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この本は NPO法人 セカンドチャンス!という少年院を出院した人たちが活動する組織の中で、16人の出院者たちの、少年院に入るまでの経緯と再生するまでの手記をまとめたものです。
読んでいて思うのは、犯罪に手を染めてしまう少年たちの生い立ちが、家庭不和や虐待など家庭環境が似ている点や、学校でのイジメなどによる“居場所の無さ”が不良グループへの傾斜や依存に繋がって非行が大きくなった点が共通しているように思います。
少年院送致と裁判で告げられた時、驚きはあるものの反省はしていなかった、という正直な感情も共通しています。だから、出院後もすぐに非行に戻ってしまい2度目(3度目)の少年院送致‥。
そこからどう立ち直っていくのか‥手記からそのきっかけが必ずどの少年にもあるのが読み取れます。原因は自分にあった、自分自身で変わろうとしないと変わらないんだと気づく、そして、苦しい時に寄り添ってくれた他者や家族の存在に気づく。そんな気づきの中で、糸を手繰り寄せるようにセカンドチャンス!という少年院出院者が集う会の存在を知っていく。セカンドチャンス!は彼らの拠り所となっていくのです。
拠り所があるということが、再犯をくい止めてるのがわかります。こういう組織があることを私も初めて知りました。
セカンドチャンス!を卒業する50代の元 少年院出院者の言葉が心に残ります。
『親がいねえとか、帰る場所がねとか、寂しいとか 、ガタガタ言ってても始まらねえんだよ ! 汗かいてねえじゃん。 カスだな お前!て、僕はいつも叫んでいます。 僕を嫌ってください。 でも、これがわかりはじめたら、ぜひ会いましょう! しっかり!』