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現実の非現実の世界を交互に描写していたが、純文学風の読みにくい文章で、終始退屈だった。震災や亡くなった人に焦点を当てる作品はありがちだし、この作品にも特別感は無かった。読む価値なし。時間を無駄にした。新井賞は女が主人公の話ばかりで、偏りのある選手だと感じた。まあ、書店員が勝手に選んでるだけなので、そこに文句を言うのはナンセンスなのだが。ただ一つ、この作品は明らかに新井賞の価値を落としてる。他の新井賞作品は割と面白かったのに、残念。
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震災によって逝ってしまった人と残された人
二人は歩く。共に苦しみもがいてでも時折それぞれの持つ光に照らされて
死が中心にある重いテーマだけど文章が綺麗で落ち着いていて読んでて心地良い
すみれパートはかなり抽象的で、想像力が試される 想像すればするほど不安で怖い
人それぞれ異なる死者への想いの形
苦しみを共に背負う事 忘れる事 時々思い出す事
私は悲しい思いはしたくはないので大切な人には私と全く同じタイミングで逝くか、私より長生きしてほしいと常々願っているけれど
仮に残されたとしても、時折楽しかった日々なんかを思い出してるうちに同じ所へ行けると思ったら、そう悲観する事でもないのかなと感じた
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読み始めの頃は、文章が好みじゃなくて途中で読むのやめそうになってた。
なんだか空気感が生ぬるくて不快な感じだった。
だんだん話の内容が分かってきて、読み切らないといけない気がしてきた。
津波で突然すべて奪われて大事な人にお別れ際できなかった人。大事な人が突然いなくなってお骨さえ戻ってこず、それぞれの形で向き合う人たち。
読んでて、どこにも行けない息が詰まる感じで苦しかったし、気持ち悪くなってきた。
後半になると、だんだん「生きる」感覚がつよくなってきたような感じ。
高校生の女の子たちとの出会いは、なんだかぐっときた。
この経験はしたことがないから本当に分からない、というのが正直なところ。
でも、あの日に奪われた人たち、帰ろうとがんばった人たちが、温かな場所に行けているといいなぁと思う。
あんまり読んだことない感じの小説だった。
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作品のテーマは人との別れ、亡くなるということ。とても直接的で、日常生活の中で私たちがつい忘れていることが多い。だから読み始めなんとなく馴染めないような入り込めない感覚になった。
生き続ける人の思いをひとつひとつすくって言葉にされていたと思う。大切な人をフカクフカク残すことも、それでもいつか留まっていた場所から歩き出すことも、全て等しい生にあるんだと感じた。
今は実感が湧かないことの方が多かった。また、私にとって必要な時にこの作品に出会えたらいいなと思う。
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東日本大震災から3年。ホテルのダイニングバーで働く真奈のところに遠野が現れる。遠野は行方不明の友人・すみれの恋人で、引っ越しを機にすみれの物を整理したいと言う。すみれは大震災の前日、旅へ出かけたのだが、そのまま行方不明になっていた。遠野は亡き人として対応していることに真奈は納得がいかなかった。
この状況がずっと続くのか?過去を振り返りながら、真奈はすみれとどう向き合っていくのか?
映画化されるということで、原作を読んでみました。
奇数章は真奈の視点、偶数章では誰かしらの視点(最後の方で明らかになります)で物語は進行します。
奇数章は現実的といいましょうか、真奈の心の内や出来事が語られています。ただ、偶数章では、反対に抽象的な部分が多く、なかなか把握しづらいなと思いました。
突然、友達がいなくなったら?
私もその状況になったら、なかなか受け入れられないと思います。それでも、時間は流れていき、自分自身も生きていかなければなりません。真奈も、その状況に葛藤しながらも、前へ向こうとする姿に独特な表現でしたが、心に沁みました。
特に女子高生との会話のシーンは、印象深かったです。
あるきっかけで、女子高生二人と出会うのですが、その会話の中で、女子高生が言います。
「震災を忘れない、悲劇を忘れない、風化させない。忘れないって、何を忘れなければいいんだろう。たくさんの人が死んだこと?(中略)私や誰かにとっていいことがあるの?」
この会話の流れに読んでいて、何か心に引っかかりました。
そう言われてみれば、あまり明確に答えが出ていないなと自分の中で思ってしまいました。
確かに悲しい出来事なのに、そこから何を感じたのか?
