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人はみんなで集まって働きたいという思いがある以上、それを仕切る人が必要であり、それをできるのは管理職を経験したスキルは非常に有効である。これをオンラインサロンなどで活用していけば自分の居場所が見つかるのかもしれない。
本書では、今の日本で行われている働き方改革は、日本特有の戸籍制度を廃止しない限りは、中途半端な改革に終わってしまうと警鐘を鳴らしている。戸籍とは個人ではなく家父長制度を元に作られた制度であり、日本人(婚姻関係含む)以外は日本国籍を取得できないため、一流の移民が日本にやってくることはないと主張する。また、専業主婦を奨励するような制度になっているため、いつまでたっても日本人女性の中に(正社員の対比としての)専業主婦が減らないという現実がある。さらには、終身雇用、年功序列といった正社員のみを守るための制度が、会社と(正社員を守るための)労働組合によって守られているため、非正規社員にばかりしわ寄せがいってしまう。このような働き方は先進国では日本だけであり、速かれ遅かれこのような制度は崩壊するであろうと著者は述べている。
世界の最先端では、既に会社もプロスポーツ化してきており、社員は選手と同じように自己努力によって成果を挙げたものだけが会社に残ることができ、成果がでない社員は解雇されるという働き方が出てきている。この場合、解雇されても解雇された会社が一流であれば、プロスポーツと同様にそこに箔がつくため、次の就職には有利になるという。一方、日本では終身雇用を守るため、一流でもない社員を使いまわすことを優先することで、社員は疲弊し会社も成果を上げられないという負のスパイラルに陥ってしまう。
このような世界の潮流の中では管理職はいなくなるのかといえばそうではなく、より多様化した社員を束ねるためには管理職は必須だという。その理由は以下の3つである。
①世界がひどく複雑になり、変化のべースが速くなったこと。このような世界で生き抜くには調整やすり合わせ、根回しが重要となるが、それを全部ソーシャルメディアで代替することはできない相談で、橋渡し役となるミドルマネージャー(トランスミッションべルト)がどうしても必要になる。管理職は、小さな問題を解決し、大きな問題を上司にあげ、上の指示を噛み砕いて下へ伝え、下の言い分をうまく上に伝え、交渉し、討論し、その他諸々のソーシャルスキルをあちこちで発揮することで、組織の仕事をスムーズに回し、つっかえたり滞ったりしないように気を配る。
②大方の人間は数字やアルゴリズムだけでは納得しない。たいていのひとは、無味乾燥な数字よりも、説得力のあるストーリーやエピソードに心を動かされる。これは消費者だけでなく従業員も同じで、賢い企業は顧客に対してだけでなく社員に対しても高度な説得術を駆使する。
③会社(組織)が存在するいちばんの理由は、人間というものはいっしょに働き、助け合うのが好きだからだ。社会がどのように変わったとしても、大多数のひとは、どこかに集まって「みんなで」働きたいと思うだろう。だとすれば、誰かが仕切り役を買って出て、うまく意見をまとめてみんなに分担を割り当てなくてはならない。
人生100年時代には、原理的に、好きなこと、得意なことをマネクイズして生きていくほかありません。もちろん、すべてのひとがこのようなことができるわけではありません。だから私は、これを「残酷な世界」と呼んでいます。
人が市場で富を獲得するには、金融資本と人的資本の2つしかない。前者は投資。後者は、スキル向上、長く働く、共働きの3つしかない。その中でも簡単に実現できるのは後者の2つ。長く働くためには定年制を廃止するか、定年後も働ける専門性を身に付けておく。3つ目は専業主婦から正社員とは言わなくても、非正規やフルタイムパートで年収200万円を目指す。
こころの病は長く働くことが原因ではありません。「いやなこと」をえんえんとやらされるから苦しいのであって、好きなこと、楽しいことであれぱどれほど長時間労働でもまったく苦になりません。「いやなこと」は、大きく3つに分けられるでしょう。
①なんの意味があるのかわからない仕事。すなわちブルシットジョブです。
②人間関係。「今日もまた怒られるのか」と思いながら会社に通ったり、「顔も見たくない」同僚が隣の机に座っているのは苦痛以外のなにものでもないでしょう。
③自分の能力を超える仕事の責任を負わされること。内向的な社員が重いノルマを課せられ、同僚と営業成績を競わされるような場面を思い浮かべるでしょうが、それだけでなく日本の会社ではこうしたことがあちこちで起きています。
あらゆる仕事で高い専門性が要求されるようになるなかで、「ゼネラリスト」としての経験しかないサラリーマンが、必要な知識やスキルを獲得できないまま年功序列で役職を与えられています。そうなると、「この仕事をやりとげるだけの能力が自分にはない」と思いつつも、誰にも不安を打ち明けることができず、上司や同僚、部下、クライアントの視線に戦々恐々としながら日々をやり過ごすようなことになりかねません。
プログラミングの知識がほとんどないにもかかわらず、多数のプログラマーを束ねる大きなプロジェクトを任されたら、うつ病になっても不思議はありません。こころを病めば仕事がら外れることができ、ウソがばれずにすむのですから。
