
このような構造的理解を踏まえているかどうかで、おそらく同じ残業施策をやるのでも、弥縫策になるか解決策になるか、決定的に分かれるだろう。その意味でも、日本組織論としてもビビットな内容だと思う。必読。
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残業の実態(What)・発生のメカニズム(Why)・改善策(How)の観点で長時間労働を分籍した本・人材サービス業のパーソル総研と実施した2万人の大規模調査をもとに定量的にミクロ分析を行っているので、客観的なのです。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/06/blog-post_22.html
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「残業」というものの発生するメカニズムを学ぶには良い本。個人の問題としてだけでなく組織全体の問題、また残業を減らすには残業代の還元を提唱している点において斬新な内容といえる。
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残業の功罪は、語る人の経験主義だ、語られることが多い。この本は、統計やデータで残業について分析した本。
残業気質は遺伝する、とか思い当たること多数。中原先生はいま抜群に面白い。
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残業が個人にもたらすリスク
1健康リスク
2学びのリスク
残業が企業にもたらすリスク
1採用リスク
2人材リスク
3イノベーションリスク
4コンプライアンスリスク
長時間労働是正は、経営のリスクを減らし、業績にインパクトをもたらすためにやる
日本における残業の考え方は、明治時代初期に工場労働が発生したところから始まる。
残業習慣が続いてきた理由
1時間の無限性
2仕事の無限性
→負のシナジーを生み出してしまう
日本と欧米の違い
日本 欧米
就業期間
日本 終身雇用が前提
欧米 就業期間は短め
解雇
日本 簡単には行われない
欧米 比較的容易に行われる
育成方法
日本 異動、転勤を通じた内部育成
欧米 組織外部での能力、スキル調達
給与
日本 若い頃は低く、徐々に上昇する年功序列型賃金
欧米 職務と給与が紐付いているため、報酬上昇にはより高度な職務遂行が必要
人材の流動性
日本 低い
欧米 高い
失業率
日本 低い
欧米 高い
日本の勤勉の誤解
1勤勉さが日本人のアイデンティティと重ねられ始めたのは明治後期以降であり、まだ100年程度の歴史しかない
2構造的な長時間労働そのものは先進国ほぼすべてが経験していたことであり、日本以外の国が働き過ぎを経験していないわけではない
トンネリング
心理学や行動経済学の用語。
何かに集中しているがゆえに他のことに意識が回らなくなっている状態。
バーンアウトのリスクをため込んでいる。
残業麻痺で高まる幸福感には、フロー状態と相関がある。
フローとは
アメリカの心理学者ミハイ、チクセントミハイが提唱した概念。
ある行為に完全に集中し、浸っている体験、心理状態。
欧米では労働はなるべく避けたいものといった負の効用を持つ概念。
アダムスミスは国富論で、人間にとって労働とは、骨折りと苦労。
定年という明確なゴールに向かって、一体感を持ってがむしゃらに目標に向かっていくような凝集性の高い組織において、出世見込みを感じながら自信をもって働いている人が幸福感を抱きながら超、長時間労働をしている。一方で、中長期的な観点では健康や精神状態などの点で持続可能な働き方へのリスクを高めつつある
大人の学びに不可欠な3つの原理
1背伸びの原理
現在の自分の力では少し難しい、能力が伸びる仕事をすること
2振り返りの原理
過去の行動を振り返り、意味つけた上で、未来に何をするべきかを、自分の言葉で語れるようにすること
3つながりの原理
信頼の置ける他者からのコメントやフィードバックなどを得て、周りとの関わりの中で学んでいくこと。
組織外で学んだことを職場内に持ち帰ることで新たな視点を持ち込んだり、新たな価値をもたらしたりする効果が期待されている。
残業麻痺層が残業を肯定的に��らえている理由のひとつは、成長実感にあるわけですが、実際に残業と成長、学びの関係を掘り下げると、個人が実感しているほど成長には、つながっていないどころか、むしろ成長を阻んでいる面がある。
集中のメカニズム
仕事ができる人は、自分自身のスキル不足のために仕事が終わらないだろうと考え、残業を減らすための努力を重ね、仕事の効率を高めます。
しかし、残業が減ると上司はさらに多くの仕事をアサインしてくる。
残業インフルエンサー
社内で活躍が目立ち、出世株とされているできる上司やできる先輩
ひとりひとりの仕事の範囲が明確で、自分のペースや方法で仕事を進められる場合は、残業の集中、感染を招きにくい。
役割と責任の明確化が残業を抑制する。
アメリカの神学者ラインホルド、ニーバーの祈り
変えられるものを変える勇気と変えられないものを受けいれる心の静けさと両者を見分ける叡智
生活のために残業代が欠かせないと思っている人の方が、そうでない人よりもより長く残業をしている
プロスペクト理論
人間の満足、不満足を決めるのは変化である。
残業代を減らした分の残業代還元をセットで考える必要がある。
個人レベルでは麻痺、残業代依存が起こり、個人の習慣として定着する。組織レベルで集中、感染が起こり、組織内の非公式な制度として定着する。異なるレイヤーのメカニズムが互いに強化しあい、単なる個人の意識レベルを、越えて残業習慣を組織全体に根付かせる負の組織学習が起きる。学習効果は遺伝というプロセスで世代間に継承される。生活費を残業代に依存する家庭という要素も加わる。残業代を家計に組み込んだ生活を続けてきたことで、家庭という組織内でも負の組織学習が起きる。
