投稿元:
レビューを見る
【ホラーミステリーの旗手が贈る新シリーズ第二弾!】戦後復興の礎を志す物理波矢多は灯台守の職に就くが、またも怪異に見舞われる。森と海に挟まれた地で彼を惑わす奇妙な物語とは。
投稿元:
レビューを見る
あらすじや冒頭から思い描く内容をある意味大きく裏切る構成。
戦前〜戦後の灯台に関する入門書としても、壮大なる謎解き小説としても、大いに楽しめた。
そして、ホラーパートでは訳の分からないモノにひたひたと迫られる「三津田節」がこれでもかと炸裂。、
ホラーと本格ミステリの融合を図る刀城シリーズとはまた違った形のハイブリッドエンターテイメント。
投稿元:
レビューを見る
物理波矢多シリーズの第二弾。
今度は灯台守の職に就いた波矢多が、怪異に見舞われます。
白もんことは、何者か。
つきまとう白い人。
灯台長の経験との奇妙な符合。
怪異の中にも合理性をもたせる結末。
相変わらず楽しめました。
次回作も期待大です。
投稿元:
レビューを見る
今回は謎解きが蛇足に思えるほど。全編ホラーで押し切っちゃってくれた方が怖さがより後を引いて良かったのでは?
半島の先端になどの端っこを旅するのが好きなので、何か所か訪れたことのある灯台が出てきてゾクゾクしました。
投稿元:
レビューを見る
『黒面の狐』に続く波矢多シリーズの第二弾。灯台守になった波矢多が「白い人」の謎に巻き込まれる。彼自身が体験した奇妙な出来事と、灯台守の上司が過去に体験した出来事の、時を隔てた相違の謎を解くホラーミステリ。不気味な効果音の繰り返しで怖さが増してくるいつものパターンだけど、今回もゾクゾクさせられた。
ホラーミステリであるから、謎解きも本格ミステリの様に全てが明らかになる訳では無く、曖昧な部分も残る。それを不完全燃焼と思うか余韻と思うかで評価は分かれるだろう。私は『黒面の狐』の方が好きだな。
投稿元:
レビューを見る
物理波矢多シリーズ第2弾。
敗戦に志を折られた元エリート青年の物理は日本の復興を縁の下から支える過酷な職を選ぼうと決意し、前作の炭坑夫につづいて灯台守となる。しかし赴任地の轟ヶ埼灯台に向かう彼を待ち受けていたのは不可解な怪異だった…
ひたひたと迫る得体のしれないもの、山中の一軒家、見えているのに辿り着けない灯台。サプライズはあるものの前作よりホラー寄りな話で、怖さに引っ張られて読み進むうちに読み終わってしまった。
個人的には前作『黒面の狐』の方が好みだが、秘境の灯台と怪談という組み合わせはいい。
投稿元:
レビューを見る
いつ人が殺されるんだろうって勝手に思って読んだせいでなんかもう。最後バタバタバタっと謎解きだったな。灯台守の話は興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
「黒面の狐」のまさかのシリーズ第二作。物理波矢多シリーズ。あれはあれで終わりなのかと思ってました。刀城シリーズのように自分から物騒な怪異譚的なものに飛び込んでいくならともかく、普通に生きようとしている人がそうそうあんなミステリホラーなことにそうそうは巻き込まれないでしょう、と。いやまあでも好きだからその辺は大いに目をつぶらせていただきますが。
で、面白かったです。なんというか、最後がかなり駆け足になってしまってる感はありましたけども。
しかし、元々がかなり剣呑な展開ありありな背景なんだし、いっそ白もんこ使いのばあちゃんを殺害して・・という展開もありそうだなーとか思ったり。戦争を体験してそのあたりの心理的なハードルも下がっていたりしそうだし、そういう発想に物理くんが至らなかったのが不思議だなーと・・・あくまでも物語の中でのお話ですよ。個人的に殺人を肯定とかそういうのではありません。
刀城シリーズに比べるととぼけたコメディタッチなところがなくてちょっとホラーよりで好き嫌いが分かれるのかもしれませんね。最終的にオカルトありきの前提でのお話になってるところも。
投稿元:
レビューを見る
前回は炭坑を舞台にした不可思議な連続殺人事件だったが、今回は灯台を舞台にした不可思議な因縁話。
前回のような如何にもな連続殺人事件という派手な事件が起きない分、中弛みというか飽きそうになった部分があったのが残念。
前作での炭鉱夫から一転、今回は灯台守(正式には航路標識看守)として東北地方の轟ケ崎灯台に赴任することになった物理破矢多(もとろいはやた)が、灯台に行き着くまでの不可思議な体験と、灯台に辿り着いた後に聞いた灯台長の体験談と不可思議な因縁に気付く。
前作は「黒い狐面」だったが、今回は何かと「白」が出てくる。白い面を被った女、後を付いてくる白いモノ、白衣の森に白拍子の白子村、白神楽に白神…もう白尽くしだ。
本来なら漁船で灯台の麓に着けるはずが船長が嫌がり少し離れた港へ回り、そこから陸路で山に入り藪を漕ぎ、そうしているうちに夜が更けて、お誂え向きに怪しげな一軒家にたどり着く。灯台に早く着任しなければならないのに、なかなか辿り着けない。
