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やっぱり池上さん面白い。
これだけTVに出て、これだけ本を出していても、必ず新しい知識をきちんと盛り込んでいる。
「もう知ってるよ」と思っていたテーマにも必ず「ほう!」とうなるような深い知識をいくつか散りばめている。
やさしい文章で深い知識を語る本であると思った。
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◯AIには、例えばチェス等、特定の用途だけに使用できる特化型AIと、人間のように自律的に思考して様々な能力を発揮できる汎用型AIがある。
◯汎用型AIに期待をかける人は、2045年頃に人間の知性を凌駕するAIが誕生する、技術的特異点つまり、シンギュラリティが起こると述べている。
◯AIの著しい進歩は、人間の脳神経をシュミレーションした学習方法である、深層学習つまり、ディープラーンニングに支えられている。AIは過去のビッグデータから自力で解析して学習をできるようになった。
◯Siriの様な質問型AIは文章の意味を理解しているのではなく、文章に出てくる単語の組み合わせを統計的に処理している。この情報処理の手順をアルゴニズムという。
◯シンギュラリティが起こらなくても、文章の意味を理解しなくても務まる仕事はAIに代替される
◯ビッグデータを使ったAIは、データ自体にバイアスががかっていると分析結果にそれが反映されてしまう
◯私たちは、どうあるべきかという問題は、哲学や倫理学によって考えていかなければならない
◯日本政府はやっきになって、キャッシュレス社会を推進している。これは東京五輪にあたり、現金主義の不便な国だという印象を与えたくないから
◯増税に対してのキャッシュレスでの還元は経済産業省が旗振りを行なっているが、財務省は歓迎していない。なぜなら増税で見込まれる収入がキャッシュレス還元で余計に金がかかるから
◯仮想通貨のメリットは海外送金。一瞬で終わり手数料もほぼかからない。
◯ビットコインは10分ごとに取引結果を全員で共有、承認することで全員で監視する。それをずっと続けるというブロックチェーンと呼ばれる仕組みとなっている。
◯ブロック確定には複雑な計算が求められる。それを見事に成し遂げるとビットコインがもらえる。これをマイニングという。
◯新しく事業を始める際、株式の代わりに自家製の仮想通貨を発行して、メジャーな仮想通貨を出資してもらうICOがある。株式だと、上場するのに手続きが複雑だが、ICOは手続きが簡単で配当もいらない。
◯民族とは、物理的な特徴を有しているわけではなく、「我々は同じ民族だ!」という考えが共有されることによりせいりつする、想像上の共同体
◯人種とは、生物学的な特徴によって区別された集団。部族とは、血縁や地縁に基づいた集団
◯民族が生まれるのには、何らかの要因が必要であるが、とりわけ大きな要因は言葉
◯民族でも、ユダヤ人は例外。ユダヤ人とは、ユダヤ教を信じている人であり、ユダヤ教の母から生まれた子、という定義がある。ユダヤ教への改宗は困難。学科試験と実技試験がある
◯イスラエルの歴史、2000年前、パレスチナにあったユダヤ人の王国がローマ帝国によって滅ぼされた。ユダヤ人は故郷から追い出され散り散りバラバラになった。その後、パレスチナにはアラブ人が住み着いた。ナチスドイツのユダヤ虐殺により、ユダヤ人はかつての故郷パレスチナに帰ってきて、イスラエルを建国した。また2018年の国会で、イスラエルはユダヤ人の国であるという法律を可決した。
◯クルド人は独自の国家を持た���い世界最大の民族と言われている。かつては、オスマン帝国の中のクルディスタンという地域に住んでいたが、オスマン崩壊後、その地方は、イラン、イラク、トルコ、シリアに分割された。この分断をキッカケに、クルド人という民族意識が芽生え、イラクの北部の旧クルディスタン地域に自治区を作った。彼らはイラク戦争時にアメリカに大きく貢献した。クルド人の独立運動を行う武装集団をペシュメルガという
◯アメリカ大統領は過去の経過として、イスラエルとパレスチナ両方に自重をするように伝え、和解策を取っていた。しかし、トランプ大統領は2018年5月にイスラエルにあるアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転した。これはアメリカがイスラエルに肩入れするというメッセージ。
◯民族意識が宗教意識を乗り越えた例として、イランイラク戦争ごある。両国はイスラム教のシーア派だが、イランはペルシア人、イラクはアラブ人として両国は対立した。
◯中国はユーラシア大陸の一帯一路構想を描いている。陸路はシルクロード経済ベルト、海路は二十一世紀海上シルクロードとして、沿岸国にインフラを整備して、中国を中心とした経済圏を作ることを目指している。
◯中国の政策として、中国が主導して作ったアジアインフラ銀行(AIIB)の活用がある。やり方として、AIIBが融資して各国のインフラを整備。作成した国はお金の貸し手の中国の方針には逆らえない。そして借りた側はまだ経済が発展しておらず、金を返せない。そうなると整備したインフラは中国に奪われる。そういった流れになっている。
