投稿元:
レビューを見る
丸善150周年記念復刊の1冊。
日本(2分冊)→中国と読み進めて来て、最後の1冊は怪談の本場・イギリス。
本書に収録されているのは、伝統的な英国怪談で、その点では、オーソドックスな怪談アンソロジーと言える。奇を衒ったところは無いが、逆に読む前からクォリティの高さが保証されているとも言える。
さて、日本・中国・イギリスと読み比べると、編者の傾向というか、スタート地点がかなりバラバラで、これは丸善150周年という機会に、一気に復刊されて読み比べる機会が無ければ解らなかったな。
投稿元:
レビューを見る
丸善150周年記念復刊で、ジュンク堂で先行発売していたので買ってきた。
オーソドックスな話が多くてそんなに驚くような展開というのはなかったけど、古典的名作なんだろうなという感じはした。
好きなのは、『判事の家』。
あとは、『ヘンリとロウィーナの物語』、『ハリー』も好きかな。
こう並べてみると、霊や怨念が意地でも生者を連れて行く展開が好きなのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
最寄りの書店でこのシリーズが並んでいて、海外の怪談については全く知識がないためすべて欲しかったのだが、妻に「(読んでない本が溢れてるから)試しに1冊にしろ」と言われて選んだ1冊。
イギリスは古くから幽霊話のある国なので試しに読むにはコレが良いだろうと思って購入した。
目に付くところに並んでいたのでてっきり新しく出たシリーズなのだと思い込んでいたが、巻末には初版発行が1990年であり、今より文字も小さく行間も狭い、昔の作りの本だった。
中身は19世紀半ばから20世紀半ばまでの古い時代の短編怪談の詰め合わせだが、並んでいる著者の中にブラム・ストーカーやH. G. ウェルズがおり、作者名だけで興奮した。
内容は古典であり、短編でもあるので、大がかりな仕掛けはなく現在でも良くあるオチの物が多いが、描写の怖さや一捻り加わった意外なオチのものもあり、十分に楽しめる。胸くそ悪い物がないのも良い。
イギリスの土地柄だろうか、港や船にまつわる話がいくつもある。夜の海は怖い。また、イギリス特有(イギリスにはホーンテッドハウスが多い)なのか、怪談の定石だからかは分からないが、"幽霊屋敷"をモチーフにした話も多い。
訳者後書きも非常に良かった。
ミステリーとオカルトが背中合わせの存在であることや、それらがかつての優れた物語の一要素を純化したものに過ぎないこと(民話などにはそれらの要素が皆含まれている)という言葉には感嘆した。