多くのひとが感じている生きづらさの根源にあるのは、知識社会が高度化し人間関係が複雑化していることです。保守派やコミュニタリアン(共同体主義者)は「むかしのようなふれあいがなくなった」と嘆きますが、これはそもそも事実として間違っています。小さなムラ社会で農業しながら暮らしていれば、顔を合わせるのは家族と数人の隣人たちだけで、ムラの外から見知らぬ人間(異人)がやってきたら大騒ぎになるでしょう。
しかし今では、(少なくとも都会で暮らしていれば)日々、初対面のひとと出会うのが当たり前です。こんな「異常」な環境に私たちは適応していないので、それだけでものすごいストレスになります。問題は「ふれあいがなくなった」ことではなく、「ふれあいが多すぎる」ことなのです。
日本をはじめとして先進国で急速に進む「ソロ化」はここから説明できます。日常生活での「ふれあい」に疲れ果ててしまうため、プライべートくらいは一人(ソロ)になりたいと思うので��。
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働き方1.0→2.0という段階の話ではなく、働き方4.0、5.0へ向かって、というもう少し先を見据えた話。仕事や働き方に関しての状況はどのくらいのタイミングで変わっていくのだろうか。日本独自だと思われている、ほんの少し前の時代からの伝統を変えるには「そもそもなんで〇〇だんだっけ?」という議論ができるようにらないとね。既得権益を守る抵抗勢力の数が減れば動き出すだろうか。他の本にもあったけれど、祝日を減らして有給が取りやすくなってほしい。みんな一緒に休んでわざわざ混んでいる時期を作ってその混雑に突っ込んでいく状況はやっぱりおかしいですよね。
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今後どのようなスキルを習得すればいいのか具体的なことを知りたかったが、ずばりこれだとは分からなかった。
・高度化したネットワーク社会では積極的にギブすることが生き延びるための最適戦略となる。
・人生100年時代ではだれでもフリーエージェントを体験することになる。
・日本は欧米から一周遅れなので、これから日本社会が体験するこをは欧米の混乱を観察していればほぼ正確に予測できる、とあるが高齢化社会のトップランナーは日本ではないかと思った。
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働き方1.0な終身雇用・年功序列は、日本人の生産性を下げている。
働き方2.0は、終身雇用が前提の中、個人の成果を計ることが難しく、形骸化した。
働き方3.0は、終身雇用という考え方から、プロジェクト型雇用で、企業人のプロフェショナル化の時代がくると言及している。
アメリカは、働き方4.0で、プロがギグするような働き方になってきている。
これからは、スペシャリストである個人が、プロジェクトを渡り歩く時代になる。どこでもだれとでも働ける、という時代になる。
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著者は、働き方・バージョン1.0から5.0を
1.0年功序列・終身雇用(日本的慣行)
2.0成果主義(グローバルスタンダード)
3.0プロジェクト単位でスペシャリストが離散集合(シリコンバレー型)
4.0フリーエージェント(ギグエコノミー)
5.0機会がすべての仕事を行うユートピア・ディストピア
と定義する。
世界の常識では働き手を、クリエイター、スペシャリスト、バックオフィスに区別するが、日本はフリーエージェント、正規社員、非正規社員に区別するという。組織に属するのは、日本の正規社員と非正規社員、世界ではバクオフィスとスペシャリストの一部であるという。日本の雇用制度も世界からガラパゴス化している。
著者は新たな働き方として、プログラマーなど世界のどこでも誰とでも仕事ができるクリエイターや、プロジェクト若しくはコンテンツが必要であるとされれば出資や買収により巨額の富が得られるベンチャーキャピタルを紹介している。ものづくりのあり方もどんどん変わっているなかで仕事のあり方も変化が進んでいる、これからの時代、若い人たちが選ぶ仕事も難しくなってくるのだろうか。
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最近の世界の先端をいく働き方と今の日本の雇用制度を比較して述べてる本。
雇用関係の本や記事に書いてあるので、普段読んでいればさほど真新しさはないが、いろんな事例がありまとめられてるので、その点は良い。
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この本に書かれていることが今後どのくらい実現するのか…怖くもあり、楽しみでもある。
とりあえず、自分はVUCAの時代にどう生きるのか、しっかり考えて行動する必要がある。
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日本と欧米、そしてグローバル化によって変化していく働き方を比較し、これからどのように働くということを捉えて生きていくのがベストなのかを記している。