◯安倍政権は北方領土のロシアの不法占拠という言葉を使わなくなった。最近では帰属問題の解決ということを言っている。これはどちらに帰属するかを確定させるというニュアンス。四島返還は無理でも、歯舞と色丹だけはという思いになっている。
◯ロシアはクリミア半島の問題には躍起になっている。ウクライナがロシアの歴史に大きく関わるということまあるが、クリミア半島のセバストポリにはロシアの軍事基地があり、ここを手放したくないという思いがある。またウクライナは西側諸国の緩衝地帯にもなっているので、余計に西側にある着くのは上手くないと思っている。
◯中東ではイランとサウジアラビアの仲が最悪。アメリカはサウジアラビアについている。何故ならイランはイスラエルと敵対しているから。アメリカは政財界とユダヤ人の関係を考える上でイスラエルと仲良くしてしておきたい。
◯ポピュリズムとは、議論を尽くすより、大衆が喜びそうなメッセージを集めていく政治スタイル。トランプ政権やイギリスのブレグジットはこれにあたる。
◯イギリスのEU脱退の第一原因はポーランドからの難民問題。ポーランド人は、イギリス人がやりたがらない仕事をやるし、低賃金でも喜んではたらく。イギリスでは低賃金でもポーランド人にとっては高賃金。こうなると大量にポーランド人が入ってくる。さらにポーランド人がイギリスの社会福祉制度に乗っかることになる。そしてイギリス人の働き口が少なくなり、賃金も相対的に下がる。こうして不満が高まりEU脱退に繋がった。
◯しかし、イギリスのポピュリズム政党もまさか本当に脱退することになるとは思わなかった。実は脱退支持層は高齢者。若者的にはEUに加盟していた方が働き口も他国も含めて広がるし、移動の便もいいので、割と離脱に反対派も多い。しかし、若者はまさか離脱しないだろうとタカをくくり、選挙に行かなかった結果、国民投票で脱退が決定してしまった。
◯イギリスのEU脱退にあたり、問題になるのは、北アイルランド問題。北アイルランドはイギリスの一部。しかし、アイルランドは国としてアイルランドである。宗教的な問題でも北アイルランドはカトリックでイギリスはプロテスタントであるため、北アイルランドはアイルランドの一部になりたがっている。これの妥協案がEUだった。しかしイギリスの脱退により北アイルランドとアイルランドに国境が復活する。イギリスのメイ首相は、当分の間、アイルランド問題には国境を設けないとした。しかし、こうなると、ポーランド人がアイルランドを通じて北アイルランドに入ってくる。こうなるとそもそも脱退した理由が崩れる。
◯ポピュリズムであるアメリカのトランプとイギリスのブレグジットの共通点は自国ファーストという考え。
◯日本の憲法で今議論されている問題は2つ、日本国憲法はアメリカから押し付けられたものか、自衛隊は憲法9条に違反していないか
◯安倍首相は2015年に平和安全法制整備法を可決した。これにより、今まで個別的自衛権までしか認められていなかった憲法9条に集団的自衛権まで認めるという解釈になった。解釈により9条の内容を実質的に変えることになった。
◯安倍首相は9条はそのままに自衛隊の存在を9条に書き加えるという、自衛隊加憲論を提案。しかしこの加憲論に対して文民統制が逆転するという者もいる。自衛隊は防衛省の指揮下、防衛省は防衛省設置法という法律で設置されている。もし憲法で自衛隊の存在を記載すると、防衛省との関係が逆転する。極論的には、自衛隊は憲法で規定されていることを根拠に命令の拒否も可能になるのではないか?そうなれば文民である政治家が軍隊を統制する仕組み、即ち文民統制が逆転してしまうという説もある。
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安定の読みやすさだが、若干情報の寄せ集め感有りか?このくらいなら、知ってる人多いと思う。まぁ、地政学あたりは参考になったかな。
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著者の解説シリーズは分かりやすい。本書ではテーマを6つに絞り、現在の情勢を基本に立ち返って解説されていた。とても勉強になった。
欠点は、…これは著者が悪いのではなく編集部の問題だと思うのだが、「おとなの教養」というタイトルと本書の中身はミスマッチしているのではないかと感じた。その「教養」をどうやって身に付けるべきか、を説いているのだろうという期待を寄せるタイトルではないのか。まだ、前著『おとなの教養』なら、このテーマを学びなさいという趣旨を感じることが出来たが、残念ながら今作は期待を裏切る。その期待に応える本を著者はほかにも出しているから、そっちを読めばいい。
あと、中身の7割方は『知らないと恥をかく世界の大問題10』(角川新書)と丸被りしている。「知ら恥」が本書より2ヶ月後に出ているので、情報も少し更新されている分、本書は分が悪い。
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お金の価値は幻想だ、
