投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
左手に宿る“兄”と俺。奇妙な2人の逃避行が始まる―ある事故以来、左手から死んだ兄・海斗の声が聞こえるようになった岳士。家出した2人は殺人事件に巻き込まれ、容疑者として追われるはめに。濡れ衣を晴らそうと奔走する岳士と海斗だが、怪しいドラッグ「サファイヤ」、そして美しい彩夏との出会いで“兄弟”の思惑はすれ違いだす…予想不可能のラスト、切ない衝撃に涙があふれる。
投稿元:
レビューを見る
『神のダイスを見上げて』に続き、医学小説以外で勝負してきた。本作もまた、現役医師作家である知念実希人の意欲作なのだろう。何しろ、こういう設定である。医学的リアリティに拘りすぎると、書けない物語だ。
帯には「誰も見たことのない2人の絆」とある。どういう設定かは帯に書いてあるが、一応ぼかしておこう。正直、似たような「2人」の設定はあると思うが、真っ先に思い浮かんだのはある漫画。その漫画の設定は、本作とは逆で「右」だったが。
実家から逃げ出し、ひたすらロードレーサーを飛ばして東京を目指す2人。多摩川の河川敷でようやく休むことにしたが、この判断がすべての発端だった。殺人事件の容疑者となってしまった「岳士」。捕まったら最後、無実の訴えなど聞いてもらえないだろう。残された道は、自らの手で真犯人を探し出すこと。
あまりにもついていない「岳士」に序盤から苦笑してしまうが、その後も突っ込みどころだらけ。真犯人という本丸に近づくためとはいえ、どんどん深みにはまっていく。何だか本来の目的と逸脱していくような…。『海斗』は警告するが、そもそもお前がけしかけたんだろうが、と言いたくもなる。とにかく展開は速い。
追い詰められた「岳士」に、あるショック療法をほどこす『海斗』。自業自得なのは否定できない。こんな苦痛は一生味わいたくないものである。詳しくは書けないが、2人の関係の変化に注目したい。そもそもこんな関係になったのは、過去のある出来事にあった。若さ故というべきか、向こう見ずというべきか。
真相は、意外に思う面と、やっぱりなと思う面があったかな。厚さの割には、遅読の自分でもすぐに読めた。最初から最後までノンストップで駆け抜ける、映像化には打ってつけの作品だろう。じっくり謎に迫る医学小説とは一味違う、リーダビリティがあるのはさすがと言える。それにしても、そもそも『海斗』とは…。
投稿元:
レビューを見る
帯が煽りすぎ。これはいつもの事なのですが。ドラッグの怖さというのは伝わってくるし、絶対手を出して欲しくない。でもその辺で買えちゃう怖さもあって、その意味ではそういう世代の人達に読んで欲しいと思うけれど、そもそもこの分厚さの本を読む人は、そういうのとは無縁のような気がする。2人の絆、と書いてあるのだけど、どうも私には芝居がかりすぎていて、ちょっと退屈な舞台を見ているようだった。背景が私には合わなかったんだと思う。二転三転するのだけど、途中から2人?の小芝居のようなやりとりに疲れてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
知念実希人の新作は450ページ超えの大作。設定から面白いので詳しい言及は避けるが『君の名は。』や『ヴェノム』を彷彿とさせるトリッキーなバディもの。正直ミステリーとしては反則な気もするが…w事件の真相以上に薬物や家族・恋人に対する依存の描写がピエール瀧の一件とも重なって印象に残った。
投稿元:
レビューを見る
知念作品気に入って多く読んできた。
レフトハンドブラザーフッド
私が読んだ中では最もつまらない作品かな。
フッドの意味が何か分からなかった。
Foodなのか?
糧
mental food 心の糧
これなのかな?
