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伊坂節が爽快、サクサクと読めて普段あまり本を読まない人でも楽しく読めます
本筋に必要のないキャラやエピソードもありますし、伊坂節に慣れている読者にとっては新鮮味もないかもしれません
そろそろゴールデンスランバーみたいに臨場感のあるストーリーや鴨とアヒルみたいな衝撃のある作品も読んでみたいと思ったのも事実ですが、
少年犯罪という難しいテーマに対する家裁調査官の本音というのを垣間見えた気がしました
良作です
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チルドレン、読み返してからこちらへ。
もはや、オール陣内ワールドだね。
少年犯罪を扱った家裁調査官の話。重い題材だけれど、伊坂さんの手にかかれば、ふわっとパンケーキ並みに。
でも決して軽く扱ってる訳じゃないし、適当に見える陣内さんが時々鋭く、真っ直で。やっぱり、陣内さんに泣かされた。
悔しいな。
答えのない難問だから、安易に決めつけずに、ずっと考え続けなきゃいけないことなのかも。
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久々の伊坂幸太郎読了。
ビジネス書を多く読んでいたので、ここらで少し小説を読みたくなり手に取った。
軽快なテンポで、重いテーマを身近に描く。
正義って何だ。
悪って何だ。
うっかり人を轢いてしまった未成年は
悪人なのか?
けれども、筆者の答えは「子どもは悪者じゃない」なのだろう。
だからこその最後の被害者に関して明らかになった事実のエピソードがあるのだと思う。
そして、登場人物たちは男性が大半だからかとてもさっぱりしている。
分かりやすく爽快。
最近読んだ、辻村深月の女性を描いた小説とは対照的だ。
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陣内くんが、ふりまわすけど、
テーマがテーマだけに、
自分の中でも、何が悪なのか。善なのか、
考えさせられちゃうな。
たなぼたくん!頑張れ!!
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あらすじをなぞって「これは、私の大好きで大の苦手の伊坂ワールド全開、グレーゾーンを煮立たせたような作品だ!」とアンテナが反応し、久しぶりに読みたいと思い手に取りました。ただし恥ずかしくも、「チルドレン」という前作があることがきっちりと帯に書いてあったのにも関わらず気付きもせず。まさかの続編から先に読んでしまいました。ちなみに読み終わってみて、前作を読んでいないことで差し支えるものはありませんでした。だから、「とりあえずサブマリンという作品が読んでみたいと思ったんだ!」という人はこちらから読み始めても多分大丈夫です(笑)前作ありきの楽しみが用意されていたのなら、全くもって拾えていないでしょうけれど。また「チルドレン」も読んでみて答え合わせをしてみます。
さて、本作は家庭裁判所調査官という仕事に就いている人が主役の物語です。あらすじを読んでみてすぐに「読みたい」と思わされたもう一つの大きな理由に「家庭裁判所調査官」という今まで意識したことの無い職業がフィーチャーされていることもありました。成人してもこうも日本社会の構造について知らないなままでいられるものか、と自分の状態に日々がっかりしているので、少しでも知見を広められる良い機会だと思ったのです。
少年犯罪、特に未成年が人の命を奪ったような事件は、そのようなことが起きたこと自体に対するショッキングな印象が先行しがちで、問題の機微や世間・マスコミからして不都合な部分、それから少年たちが審判を受けるまでのプロセスや処分などの社会システムの在り方には光が当たらないことが多いのではないでしょうか。少年法の中身など知らないまま大人になったのだろうに一張羅に罪を犯した少年たちのことを非難するような人もいるでしょう。現実の街頭インタビューなどでその代表者のような人達を目にすることが出来ます。そのような人がモチーフかしら、という女性が物語の序盤に登場します。詳しく知りもしない少年のことをつらつらと非難する姿には正直読んでいて虫唾が走りました。無知と想像力の欠如と偏見と独善的な正義感と。その問題に対して更に辛辣に批判することも出来るところですが、本作はその点に熱量を注ぎません。騒がしい外野ではなく当事者たちに集中します。おかげで、読者の方も余計な声に気を取られることなく、あまり知ることのない少年たちの置かれる状況や実際に関わる人々の方に集中出来ます。