今まで当たり前で疑問に思わなかったことを見直すことができる素晴らしい本だと思いました。
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2014年4月に発売された『おとなの教養』の続編
AIとビッグデータ、キャッシュレス社会、民族紛争、地政学、ポピュリズム、日本国憲法の6つのテーマについて書かれています。
どの章もとても面白かったです。
特に、AIとビッグデータ、地政学、日本国憲法の章は興味深くて勉強になります。
本当に分かりやすいです。
その時だけでも『もっと知りたい!』と意欲をかき立てられます(笑)
冷めないうちに次の本を読みたいと思います(笑)
参考文献のいくつかを図書館で予約しました。
あと、前作の『おとなの教養』を再読したいと思います!
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国内や世界で起こっている出来事の根本を理解できたと思います。理解できたというのは、原因があって今があると納得できたということ。日々流れてくる情報は出来事として知っていても、どうしてそうなったかまでは考えが及ばない。教養というのは、知ることの欲求を目覚めさるものではないかと。
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教養=リベラルアーツは、人を自由にする学問
リベラルアーツを学ぶことで、普遍的な考え方を身につけ環境に流されることなく自由に考えられるようになる。
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前作も名著であったが、今回はより「今」にフォーカスした内容。AIやビッグデータの欠点について、国や個人が翻弄される現代を学びました。他にも中国とアメリカやポピュリズムについても面白かった。
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前作に続いての教養の本。
教養とは「立ち止まって考える力」と池上さんは言う。自分としては、「ファクトフルネス」にもあったように、考えるために真実を知り、知識をもつということも教養の大事な部分であると思う。出来事には立場が違えば様々な側面がある。正しい知識といえども様々。情報は情報として知り、様々な中からどれが正いのか、過去の真実と照らし合わせながら自分なりに考えていくことも大事である。と思う。
今回はAIや地政学、ポピュリズムなど非常に学びが深まった。さっそく新聞を読んでいても、この本で紹介されていたことがらと関連することがあり、自分なりに考えることができた。
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1章のAIとビックデータについて。読解力、理解力の限界についてや、そもそも分析する元となるデータにバイアスがかかっていた場合全く異なる結論がでることなどから、人間を凌駕するAIが現れることに懐疑的な見方です。この本で語っているのは、10年、20年という短い未来でしかないことに注意が必要だと思います。
2章では、ただの紙やデータでしかない貨幣について。価値があるのは、互いの共同幻想から成り立っているという貨幣の説明から、3章の民族紛争についてつながっているのは、とてもわかりやすい。
国や民族というものは、お金と同様に互いにそうであるという幻想である、と。確かに、民族など明確に見分ける方法などなく、自分がどの民族であるか自覚から成り立っています。
また、5章の民主主義と選挙の問題点、ポピュリズムは大変勉強になりました。
最初から最後まで、とてもわかりやすく、面白く読ませていただきました。
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池上さんの本はいつも分かりやすく為になる。
他の本とダブル内容はあるけど、とても勉強になった。
教養を身に付けることで、ニュースに流されることなく、自分で考えられるようになりたい。
Kindle Unlimited
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前回は「今まで」を、今回は「今から」を学ばせていただきました。
先日話題になったカショギ記者の事も書かれており、少し興奮しました。地政学という、世界を分析するには新たな視点を得ました。
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最近流行りの時事ネタの概要をまとめてくれている。背景は何かから、相変わらず池上さんらしいコンパクトでわかりやすい内容だった。
また、その中でも印象に残りやすい具体的なエピソードを適宜挟んでくれるため、基本的な考え方に対する理解が促進された。
各トピックに対して、もっと進んで学習していきたいと思える本であった。
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文字通り池上彰が、リベラルアーツと呼ばれるものについて語った一冊。
いつもながらわかりやすくて勉強になった。