心にグサッと刺さったような気持ちにもなりました。
明確に答えを出すよりも、今後の課題として保持し続けることが大切なのではと思ってしまいました。
そういった意味では、じっくりと考えさせてくれる作品でした。
2022年に映画化されるということで、どんな作品になるのか楽しみです。
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まなとすみれ、それぞれに共感できる考えや気持ちが多くあった。私は関東で東日本大震災を経験したけれども、あの時東北にいた人たちはもっとすごい経験をしたと思う。私は、この本を通して少しでもその人たちに寄り添うことができるのではないかと思って、この本を手に取った。
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「何十年後にまた読みたい本」
死っていう曖昧なものや、どうして生きてるのか、死んだ後どうなるのか、死って何か、死んだら何も残らないのか、そういう答えを物凄く付けにくいものに一つの考えを言ってくれている本。よく分からない部分も多かったから、大人になって色々経験してわかったことが増えてからまた読みたい
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文章が美してくて柔らかい。
すごく好きな文体だった。
死を受け入れるということは難しい。
主人公がすみれの母に抱いていた感情には共感し、
遠野が言う死に対する価値観、考え方に自分がかつて抱いていた感情を言語化されたようで、救われた。
彩瀬まるさんの作品は初めてだったので、他の作品もぜひ読んでみたい。
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学生の頃に片思いをしていた女性が自殺をして、そのショックから案外あっさりと立ち直っていく自分が、むしろ哀しかったことを思い出した。それでも世界は停まらない、か。
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私と同じ東北人、震災に想いを寄せる人にグッとくる作品だと思います。
あっちの彼女も
こっちの彼女も
それでいいんだ、よかった
と思えました。
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親愛なる友の影を追いかけてまぼろしを捕まえようとするお話。
表現がやさしくて美しいのと、苦しむ人が無理をしないで喪失感とか罪悪感みたいのをなじませていくみたいなのがよかった。
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【ストーリー】
奇数章が主人公目線、偶数章が亡くなった友人・すみれ目線のお話になっている。
◇奇数章
主人公は、突然行方不明になった友人の死を数年経っても受け入れられずにいて、死を早々に受け入れる人間のことを内心軽蔑している。亡くなった人を生きている人と同じように扱うことがその人に対する誠意だと思っているのだ。だが、そんな頑なな主人公の心も、時間の経過とともに少しずつ解けていく。
◇偶数章
亡くなった友人・すみれの死後のお話。津波によって突然死を迎えたためはじめは現世に未練があるが、次第に意識が朦朧とし記憶も消えて、自然に還っていく。
【感想】
難しかった。
主人公の心の移り変わりがこんなにも事細かに説明されているのにも関わらず、私にはほとんど理解できなかった。偶数章もスピリチュアルな感じで意味不明…。読んでて怖くなった。ぴちぴち音をたてる魚は何の暗喩なんだろう?花びらのお婆さんって何者?それに、すみれの死後の意識の中に主人公のことが全然出てこなかった…出てくるのは元彼のことばかり。なぜ?
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ノンフィクション「暗い夜、星を数えて」に続き、今度は小説。筆者自身の被災体験がもとになった物語。親友のすみれを震災で失った真奈と、不意に命を奪われたすみれ(の意識)、それぞれの視点で交互に話は進む。真奈パートでは、友人の死と折り合いをつけようとする彼女の葛藤が痛いほど伝わってくる。すみれパートは混沌とした抽象的世界。彷徨う〝死者の意識〟が物悲しい。映像化は難しそうに思えるが、間もなく映画公開。浜辺美波ちゃんのすみれ役は気になる。
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この作品を読み終えたのが2022年3月12日。本作も東日本大震災を絡めた内容。偶数章の「私」は、不思議な世界観で、成仏できていないすみれの話だと思っていた…でも解説みたら違ったみたい…
本作に二つ好きなシーンがあった。
一つは、主人公の家にすみれが転がり込んできて、夜にベッドで横になりながら語り合う回想シーン。
すみれは将来やりたいことはないが、大切な友達に恵まれていることが報いであると…一つのことが上手くいっていなくても、別のなにかは上手くいっているってことあるよなと改めて思った。
もう一つが、駅前のカフェで主人公が亡くなったすみれを思いだし泣いてしまう…そして女子高生2人に話しかけられるシーン。
もし、自分が震災などのどうにもできないことで死んでいたとしたら…大切な友達とかには、悲しんでくれるとは思うけど、「アイツといて楽しかった」と思ってもらえるのが一番嬉しい。
なんだか、震災について考えさせられた。
映画化されるようなので、こちらもチェックしたい。
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まもなく(2022年4月)映画化されると云うことで読んでみたが、私の趣味ではなかった。1章毎に視点が入れ替わってややこしいし、特に偶数章はよう分からん文章。映画も見ないなあ・・・