真の聞き上手は相手と自分のストレスを減らせる
2020/05/21 20:01
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投稿者:wizard - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょうど読み終えたので備忘録。本書を読んで知ったのは、人の話に耳を傾けられるスキルが身に付くと、相手をラクにできるだけでなく、自分自身のストレスも軽くなるということ。家で過ごす時間が長くなり、うつになる人が急増している現在、パートナーや家族、友人、子供の愚痴や悩みに耳を傾けられ、寄り添った会話ができれば、関係改善だけでなく、信頼関係も築ける。お互いの違いを認め合えて、快適な距離感を保って共存していくために、いま、これからの時代にこそ読まれるべき良書だ。
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渡辺直樹『1分で信頼を引き寄せる「魔法の聞き方」』(朝日新聞出版、2019年)は、聞き上手になる方法をまとめた書籍である。著者はカウンセラーである。
本書は相手の主張に賛成することと共感することは異なると指摘する。賛成しなくても共感はできる。それが人間関係を円滑にする方法になる。そこは理解できる。問題は相手も共感と同意の区別を理解しなければならないことである。
こちらが何一つ同意していないのに同意してるように相手に思わせてしまったならば騙しになる。その場は良くても後々騙されたと不満が増大するかもしれない。逆に相手が共感と同意を区別して理解しているとすると、何らかの要求なり問題解決を求めて来た相手にとっては何の解決にもなっていないことになる。難しいやり取りはメールなど文章で行うべきと感じた。
本書はコールセンターのオペレーターなど人の話を聞く立場の人々に有益である。この種の書籍を読もうという問題意識も持っていなさそうであるが、医者のような職業の方にももっと読んでもらいたい書籍である。セールストークについても触れられている。不動産投資の勧誘電話のように一方的なセールスが失策ということがよく理解できる。
一方で私人間では相互主義がないと本書のスキルを実践する一方では疲れてしまうかもしれない。こちらが一方的に聞き上手になるだけでは、こちらは相手の主張に共感できるが、相手はこちらの主張に共感しないことになる。これは相互主義に反する。
しかも、そのような相手は、こちらのしていることは共感であって同意ではないと理解していないだろう。それならば相手の感情を害するとしても、こちらの考えを正しく理解してもらうことが誠実な向き合い方ではないかと感じる。
本書の恐るべきところは、相手の話を聞かない手法も用意していることである。「「聞いていない」と伝わることをあえてしてみる」「わざと相手の話を奪う」である(163頁以下)。逆の手法まで掲載する点で有用性の高い書籍である。しかし、これで喜ぶだけでは甘い。これを悪用されることを考えなければならない。役所やコールセンターが面倒臭い問い合わせ者を追い返す手段として、これらのテクニックを使うかもしれない。消費者が本書を読んで、このようなテクニックもあるのかと学ぶことは有益である。
「魔法の聞き方」の本題からは外れるが、当たり前のことができないという悩みへの答え方が素晴らしい。「あなたの言う『当たり前』は、世間で多くの人がそうしているから一般に当たり前と言われているだけで、それがいまのあなたにとってそうであるとは限りません。あなたには現状こそが当たり前なのですよ」(118頁)。ダイバーシティの21世紀は、世間一般の昭和の当たり前からの脱却が必要である。
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ストレスフリーのコミュニケーション術。
相手の気持ちが現れている言葉を受けとめ、繰り返す。
相手に聞いていると伝えたるには、相手の話のスピードや声のトーンを合わせる。
アクティブリスニングのスイッチを切り替える(自分から相手に関心をもち、自分から相手の話を聞き、ときに聞き方、同感するか共感するかを自分で決める)
アクティブスマイリングのスイッチを切り替える(笑顔、笑声で心の鏡に映し出された自分の気持をいつも再確認する)
人生を主体的に生きることで、ストレスなく過ごせるのだと理解できました!