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マーベル映画フェーズ3までを振り返る
2019/08/25 01:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:モモタロウサムライ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今となっては信じられないですが、マーベル映画もエンドゲームに辿り着くまでに、いろいろな綱渡りをしてきたことが、よく理解できました。これからディズニーが絡んできて、さらに背景が複雑になりそうなので、次回作も楽しみです。
この本が気に入った方は、「アメコミ映画40年戦記-いかにしてアメコミのヒーローは日本を制覇したか-」を読むと、DC映画の背景も合わせてわかるのでお薦めです。既に読んでいる方が多そうなので、大きなお世話かもしれませんが。
新しいフェーズに入る前に読んだほうがいいと思います。
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あくまで映画批評が中心で、図版やスチールの使用は一切ないため、いわゆるアメコミユーザーに向けたファン書籍ではありません。
原作コミック、公開当時の記事やキャストのメディア上での発言、スタッフ・製作陣のキャリア解説、オーディオコメンタリー、背景となる(主に)アメリカの社会情勢など、多彩なメディアから広く情報を拾いつつ、それらをオタク的に網羅するのではなく、あくまで映画批評としての切り口を明瞭化するために取捨選択して提示する手腕がスムーズ。
『キャプテン・マーベル』まで21作のMCU映画を1本1本個別に評論しつつも、読み進めるうちにその総体として10年間におよぶマーベル・スタジオの趨勢が大河ドラマとして立ち上がって来るのが、あたかも単品映画を積み重ねて壮大なインフィニティ・サーガを創り出したMCUの姿と重なります。
図版を使用せず、権利元と距離を置いたいわゆる非公式本だからこそ、『リミックス』や『バトルロイヤル』といった馬鹿げた邦題改変にも苦言を呈していて好感が持てます。できれば吹き替えキャストの問題にも言及して欲しかったところ。
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MCU各作品について制作の裏事情や背景がきれいに整理・解説されててとてもよかった(描写や展開がおかしなところへの批判も含め)。
パティ・ジェンキンス版のソーやエドガー・ライト版のアントマンも、ちょっと観てみたかったな。
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時期としてはエンドゲーム直前に出たということもあり、そこまでの21作品のレビューがまとめられている。正直公開前に見たかったが、今読んでも面白かった。
裏事情を知った上でその作品を思い出すと、確かにと読みながら思う瞬間が多々あった。
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MCUの映画がどのような影響をもたらしてきたか、こんなに深く考察してる日本語の本は他にない気がする。
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MCUの舞台裏が、作品のクオリティだけを見ると信じられないほどドタバタであることがわかるのがよい。ドタバタを粘り強く調整するのは作品づくりにはつきものなんだけど、あのMARVELですらそうなんだと、ある意味では勇気づけられる。内容面では、「アベンジャーズ」1作目のNY決戦を、911と重ね合わせた読み解きが見事。MCUという希代のシリーズを、いま振り返るのにちょうどいい1冊だと思う。
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マーベル映画の作品ごとの良質な解説や制作裏話が楽しめます。会社としての一貫したビジネスのストーリーはあまり書かれていないので、あくまで作品の批評がメインです。あらすじが絶妙にまとまっているので、最新作を観る際の予習にも最適でしょう。
MCU(マーベルシネマティックユニバース)の一連の作品は相互の関連性を保つ必要から、個々の作品をゼロから監督や脚本家の好きなように作ることは許されません。毎度その制約に苦しんだスタッフが辞めたり、苦労が絶えない様子がよくわかります。
作品が積み上がるごとに難しさが増していきそうなMCUのシステムですが、後続作品をこれからどのようにまとめていくのか。本書の情報を下地に今後の展開を楽しみたいと思います。
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予算わずか140万ドル。倒産の危機に瀕したスタジオとドラッグで人生を棒に振りかけた役者が、無名のヒーロー映画『アイアンマン』で起死回生のヒットを飛ばす。
ここから、厳格な管理体制を敷くディズニーの下で、
無謀なプランだったはずの「マーベル・シネマティック・ユニバース」は拡大していく。
ときにスタジオと役者・監督との間で軋轢が生じながらも、 わずか10年でいかにして歴代No.1の映画シリーズとなったのか。
MCUは、映画産業を、映像表現を、どう変えたのか。
そして、映画のなかでヒーローたちはアメリカの"何"と戦ってきたのか。
アメコミ映画の第一人者・てらさわホークが、 『アイアンマン』から『アベンジャーズ/エンドゲーム』までのMCU22作品と、 マーベル映画がもたらした功罪を徹底評論する。
「アイアンマン」は、メリルリンチから融資を受けた制作リストに入っていなかったため、ケヴィン・ファイギ・プロデューサーが資金調達して、ロバート・ダウニーJr.はドラッグリハビリ後の復帰作というリスキーな作品だった。クライマックスの「私がアイアンマンだ」は、アドリブだった。
「インクレディブル・ハルク」でのエドワード・ノートン、「アイアンマン」シリーズの監督を2作めで降板したジョン・ファブロー、「アベンジャーズ」2作めで降板したジョス・ウェドン、「マイティ・ソー」2作めの監督に予定されていたパティ・ジェンキンスは制作途中で降板、「アントマン」制作途中で降板したエドガー・ライト、度重なる監督の降板の理由は、マーベルスタジオのマーベル・クリエイティブ・コミッティなる組織がコミックの世界観から映画版が逸脱しないように細かい注文してくることがマーベルスタジオと映画監督に軋轢を生じる原因になったこと。
ロキ以外のヴィランが魅力的じゃない、ストーリーの中で取り上げられるテーマが掘り下げられないなど、マーベルコミックの映画が抱える様々な問題。
「アベンジャーズ」のクライマックスのニューヨーク決戦、「キャプテン・アメリカ・ウィンターソルジャー」のインサイト計画、「ブラック・パンサー」の「国境に壁を作るのではなく解放を」に込められた意図は、現実世界で起きた無差別テロやスノーデンが告発した国家安全保障局の全世界規模の監視計画やトランプ政権の隔離政策が反映されている。
マーベルコミックの映画が作品というより商品という批判がありながら、多数の観客を惹きつける理由に、テロや文化の多様性など現実的な問題への問いかけが盛り込まれていたり、定型のストーリーに収まらず新しいストーリーを語ろうとする革新的な姿勢があるなど、マーベルコミックのアメコミ映画を見る時に新たな視点を与えるマーベルコミック映画評論本。
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最近のMCUはポリコレだなんだって言われてるけど、昔から世相を反映してるんだね。
原作コミックを全く読んだことがないので原作知識を紹介してくれるのも良かった。
監督や俳優の小話をするときに別の映画のネタバレ?的なことを挟むのがちょっと気になった。
エンドゲーム以降もこの人で解説読みたいのでぜひ続編待ってます