しかもそこに辿り着くまでに何やら怪しいモノにずっと追いかけられる。
ようやく辿り着いてホッとしたのもつかの間、灯台長から聞かされた体験談にあまりの自分との相似点に気付いて不安にかられる。
つまり灯台長の体験談は破矢多の未来をも暗示しているのだから。
先にも書いたように、今作は前作のような殺人事件は一切出てこない。出てくるのは破矢多と灯台長、二人が体験した不可思議な出来事だ。
白いものに追いかけられ、見つめられ、先回りされる。
今回は前作と違って全面的にホラーテイストかと思いきや、終盤にははやり破矢多の謎解きが始まる。
しかしそれでも刀城シリーズのように物理的に説明が付くものと付かないものがある。
そしてその説明が付かないことにこそ、本当の恐ろしさがある。
破矢多が見たもの、聞いたもの、さっきまでいたモノは何だったのか。
「黒」「白」と来て、次は何色なのか。破矢多は今度はどこへ行くのか。そして何が待ち受けているのか。
投稿元:
レビューを見る
辺境の地に建つ灯台を舞台に、迫りくる怪異の謎を少しだけ解き明かすホラーミステリ。「黒面の狐」の続編ではあるけれど、こちらは完全にホラー成分の方が強いです。
大変魅力的な作品なのですが、なかなか読み進めませんでした。だって、厭な雰囲気が強すぎる……鬱蒼と茂った藪の中を、じわじわと追ってくる白い影。いつのまにかそこにいて、こちらをじっと見ている白い影。怖い。怖すぎる。怪異自体は存在するものとして、そのうえで明かされた「白もんこ」の正体が分かったうえでもさらにぞくり。結末もどうしようもなく恐ろしくって。波矢多は果たして逃げ切れるのかしら。
実在するであろう怪異のインパクトが強すぎて、ミステリ度はやや少なめだけれど。灯台を舞台にしたミステリが紹介されているのも読みどころかな。大阪圭吉のあの二作品は確かに面白かったなあ、と思い出しました。
投稿元:
レビューを見る
物理波矢多第2作目。
怪奇ミステリーを期待するのだが、今回は殺人事件はなく、怪奇色がほとんど。結局最後の結論もも行きつくところに行きついた印象が強い。
ただ、灯台長はどうなったのかよくわからない。
投稿元:
レビューを見る
前作より、はるかに超常現象感が……
あの事件!と全容が見えた時には感心した。
が、前作が私にとって傑作だったので、本作はちょっと肩透かし感。物理波矢多がもっと活躍するものを期待しすぎていたみたいだ。
内容も繰り返される感じが強く、面白いのだが緊張感が持続しづらかった。
が、次作ももちろん読みます。楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
前作の黒面の狐がホラーと見せかけたミステリだったから今回もそんな感じかと思ってたら、すごくホラーだった!
終盤に2作目にしてシリーズ終わっちゃうかと不安になるくらいホラーだった。
投稿元:
レビューを見る
炭鉱の次は灯台守として働く物理波矢多。そこでまた怪奇現象に巻き込まれるのだが…
ミステリ要素も少々あるけど、どちらかとホラー色強め。
個人的には前作の『黒面の狐』の方が入り込めたかも。
この後続きどうなるかは気になります。
投稿元:
レビューを見る
シリーズ一作目はホラーに見えるミステリーだったので今回もそうかと思ったら、ホラーに見える本当にホラーでした。
これを意外性があって面白いと取るか、肩透かしと取るか……それは読む人次第です。
読み終わった時、一番に考えたのは、この話はプロットの時点では2つあって、それをくっつけて1つの話にしたのかな?という印象でした。
二人の人物が年月がずいぶん離れているにも関わらず、同じ体験をしている……といった不気味さを出すにしても、後半は一種謎解きパートに入っている筈。
それなのに、体験を振り返るシーンがボリュームたっぷりで少々中だるみの感もあるので、これはもう2つの話がくっついたとしか思えませんでした。
そんな印象を抱いてしまったくらいの本作なので、全体的に不揃いな感じがします。
・前述のとおり。ミステリーに見えてホラーのままで終わる
・灯台守の話だから、新しい任地の灯台で怖い体験をするんだな!→任地に行くまでの話。ここからが本番じゃないの?というところで後半の人物にバトンタッチしてしまう。
・灯台の歴史部分の説明が重厚。灯台に詳しくなれる。灯台に関するレポートは興味深いけど、今この本で読みたい部分かといえば、そうでもない。
色々ネガティブなことばかり言ってしまっていますが、それでもホラーの表現はさすがの三津田さんです。
これでもかと(本当にこれでもかと)ホラーのシーンを入れてきてくれるので、恐怖に慄きながらも面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
読み応えのある一冊だと思います。