残業施策失敗による現象
1残業のブラックボックス化
従業員の正確な労働時間が見えなくなり、残業量が本人にしかわからなくなる
2組織コンディションの悪化
会社は現場をわかってない感が立ち込め、組織への信頼感が低下する
3施策の形骸化
施策が次々と自然消滅し、何をしても効果が出ない改革ゾンビ状態になる
残業施策失敗の原因
1施策のコピペの落とし穴
2鶴の一声の落とし穴
3おふれ書きモデルの落とし穴
外科手術の4ステップ
1残業時間を見える化する
自社の残業実態を把握し、施策を社内に広める
2コミットメントを高める
告知のオムニチャネル化
キーパーソンを味方にする
本気度を示すことでコミットメントを高めることに努める
3死の谷を乗り越える
初めの1ヶ月
導入後1ヶ月を越えても継続することで退路を絶って、やりきる
4効果を見える化し、残業代を還元する
見返りを用意することで、続けるモチベーションを維持してもらう
マネージャのミッション
1コンプライアンスを守り
2多様な部下を扱い
3部下に残業をさせず
4自分も残業をせず
5組織のパフォーマンスを高め
6個人としての成果も上げ続ける
希望のマネジメントに必要な力
1ジャッジ力
不確実な状況でも一貫した軸を持って迅速に状況判断、指示する能力
2グリップ力
現場の状況や進捗を把握する能力
3チームアップ力
オープンで風通しがよく、活発にコミュニケーションする能力
必要な透明性
業務、コミュニケーション、時間
組織改革の鉄板フレーム
見える化、ガチ対話、未来づくり
組織開発を実際にやるコツ
1現場に武器=ツールを手渡す
2トップの強いコミットメント
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今のところ、今年1番の本かな。
転職して3年、この会社、なんでみんなこんなに会社にいるんだろ?
と思いつつ、この会社に染まりかけていたところ。
生産性に拘る部下が配属され、部長が時短を叫び出した今、まさにドンピシャな1冊。
自分も時間をかける事で成果を出して来た世代。
でも、2社目は外国人社長(捕まったけど)で生産性重視の文化で働き染まって来た。
そして今の会社は、the昭和。
みんな同じ時間に顔を揃えて、遅遅までみんなで働く。
そんな働き方は健康だけでなく多様性にもついて行けない事を改めて認識させられました。
部長に、これ読んでくれ!
と1週間貸してあげました。
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日本の文化や法律面をふまえ、残業が発生する構造について解説しながら、これからのことについても言及していっています。
前半は納得する部分も多く、後半については実践していきながら上手くいかない問題はこれから、といった感じでしょうか。
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【242冊目】やっぱり面白かった!
本書の魅力その1:大規模な調査によるデータや分析資料が豊富。もちろん、データ量が全てだとは思わないし、全てを網羅してるわけでもない。けど、組織文化や上司のマインドと残業時間の相関係数とか見せられると、うーんと唸らざるを得ない。データで示してくれてるから、上司や同僚や人事部への説得材料にしやすい!
本書の魅力その2:キャッチーな言葉でまとめてくれるから覚えやすい。たとえば、残業は「集中」し、「感染」し、「遺伝」する。残業を減らすと同時に、パフォーマンスも上げるために必要なマネージメントは、ジャッジ力、グリップ力、チーム・アップ力の3つの力、などなど。
本書の魅力その3:実はみんなが薄々気が付いていたことをハッキリと言葉にしてくれているところ。たとえば、中途半端な残業施策は「ゾンビ化」して、逆に残業削減を阻害するとか。残業代を前提に生活設計してるから、急に残業減らされると生活が立ち行かなくなるとか。もちろん、これらに対しての処方箋も本書できちんと示してくれています。
この本が示してるのは単なる残業削減策だけじゃなく、一般的に理想的なマネージメント像だと思う。また、5年後に残業削減が解決されているとも思えない。読み直したい本だと思いました。
あと、管理職になる人の日本政府指定教科書にしてほしい笑
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かつて残業はごほうびだった。
だから、生活残業する。
残業する人、すなわち忙しい人ができる人。
だからフェイク残業する。
残業をすることで絆を深める、OJTという仕組み。
人口減少社会は、働き方も変えていかないと行けない。
過去の組織学習を学びほぐしていくこと。
死の谷をこえる勇気をもつこと。
変わろう。
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最近、働き方についての本が
自分の中にヒットするものがあって
乱読気味。
日本は多分今までの構造から、どんな形であれ
変化が必要なのだろうと思う。
でも、よさもあるし、急には人は変われないから
なかなかこの先大変な感じがする。
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ちょっとくどかったけどおもしろい。残業無しの男性より残業を60時間以上している女性の方が子どもとの交流時間が長いという事実。無能な男性がおおいな