投稿元:
レビューを見る
この厚み
ちょっと中だるみ
設定についていけなかったかな
薬物依存の描写がすごくて気分が悪くなって肩が凝った
どんでん返しとはいかなくて なんとなくわかっていたような
でもやはりおもしろかったです、うん
≪ 許しあう 双子の俺と 想う兄 ≫
投稿元:
レビューを見る
左手に宿った兄海斗の声。病院に押し込まれそうになり逃げ出した岳士は、殺人事件に巻き込まれてしまう。その裏にはドラッグサファイアがあり…という薬物依存の恐ろしさが描かれている。
ただ主人公の岳士のウダウダとした言動が、若干イライラさせる。結局は海斗が全ての後始末をしたという感じ、ちょっと腑に落ちなかった。
投稿元:
レビューを見る
死んだ双子の兄の精神を左手に宿した少年が、冤罪を晴らすために闘う物語。というとどこの世界のファンタジーだ、と思ってしまいますが。現実の世界を舞台にした、サスペンス感溢れるミステリです。どういうこと? と気になった人は読みましょう。
なかなかに奇妙な設定だけれど、読みやすい文章のせいもあってすっと入り込めます。警察に追われ、半グレ集団と対決し、兄弟の絆ありロマンスあり裏切りありともう読みどころが盛りだくさん。中でも「サファイヤ」との闘いが、読んでるだけでもつらい……! つくづくこういうものには興味半分でも手を出してはいけないのだなあ、と思います。
そして二転三転の真相。結末についてはネタバレになってしまうので、多くは語りません。でも予想外の展開が終盤にがんがん出てきて、いったいどうなるのかと読む手が止まりませんでした。
それにしても、海斗の存在は幽霊のようなものだったのか、それとも岳士の精神が生み出した幻影だったのか。その部分は謎のままですが。すべてが解明されなくってもいいよね。
投稿元:
レビューを見る
どこかでこんな話を読んだことあるような、無いような…というのは、まぁ、良くあることなんだけれど。
こんなにも複雑な話にする必要も、傷つけられる必要もあったのだろうか?と思ってしまいました。
決算の合間に、テンポよく、サクサクと読書。
2019/5/18読了
投稿元:
レビューを見る
知念さんの作品は個人的に好みが分かれるんですが、この作品は特に苦手。ずっと苦しい読書でした。
殆ど最後まで主人公にイライラしながら読んでいて、きっと最後には大どんでん返しでスッキリするはず!と自分を鼓舞しながら頑張っていたのに、あまり納得できるラストも得られず不完全燃焼です。
魅力的なキャラが一人もいませんでした。
正直、面白く感じられませんでした。残念です。
鷹央シリーズの続き、期待しています。
投稿元:
レビューを見る
医療ミステリーではない新ジャンルだけど本格的な推理モノでスリリングだった。最後がっかり結末かと思いきや再ドンデンありで満足。こっち系の新作にも今後きたいしたい。
投稿元:
レビューを見る
6月-21。3.0点。
双子の兄は亡くなり、何故か弟の左腕に宿る。
精神病院へ入院させられる前に逃亡し、東京へ。
ある事件の犯人にされそうになり、真相を究明する。
よくあるテーマかな。筆力あるのでスピード感あり。
途中から犯人の予想がついてしまう。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと現実離れしたSF的なストーリーなのかも知れないけど、人間の精神なんて解明されて無い所があるのでは?と言う見方で見てみると、決してSFでは無く兄弟の絆がテーマの作品ですね。読み応えがある作品でした。
知念実希人は、やっぱり先の読めない面白いストーリーを考えるのが得意ですね。
面白かった!
投稿元:
レビューを見る
3.5
この作者の本は三冊目。
面白い事に、三冊共同じ様な感想を抱いた。
面白いのだけれど、今ひとつどっぷりと入り込めない。
掴みはOK。
そこからの、ドキドキワクワクが何故か
尻すぼみ・・
不思議だ
主人公・岳士が自分の運転するバイク事故で死なせてしまった双子の兄海斗。 その海斗が左腕に宿り会話さえできる様になるが、精神を病んでいると見なし入院を迫る両親から逃亡する所から物語は始まる。
東京へと逃げて来た二人(?笑)は、休息を取った河原で殺人事件に巻き込まれ、容疑者となり追われる事に。
海斗(左腕)が遺体から奪った手帳から、被害者が殺された理由がどうやら青い液体(サファイア)と深い関係がある事が分かってくる。
◯風間海斗・・岳士の双子の兄。岳士の運転するバイク事故による死後、岳士の左腕に蘇る。
◯桑島彩夏・・偽名を使って借りたマンションの隣人。弟を事故で亡くしている。サファイアに詳しい。
◯番田・・麻布署の刑事。
サファイアの組織を追っている。
◯早川壮介・・番田の情報屋。サファイア製造の大きなカギを探り当てるも、欲に目が眩み直接取り引きを目論み殺害される。
◯ カズマ・・サファイアを売り捌くスネークの幹部
◯ヒロキ・・カズマの兄貴分。
投稿元:
レビューを見る
左手に宿った兄との逃走劇。序盤から「これ、左手の人格が人生転落させてるのでは」という所が気になってしょうがなかった。あまり夢中になる要素もなくまぁ読了。どちらかというと苦手な部類だった。