他の本と同様に「好きなことをして生きていこう」に落ち着くが、それは趣味という意味ではなくマネタイズすることを前提としている。何故好きなことをなのかと言うと、会社が面倒を見切れない&寿命が長いから。これまでのように40年我慢すれば悠々自適な老後、という訳にもいかないため、そもそも好きなことでなくては病むし続かない。ただ、マネタイズしなくてはならないから、そこでプラットフォームを活用するなどの稼ぐ力が必要になってくるということでしょうか?(大分本の感想からは離れてしまいましたが…)
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”不条理な会社人生から自由になれる”っとキャッチャーなサブタイトルが付いておりますが、アメリカを始めとした先進国の働き方のトレンドを知るには凄く良い本です。
日本でも”働き方改革”だの”一億総活躍社会”だの”女性活躍推進法”だの政府の方が色々と手を打っている様ですが、効果が見える様に成る迄は時間が掛かりそうですね。”会社と個人が対等な関係を結んで仕事をしていく”って考え様によっては凄くハイリスクなんですよね~。。。敗戦によって牙を抜かれた日本人に出来るのかな~。。。あ、仕事しなくても良くなるのかな、将来は!?
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橘さんがブログとかに散々書いてきた内容の繰り返しなので、星3つ。初めて読む内容ならば、もっと高い評価をつけたと思う。
AIが、人間の能力をある店で凌駕する可能性のある時代における人間の働き方はどういう可能性があるのか、それについていけない人はどうするべきなのか、というかなり際どい話題を赤裸々に書いている。
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まだ読んでいる途中だが、難しい本
気になったのは
ギグエコノミーでは自分で評判=ブランドが全てなのでSNSの評判を自覚的に作っていかなくてはならない
FacebookやTwitterでの不用意な発言や写真は
いつまでも記録され思いもかけない時に評判
を傷つけるかもしれない。
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これからの働き方の予言書になります。
今後はSEや建築系の様に、フリーランス化が進んでいくと予想しています。
フリーランスの波に乗らないのであれば、責任が薄く収入が低いという仕事を選択せざるを得ない状態になる事も示唆しています。
以下個人的なハイライト。
↓↓↓
・社会がかんぜんにリベラルになれば、あらゆる差別はなくなるのですから、成功や失敗は「自己責任」で決まるほかなくなります。社会がリベラルになればなるほど、個人の「責任」が問われるようになるのです。
・ルーティンワークのスキルに対する需要は大幅に減ったにもかかわらず、調整、交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」に対する需要は高まった
・人生 100年時代には、原理的に、好きなこと、得意なことをマネタイズして生きていくほかありません。もちろん、すべてのひとがこのようなことができるわけではありません。だから私は、これを「残酷な世界」と呼んでいます。
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日本の会社は新しくプロジェクトが始まる時に無理矢理社内から人材を集める。ただ、企業文化が強い会社では、Netflixのように外部から最適な人材を集めてもチーム上手くいかないとも思う。外部環境の変化が早い時代では、強すぎる企業文化はデメリットの方が大きいのではないかと思った。
また、好きな事でなければ、人生100年時代にずっと学び続けていくことはできないという点が印象に残った。会社に依存するのでは無く好きなことで自律して働く方法を戦略的に考えてみたいと思った。
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人生100年時代には好きなこと、得意なことを仕事にするしかない
自分がなにができてできないか
知識と人脈の、ギブ
よい評判のフリーエージェント
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結果論、フリーエージェントを勧めていた。会社で働くのも責任がないし、安定、安心できるのでいいが、なんせ現代社会は人間関係が複雑。ゼネラリストではなく、スペシャリストを目指そう。
日本の雇用実態、特に正社員、派遣、パートタイムの身分の差があることが、海外では労働時間の対価により支払われる、ある意味平等なところや現地採用が国籍差別としていて、現地の安月給は認めるものの、中国が日本企業買収で日本に現地法人を置き、言い訳として現地採用で安月給という話になれば、倫理に反するとしていて、日本の考え方や採用方法、働き方に疑問を感じた。
アメリカでは、Netflixは最高の結果を出せる人だけが会社に残り、Googleはは自分より優秀な人を採用する。そんな日が日本に来る日は程遠いが、グローバル化が進む中で、ギクエコノミーも参入してきており、益々競走が激しくなるだろう。