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『ストーリーとしての競争戦略』の著者が、自身の血となり肉となった21冊を取り上げて、なにかリラックスした感じでそれぞれの本について綴っている一冊。
率直に言って、この著者の文体はワタシには合う。さらに言えば、ところどころに散りばめられる同世代的ギャグもかなりツボ。こういうのは嫌な人は嫌なんだろうなあ、などと思いつつあっという間の文庫本500ページ。
またこれで読みたい本が増えた…というわけで、21冊のうち既読の1冊を除いた20冊から、ひとまず2冊を購入。もう読む前から5つ星の予感大。
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ー 今の日本企業のグローバル化にしても同じことだ。それまで慣れ親しんだロジックが必ずしも通用しない未知の状況で、商売全体を組み立ててかなくてはならない。特定の決まった範囲での仕事をこなす「担当者」では手に負えない仕事だ。商売丸ごとを動かすことができる「経営者」が不可欠になる。
これまでも繰り返し強調してきたことだが、ビジネスに必要とされる「スキル」と「センス」、この二つは区別して考えたほうがよい。グローバル化との関連で耳目を引く英語力や異文化コミュニケーション力、人事労務や法制度の知識、こうした能力はスキルの範疇に入る。
グローバルのスキルをもつ「グローバル人材」がいないからグローバル化が進まない、と考えるから話がおかしくなる。未知の状況でゼロから商売丸ごとを動かす「経営人材」がいないからグローバル化が進まないのだ。 ー
楠木さんの『ストーリーとしての競争戦略』も面白かったが、本作も良かった。
単なる書評ではなく、その作品を通じて自分の考え、思いを語り尽くす。本当に為になるし、実際に紹介された作品を読みたくなる。
仕事のために読む。考えるために読む。休むために読む。
同じ読書虫として共感しまくりの作品。
特にグローバル化を語る『クアトロ・ラガッツィ』が超読みたい。16世紀日本へのキリスト教布教とその成果である天正遣欧少年使節団からグローバル化を論じる切り口が面白い。
なぜ宣教師は世界に出たのか(なぜ海外市場に進出するのか)?なぜ当初日本では成功したのか(グローバル化に成功するストーリー)?なぜ天正遣欧少年使節団は実施されたのか(成功モデルの演出)?なぜキリスト教は弾圧されるに至ったのか(グローバル化はなぜ失敗するのか)?
いろいろ考えさせられる。
あと出口治明の『直球勝負の会社』も読みたいなぁ〜。
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6章の石原莞爾についての考察が特に良かった。石原はナポレオンとフリードリヒ大王を思考の「極」として捉え自らの立ち位置、ひいては大日本帝国の立ち位置を模索する。ヘーゲルの弁証法やポーターのマトリクス分析等を思わせる石原の発想と行動力に感動。
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ストーリーとしての競争戦略が非常に面白く、同じ著者の本書を購入
まさに芋づる式で読んだ本書だが、この本の面白さはトリップにあると思う
著者が選定した本に書評を書いてるかのごとく、22冊の本と対話している様が想像できる
たまにストーリーとしての競争戦略の話も出てくるが、著者の考えや視座の高さを感じられたり、具体から抽象への振幅の部分も自分に取り入れられる可能性があるように感じられ
目線を合わせながら書いてくれている部分がまた共感を呼ぶし、個人的にも面白かった
巻末の出口氏の解説もまた面白く、文章の構成の仕方が素晴らしい
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楠木さんのベストセラー「ストーリーとしての競争戦略」を最後まで読めなかったが、その後もよく勧められるので、この日記を読んでテンション上げてから「ストーリーとしての~」に入ろうと思い、手に取った。
が、やはりダメだった。
起業して毎日戦略を考え続けている身なので、リスク取らない評論家の言葉ではシラケてしまうのだ。百も承知だ!と壁が聳えてしまう。起業が自分の人生というストーリーとして成立している(一人よがりだけど)。成功と言えるレベルではないが生活も出来ている。「バカな!(みんな真似しない、する気もない)」という争点で「なるほど!」というニッチなビジネスをスモールに成立させているわけだ。つまり潰れずに経営している者にとっては、当たり前なことを、なまじ文章力あるせいで読ませてしまうところにまた「消費させられている感」を受けてしまう。手垢のついたパターンで新曲や連続ドラマを焼き回してそれなりのヒットを飛ばすクリエイターと似た印象を受けている。
「成功ストーリー」というジャンルでは、本人が書く(ゴーストライターや優秀な編集者は関わるが)か、その企業だけにスポットを当てて分析・解説・ドキュメンタリー仕立てで深さを取るかしてほしい。
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経営学者の楠木建さんが厳選した本からの得られた戦略と経営の本質が書かれている。本は3冊並行して読み進めるなど、その読書量に驚く。ライフネット生命の出口さんは、ネット専業生保を考えつくも、「機が熟していない」と諦める。論理的に考えて正しいことであっても、風が吹いていなければ凧を揚げることはできない。「風が吹くまで待てばいいし、風が吹かないならそれもまた運命」。また、政治的な決断というのは妥協の芸術。選挙のときに「政治に経営者感覚を」という人もいるが、楠木さんはこれをあまり信用しない。政治と企業経営は別物。
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巻末にある著者の読書の楽しみ方が印象的。身体的、本能的に読書を楽しんでいる様が読んでるだけで本が読みたくなる(読んでいるんだが)。
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読書は、論理を知ること、世界観のデザインの仕方、そしてトリップできることかな。楠木先生の人柄がよくわかる
