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1.この本を一言で表すと?
アンドロイドの研究から人とは何か、心とは何かを考えた本。
2.よかった点を3~5つ
・マツコロイドの人格(p20〜)
→アンドロイドが別人格を持つのは本人にとても似ているからだと思う。「不気味の谷」は感覚的によくわかるが、グラフ化しているところが面白い。
・最後に残る人間らしさとは(p137〜)
→無機物の身体になると個の概念が変わるというのは理解できるが、では実際にどうなるのかは想像が難しい。
・ロボットは死の定義を変えるのか(p150〜)
→存在感を永遠に残すことができるのはある意味怖い。社会主義の国の指導者や宗教的指導者が存在感を発揮し続けるのは、考えもしなかった。また、自分の姿を後世に残せるようになれば死後の世界を信じなくなるかもしれないのは興味深い。ロボットが人間の死生観を変えるということはもっと議論されるべきだと思う。
・生命を感じさせるランダムな動き(p81〜)
→ロボットの動きや歌が複雑でありさえすれば人間は勝手に心を見いだしてしまうというのは、面白い研究結果だと思う。
・ロボットは人の仕事を奪うのか(p110〜)
→本当に危惧すべきは、ロボットを作ったり使えたりする人材とそうでない人材の格差が恐ろしく大きくなってしまうこと、という指摘はまさにその通りだと思う。
・ハイブリッドな新しい心の誕生(p124〜)
→インプラントにより人間の心が強くなるなら、自殺者は減るのだろうか?技術の進歩でそうなるのであれば早くそうなって欲しい。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・アンドロイド製作にどれくらいの費用がかかるのか?誰もが手に入れられるようになるのはいつ頃なのか?よくわからない。
3.実践してみようとおもうこと
・ロボットの使用に抵抗を持たない。積極的に活用しようという意識を持つ。
5.全体の感想・その他
・自分が考えもしなかった問題点を指摘しているのは参考になった。