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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
栗山監督がどのようにして選手や試合のことを考えているのかというのが、理解できて改めてファンになりました。
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北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督の選手への思いやりと強く信じる思いや2018年シーズンの回顧、そして同監督自身が本を読んで得たプロ野球選手に大切という「人間力」を養うために大切にしている言葉の数々が印象的な一冊でした。
とくに選手への思いやりは、69ページにあるエピソードを読んでいて強く感じました。
それは、監督就任一年目、日本シリーズ第6戦で2018年をもって引退した石井裕也投手が負け投手になった時のエピソードで、「もとより選手が責任を持つ必要はないのだ。(中略)彼が敗戦翌日の新聞を切り抜き、『石井で負けた』という見出しの記事を部屋に張っているという話を聞いた。(中略)その切り抜きを家族は毎日どんな思いで見ているのかだろうかとしばらく引っかかっていた。そして、優勝旅行で奥さんを紹介されたとき、その思いを素直に伝えた。何より、彼のおかげで優勝できたという感謝の気持ちを伝えたかった。そこで涙を浮かべた奥さん(略)」
この一文を読んで自分は涙しました。選手に対する監督の感謝の気持ちがなんて温かいのだろうかと。
そして、もう一つ印象深かったのは「人間力」を養うための読書から得た気づきです。これは詳述しませんが自分にも当てはまることがあり感銘を受けました。
野球のキャンプが始まりますが、新体制のファイターズには期待がいっぱいです。あとがきには今年のドラフトメンバー一人ひとりの評価が綴ってあるので、これも必読だとおもいます。
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日本ハムファイターズで8年目を迎える栗山監督が、2019年シーズンを迎えるにあたっての心境や、ファイターズのチーム哲学を語る内容。長らく応援してきたチームだが、より一層、栗山監督とファイターズのことが好きになった。プロ野球選手に最も必要なのは「人間力」である、という監督の持論にはとても共感できたし、あの大谷翔平という逸材がここまで能力を開花できたのは監督の功績が大きいと再認識した。組織運営、リーダー論、人材育成、といった観点で見ても、得られる気付きはとても多い。野球ファンだけでなくビジネスマンにもお勧め。
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『#稚心を去る』
ほぼ日書評 Day685
29歳で現役を引退、日ハムの監督時代には大谷二刀流実現の立役者、そして先日は侍ジャパンを優勝に導いた栗山英樹氏による2019年の著書。
タイトルは、幕末に25歳でこの世を去った橋本左内が数えで15歳の時に述べた言葉から取られているそうだ。成長を妨げるのは、子供っぽい心、すなわち「わがまま」。結果が伴わないと、ついそうした気持ちが出てしまう中、いかに大人になれるかが鍵という。
そもそもプロ入りしたのも、ちょっとした社交辞令からすっかりその気になってしまったと、やや自虐的に述べているが、選手として大活躍したとはいいづらい実績ゆえ、その研究熱心さは、そうした思いから来るものなのだろう。
本書には触れられていないが、三原マジックで有名な三原脩氏のノートを同氏の娘婿である中西太氏経由で譲り受け「愛読」しているというのも先日テレビでみたことがある。
本書の内容も半分くらいは過去の試合を振り返って、なぜあの時、ああした手を打ったのかといった話で、その辺りは斜め読みでも構わない。通底する哲学のようなものを、拾い読みしてみた。
育成と勝利のどちらを優先するかという愚問、3年後に優勝するから今年は育成に専念するなどというチームがあったら3年後にも勝てっこない。
1000本の打撃練習より大事な試合での一打、1000本のノックより試合を壊した1つのエラーの方が大きな糧になる。
3日間、誰も自分の文句を言わなかったら、気をつけた方がいい。監督という仕事をやらせてもらって「嫌われることも絶対にプラスになる。いつかわかってもらえる時が来ればいい」という肚の据わりは、つくづく大事。
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前作栗山ノートに引き続き。一流のアスリート集団、プロ野球選手を率いる監督にはこんな研究熱心かつ謙虚な方もいるのか。
稚心を去る、そんな深い言葉だったなんて。
「名将」の形は様々。栗山さんならではのイズムを感じた素敵な1冊でした。