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取り上げられた本の半分は、ビジネス書ではない。著者は、「アクター高峰秀子さんの自伝」を最も影響を受けた本として挙げている。ここには載せてないんですけど。。。挙げられたのは、軍人石原莞爾「最終戦争論」、銀座の伝説「おそめ」、井原西鶴「日本永代蔵」、天才建築家・隈研吾の処女作、ジェンダー美術史家・若桑みどりさんの晩年の作「クアトロ・ラガッツイ」など。こららの文面下に流れるものを捉え、引揚げられた。ビジネス書は好きでは無いが、紹介されたビジネス書も読んでみようと思う。
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著者の「ストーリーとしての競争戦略」を読んで以来、
著者の本はずーっと気になっています。
(そんなには読めていないけど。)
ちょっとボリュームが多いけど、読みやすい語り口で、
示唆に富んだセンスをお持ちの著者の頭の中を知りたくて読んでみました。
※ストーリーとしての競争戦略
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4492532706#comment
この本は、そんなユニークな著者のチョイスした
本の書評(のようなもの)が読めるということで、
とても楽しみにしていました。
確かに選書がユニーク、何冊か読んだことがあったり、
知っている本がチョイスされていましたが、
ほとんどの本は聞いたことも見たこともないような本、笑。
そして、古い(絶版されているものも結構あります)。
それでも、著者特有の軽快な語り口で、
長々と自分の書きたいことを書いている、
そして時々「グッとくる」ようなコメントを残してくれる。
まさに、自分が著者に求めているよな宝石が
膨大に長い本の中に散りばめられています。
(もうちょっとシンプルにしてくれよ、とは思いますが。)
一番驚いたのが、単なる書評本ではなかったということ。
実は「ストーリーとしての競争戦略」をガイドするための、
ガイダンス的な立ち位置もあったということに読みながら気が付きました。
ですので、まず「ストーリーとしての競争戦略」を読んで、
理解を深めるためにこの「戦略読書日記」を読むのが一番、適切な読み方なような気がします。
(「ストーリーとしての競争戦略」は読まなくても、
まぁそこそこ楽しめるには楽しめますが、
やっぱり読んだ方が5倍くらい楽しめます。)
楠木さんの本が好きな人なら、この本もきっとヒットすることでしょう。
【個人的に気になった(かつまだ未読の)本】
・「バカな」と「なるほど」:
これは「ストーリーとしての競争戦略」にも紹介されていた本(多分)。
改めて読んでみたい気持ちになりました。
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4569820360#comment
・おそめ:
伝説の銀座マダムの本(ノンフィクション)らしい。
銀座のクラブには特に興味がないけど、
この本は面白そうだし読んでみたい。
それにしても、楠木さん、守備範囲広すぎる。。
https://booklog.jp/item/1/4101372519
・成功はゴミ箱の中に:
マクドナルド創業者(と言っていいのかな?)レイ・クロックの自伝。
この本は有名だから、前々から知ってたけど、まだ未読。
https://booklog.jp/item/1/4833418452
・直球勝負の会社:
この本は多分読んでないと思うけど…(記憶があいまい)。
岩瀬さんの「ネットで生保を売ろう!」(超絶名著!)を読んだので、
十分かと思っていたけど、こっちも読みたくなった。
https://booklog.jp/item/1/4478008876
※ネットで生保を売ろう!
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4163738908#comment
・クアトロ・ラガッツィ
これも完全に自分の守備範囲外。
ライ���ネット生命創業者の出口さん推薦の本らしい。
書評を読む限り、面白そう(でも読むの長くて大変そう。。)
この本からグローバル化が学べるらしい。
歴史からどう学ぶのか、とても参考になった。
https://booklog.jp/item/1/4087462749
https://booklog.jp/item/1/4087462757
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【星:4.5】
「この著者はほんとオモロいおっさんだなぁ」というのが読み終えての感想である。内容以前に著者の話自体が面白く一気に読み終えてしまった。
まず、この本を読む前に著者の「ストーリーとしての競争戦略」を読んだ方がいいだろう。そしていいと思えばこの本も楽しめると思う。
内容はタイトルどおり著者がこれまでに読んできた本の書評である。ただ内容のまとめ的な普通の書評とは違って、著者の専門である競争戦略論など著者の興味がある事柄からの視点全開での書評となっているのが面白い。なお、紹介されている本は著者の専門とはあまり関係のない本が多い。
こんな読書のしかたもあるんだなぁと感心しきりである。
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スキルとセンスの違いはなるほどと膝を打った。芸能にはまるで興味が無かったが、芸論や技巧書にもその裏側の論理や背景が楽しめるポイントと視野が広がり、読書の楽しみが増えた。
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特に最後の「センスと芸風」のところが良かった。スキルとセンスは別物で芸風は自分で確立するしかないというのはまさにその通りだと思う
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去年読んで、ふとまた読みたくなり何章か最近読んだ。
楠木さんが挙げる本のレビューを通じて、楠木さんの考える経営に関する考え方が綴られているが、とにかく面白い。あと最後のロングインタビューを見て、本当に本が好きなんだなーと思った。そして自分も読書好きでいていいんだ、、と勝手に肯定感を感じさせて頂いたのが1番大きな収穫だったと思います。
この本のお陰で今日『一勝九敗』を買ってしまいました。
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読みたかった感想は「日本の経営を創る」と「成功はゴミ箱の中に」。
読みたくなった本は「プロフェショナルマネージャー」。
年間300冊ほど読んで、普通の読書好きレベル、というご認識のようで、私など足元にも及ばない。