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すごい言い訳! 中川越著
2019/4/13付日本経済新聞 朝刊
二股疑惑をかけられて必死に否定する芥川龍之介、作り話で親友に借金を頼む石川啄木、節税をたくらんで叱られ反省する夏目漱石――。文豪たちが苦境で発した言い訳の数々を紹介する。漱石のユーモア、武者小路実篤の楽天家ぶりなど、作品にも通じる文豪たちの素顔がみてとれる。一方で、彼らの文才を持ってしても苦しい言い訳も多い。著者は巻末でいう。「言い訳は、極力控えるのが賢明です」(新潮社・1600円)
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文豪達の言い訳だけ読んでも「へぇ~(・_・)」と思うだけだけれど、背景が分かると面白~い( ^∀^)♪中原中也の「一人でカーニバルをやってた男」がお気に入り(^^)許すかどうかは別にして(-.-)
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人生最大のピンチ! 文豪たちは筆一本でこの危機を乗り切った。浮気を疑われている、生活費が底をついた、原稿が書けない、酒で失敗をやらかした……。窮地を脱するため、追い詰められた文豪たちがしたためた弁明の書簡集。芥川龍之介から太宰治、林芙美子、中原中也、夏目漱石まで、時に苦しく、時に図々しい言い訳の奥義を学ぶ。・・
手紙が現存している文豪だけなので、限られた人数ですが、それでも50人近く登場します。
筆者の解説もわかりやすく、意外な人物像が明らかになったりと楽しめます。(例えば、石川啄木は嘘つきで宮沢賢治が放蕩者、谷崎潤一郎がドM嗜好者のようだったとか)
それにしても、若死(自死も含む)にした作家の多いこと。
一応50歳を目途に本書に登場した作家を拾っていくと、芥川龍之介35歳、樋口一葉24歳、小林多喜二29歳、織田作之助33歳、直木三十五43歳、寺山修司47歳、八木重吉29歳、林芙美子47歳、若山牧水43歳、石川啄木26歳、太宰治38歳、宮沢賢治37歳、中原中也30歳、横光利一49歳、坂口安吾48歳、新美南吉29歳、有島武郎45歳、尾崎紅葉35歳、三島由紀夫45歳、正岡子規35歳など多士済々です。
そういえば、維新時代に登場した傑物たちも若かったのは、偶然でしょうか?
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文豪ブームでこの手の本がたくさん出ていますけど、読者に媚びて文豪を下品にこき下ろすことで笑いをとるような本は苦手です。その点この著者の文章には品があり、素直に笑えて文豪にも親しみが持てるところが良いと思います。ただ段々教訓じみた感じが鼻についてきて、別にそういう方向でまとめなくても良いんじゃないかなあ…という気はしました。
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第1ページを開けると、左下隅に、『いい わけ』の言葉の解釈が、してある。
本を読み通して、この3点が、どれも、共通すると、うなづける。
今まで、素晴らしい文豪たちと、思って人物が、身近な人に思えるのが、不思議である
文豪でさえ、文筆が、進まず、それをどのようにして、言い訳をして、作品を遅らすか?・・・至難の業であるにも関わらず、難なく、遅らせる事を可にさせる。
恋愛、金銭、手紙の不作法、失態、等など、どのように、手紙を託したのか?
質素倹約的なイメージの宮沢賢治氏など、富裕層の実家が、親が援護していたのが、嘘みたいな「雨にも負けず」で、ある。
福沢諭吉にしても、親バカなイメージに程遠い人物に見えるのだが、この当時の父親にして、子供を溺愛していたのだと思うと、親密さを感じる。
第7章は、夏目漱石の言い訳が、書かれているが、それだけ、手紙を多く残した人だったのだと、・・・・
今は、年賀はがきもメールやLINEで、終了の時代。
我母は、当時でも珍しく、巻紙で、手紙をしたためたりしていた。
私は、母の足元にも及ばないが、数枚は、筆で、年賀を書いてみようか?と、思っている。
言い訳無し!で、・・・・(笑)
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タイトル含め、まとめ方、装丁は、なかなかにキャッチーですが、中身はきっちり文学です。稀代の作家たちの書簡には、そりゃ当然にその筆回しがあるってものです。でも、実際書簡とかって公になるもんなんですかね。その方の記念館とかに確かに展示なんかありますし、それも含め文学なんでしょうけど、現代の作家さんが編集者や友人・知人、恋人へのメールなんて、開示されることはないでしょう。生き様含めて文人であった彼らの紡ぐ文言は確かにそれ自体が面白いです。それは、解説、注釈により背景もわかり、ホントに作品になるなと感じました。