人の命を奪う行為は、全人類がシンプルに「アウト」だと判定するはずです。それは「罪」であり「罰」が必要だとして、恐らく全ての社会で法律により罰則を定めているはずです。でも、日本には死刑制度があります。正当防衛は罪に問われません。少年事件の場合の処分は罰則というよりは更生を目的としたものが主です。「ファウルゾーン」の問題を考え出すと頭が痛くて、法律の専門家でもなければ哲学の専門家でもないから、整然と考えるのはとても難しくて、やるせないものです。だからこそ、伊坂さんの物語は貴重です。理路整然とは考えられないけれど、読んでいる間は何か大切なものに触れられている感じがするのです。だから、後味の悪いお話しだと分かっていても、「良薬口に苦し」と、読み進���られるのだと思います。本作はそのような物語の中でも、マイルドな方です。温かみがあってとても気に入りました。
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斜めに構えた陣内さんの発言一つ一つ心地よく、何に、かわからないが納得し気持ちが軽くなる。
そのときの会話のテンポが好き。伊坂さんらしい
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サブマリン
それは果たして、
それだけの深い場所へと潜ろうとしてついた名前なのか
色んなことがある
生きていれば
色んな事件がある
外に出れば
誰かが何かに巻き込まれるし
誰かが傷ついたりいなくなったりする
悲しみと後悔と罪と罰と救いが
天秤のように波のように揺れながら
いったいどうすればいいのだろうと途方に暮れてしまう
一つ、私は勘違いをしていたのかもしれない
伊坂氏はものすごく残酷な世界を時として描くけれど
でも、それって、伊坂氏が悪いわけでなくて
(彼は絶対に優しい人だと思う)
社会がそういうものだから、
伊坂氏がそういうものを受け取っているだけでは?
と思った
動物虐待だって人が死ぬのだって
なんか後味の悪い感じとか悪い奴が出てくるのとか
そういう理不尽さって、あるじゃん、生きていれば。
いくらでも。
そういうものに何か救いってないのかな、と思う時
伊坂氏の物語は時に救済のように感じられる
ずるいよなって、いつも思う
死にたい消えたいもう嫌だ辛い逃げたい
そう思っていても、
「この世界って、思ったより悪くないかも」て
最後は泣きながら思っているんだから
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無免許事故を起こした少年には、近親者が昔死亡事故にあっていた。少年と過去の事故との関係は。自動車による死亡事故が絶えない昨今、加害者側の世界や論理についても考えさせられる。
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少年事件、主に交通事故を主体とした話
少年ネットハッカー小山田俊の
殺人予告を言い当てていくのも
現実的にありそうでおもしろい!
少年事件を担当する2人の刑事が解決していく中で、
その少年事件の被害者、目撃者、加害者が連鎖を起こすミステリー物語!
武藤さんという一般的な考え方の人ー主人公
と
陣内さんという破天荒キャラが
ツッコミを繰り返し会話のテンポが
面白い!
また登場人物もほとんどがなんらかの事件の目撃者、被害者、加害者と何かしらの事件に結局は巻き込まれる形の展開!
一つの事件が後につながっていくのが、
予測しやすくて面白い!やっぱりそうだったか!
そうなっていくのではないのか?と予測しながら
読み進めていく面白さが伊坂幸太郎にはある!
少年や学生時代を対象としたストーリー
家族が絡んでくる!
ので、家族の命と置き換えた時に
人の命の尊さについても考えされられる
故意な事件なのか意図してないのに不運の事故
故意的な事故でも未遂に終わる人
故意的でないのに事故して人の命を奪ってしまった
どちらが悪いかというと後者が世間的に非難されるが
内に秘めた悪の度合いでいうと前者が相当の悪であるが
処分は命を奪った後者の方が重い
世間の正当な判断とはどうなのか?
歪んだ社会
人の考え方
何が正解かわからないし
人生の選択、運命、縁や運や色々混じって
その人の人生が変わっていく
そして陣内さんのしょーもない言葉の中に秘められた想いや
大切な約束は何十年たっても忘れないで
諦めないでやり遂げる人間臭さがじーんとくる内容だった!
