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現在進行形で進歩し続けている、考古学という学問。
単純にどのような発見がなされていったか、という側面だけでも興味深いが、
考古学の手法自体が進化していく様はかなり面白い。
盗掘まがいの行為による金銭目的から過去を読み解く作業へ、
粗野で単純な採掘からテクノロジーを駆使した非破壊な調査へ。
旧約聖書やギリシア叙事詩に登場する伝説の街を発掘する、といった話はとても刺激的だし、
そういったロマンが伴ったからこそ考古学は進化したのではないだろうか。
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文章の格調が高いにもかかわらず、読みやすく、期待以上の内容だった。考古学が想像したよりも歴史が浅いことにまず驚く 。
そもそも歴史が学問として成り立ったのが最近なのだ。
歴史の教科書で当たり前のように書かれていることは、先人たちの大きな努力なくして、成立しないことを実感した。
特に好きなのは放射性炭素年代測定の章。科学が人文社会系の学問に貢献するのは胸が踊る。
また、考古学の応用可能性の広さ、その学際性にも胸が踊った。若い時に出会ったら、人生が変わる一書だったかもしれない。
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これは、かなり面白かった。発掘者が、遺跡を見つけ、過去の歴史を明らかにしていく、興奮が手に取るように伝わってくる。
ツタンカーメン王の話は、ドキドキした。現場を開けるときの、待ちきれない思いがたまらない。あるいは、ラスコーの壁画を見つけた、牛だよ!牛!という驚きに満ちた声。
冒険とは、こんな気持ちだろう。いまは日本に留まっているが、いつか世界をまたにかける仕事をできるようになりたい。自分の目で、世界中のあらゆるものをみてみたい。
そのためには、目の前のことを一生懸命やることだ。どこかにつながっているはずの、この道を行くしかない。残りわずかな20代で、できる限り色んなことに取り組もう。
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イェール大学の「リトルヒストリー」シリーズは、今のところ全部面白いのだけれど、その中でも一番だったかもしれない。
近いようで遠い考古学の世界が、とても身近に感じられる様になる。