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歴史に残る文豪とあって、言葉使いが秀逸だった。語彙が豊富にあったのは勿論だし、人の感情の機微も察知できる?のではと感じた。
少なくとも私が使ったら大惨事になることは確か。
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作家たちの言い訳を集めて解説した本。
作家たちは言い訳もさすが美しくて、作品同様読ませるなあ、と思った。言葉をどう使うか、物の見方がどうなのか、一流の人たちはさすがだ。
そして、筆者の、作家への言い訳への評価が面白い。太宰の迷いは「正当なグズグズ」だったり、泉鏡花の言い訳は「きわめて上等な詐欺」だったり。素敵な表現であっても言い訳だからね。笑っちゃった。
でも一番衝撃的だったのは、中原中也の言い訳「一人でカーニバルをやってた男」です。
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歴史に残る文豪たちの様々な「言い訳」を集めた本。
二股を疑われた芥川龍之介の弁明、酒で迷惑をかけた相手への中原中也の謝罪、学費の援助を求めた若山牧水、デートの誘いを断る樋口一葉……。文豪たちが残したそんな様々な言い訳とそれに対する解説が載った本です。
出典は主に手紙の一部を切り取ったもので、有名になるとどうしてもこういう恥ずかしい手紙が後世に残ることになって少しかわいそうに思いますね。
この手の本にありがちな、ゴシップ的に煽るような文章ではなく、穏やかで優し気な解説がついており、言い訳をしている本人とされている人物の関係性などに思いをはせながらゆっくり読めました。
例えばただの借金の申し込みの手紙だとしても、文才のある人が書くと味わい深く、くすっと笑えるような文章に仕上がっています。こんな文章で手紙が来たら、ある程度のことは許してしまえそう。
ちなみに、解説にちょくちょく出てくるワードで「(実際の言い訳に)使えそう」というのがあるのですが、一般人には恐らく使えないですね……(笑)
唯一使えるなって思うのがあって、それが太宰治が友人と喧嘩した際仲直りの為に出した手紙のフレーズなんですが「私も、思いちがいしていたところあったように思われます」。思い違いしていた、は現実の言い訳としても汎用性高いので、一回や二回使ったことある方もいるのでは。
私が一番いいな、と思った言い訳は、若山牧水が手紙の無沙汰を旧友に詫びた時のもの。「何も書きたくも無い(中略)そんな時に強いて書いた手紙などは到底ろくな手紙じゃあるまいよ」。
おいおい、と思いつつも納得しちゃいます。それは、本当にそう。
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文豪たちの書簡での言い訳を集め、解説をした本。なかなかに興味深くもあったが、あまり参考にはならないものが多かったり、個人的には時代の違いもあるためか、失礼ながらあまり上手くもない言い訳かなと思えるものもあった。
その理由には、やはり手紙をやり取りする双方の関係性が大前提であるから、(勿論漱石が未知の面会者に対しての手紙も例外的にあるが)その関係性の希薄濃淡を知らない第三者が見ても、その真意や奥深さを解することは出来ないのであろう。
それにしてもその関係性を、多数の人物において分かりやすく解説している著者はたいしたものであることかな。
今でこそ手紙はメールやSNSに乗っ取られており、あらぬ表現で炎上したりすることからも、言葉の表現の仕方は今も変わらぬ大切なことなのだろう。
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人生最大のピンチ! 文豪たちは筆一本でこの危機を乗り切った。浮気を疑われている、生活費が底をついた、原稿が書けない、酒で失敗をやらかした……。窮地を脱するため、追い詰められた文豪たちがしたためた弁明の書簡集。芥川龍之介から太宰治、林芙美子、中原中也、夏目漱石まで、時に苦しく、時に図々しい言い訳の奥義を学ぶ。]
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人生、言い訳だらけ。
ってな事で、中川越の『すごい言い訳!』
サブタイトルが二股疑惑をかけられた龍之介、税を誤魔化そうとした漱石
かの超有名な文豪、作家さん達による華麗な言い訳集。
これ読んでると偉大な作家さん達の言い訳はある種、名言、格言へとなってるんじゃないかと
謝罪なのに上から目線な言い訳。
若い女性を誘うのに遠回しな言い訳。
お金を借りるのに嘘をついてお金を引き出す言い訳。
子供の粗相を他人の子供に擦り付ける言い訳。
泥酔の失態を自分ではなく、酒のせいにする言い訳。
流石に物書きのプロ!
自分に非が有るのに文字を操り相手に許されたり、要望を呑ませたり、逆にマウント取ったりと文字ネゴシエーターじゃね
言葉じゃ許されないじゃろうが、紙に載った文字に魔法を掛ける様な感じなんじゃろね(笑)
これからは言い訳は手紙で書いてやろうかな
2020年36冊目