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世の中の常識、正義、悪、理不尽、矛盾とか、
少年の無免許運転事故と言う決して軽くはないテーマを
陣内さんが物語を完結に導いてくれます。
最後は不覚にもほろり、と。
陣内さん、約束覚えてくれてたんですね。
やったことは一生消えないし、穴埋めなんてできないし。
だけど、蜘蛛の糸というか、どうにか細い糸を手繰り寄せて生きていくんですよね。
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伊坂幸太郎の作品ではチルドレンが一番好きで続編のサブマリンを楽しみにしてました!
サブマリンは事故の加害者や被害者の友人の立場に立って考えさせられる作品で チルドレンに比べて少しだけ重いテーマのような気がしました。
やっぱり陣内好き!
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物語中で明確な答えのようなものを提示しないことで、明確な答えがないことが世の中にはたくさんあることを描いている。
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話の構成とまとめ方がうまい。
散らかして片付ける、だからとってもスッキリします。
洒脱な登場人物たちなので軽く感じるけど、
話自体はとても重いです。
罪、大なり小なり何かは皆が起こす中で、
いったいどうすれば良いのか。。
難しい問題です。
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常識的で平凡な武藤と、破天荒で本音で物言う陣内のコンビが最高に面白かった。
裁きには答えはない。善悪にも色づけできないのと同じように。
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チルドレンの陣内が帰って来たー
家裁の調査官である陣内という男。一見すれば破天荒で無茶苦茶でいい加減な事ばかりを言っているように思えるのだけれど、その行動と発言には愛が隠されている事は前作のチルドレンで証明済み。その愛は偽善や欺瞞などでは決してないのだけれど、かと言って犯罪を犯した少年や少女の力になりたいと陣内自身が真摯に思っている風にも見えず、自然にさらりとやってのけるのが陣内という男なのだ。
陣内の後輩である武藤と友人の永瀬は、そんな陣内にいつも振り回され、この人はなんなんだ、と呆れながらもそれでも陣内が実はとんでもなく愛に溢れた人だという事に気付いている。
未成年者による無免許運転の自動車事故を担当する陣内と武藤。自動車の痛ましい事故が多発している昨今、高齢者ドライバー、煽り運転、超過勤務、様々な問題が溢れていてこれからも自動車による事故は増えるだろうと感じる。自動車は便利で現代に於いて必要不可欠なものとなっているけれど、利便性と隣り合わせで私達の誰もがいつでも被害者や加害者になるリスクが潜んでいる。自動車を発明した人達は心を痛めているかもしれない。自分達が発明した自動車という文明の利器が沢山の人達の人生を奪ってしまっているー
陣内の自動車を発明したのはどうせ平賀源内だろう、という言葉に何故か救われた。
タイトルがサブマリンなので、陣内の事だから自動車は使わずに潜水艦で移動すれば良い、的な発言をするのかなと想像していたけれど違っていて、サブマリンは加害者達の罪悪感の比喩表現だった。誰かを傷付けた罪の意識はやがて薄れていき忘れてしまったかの様に思えても、それは潜水艦の様に心の奥底で潜んでいて、時々顔を出す。被害者や遺族の悲しみは癒える事はあっても決して消えない。だから忘れるな、許されるな、故意でなかったにせよ、致し方なかったにせよ、誰かを傷付けたという事実を決して忘れるな、目を逸らすな、と。
私は陣内自身が潜水艦なんだなと感じた。罪を犯した少年や少女の心の中に潜んでいる潜水艦。忘れかけた頃に顔を出し、少年や少女を正しい道へと導いていく。陣内自身にはそんな自覚は無いと思うし、もうそれは天性の素質としか言いようがない。面倒臭い事が大嫌いなのに面倒臭い事に巻き込まれ、そして誰かの救いになる。救ったという自覚も陣内には無い。救いたいとも陣内は思っていないかもしれない。自分がされて嫌な事は他人にしない、ただその信条だけで陣内は生きているけれど、それは自分がされて嬉しい事を他人にする、という事の裏返しなのだと感じる。