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今回も面白かったです。
とにかくとっちらかった情報?を少しずつまとめていく、
その道筋が面白かった。
テーブルの上に物が散乱している感じで始まるので、最初は何がなんだか分からないのですが、徐々に形が見えてくるともうのめり込みます。
多々良先生とても面白い人でした。
次は天狗ですね。来月が楽しみです。
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お尻の連発がおかしかった。“美由紀はお尻は平気だ。誰にだって尻はある。”の説得力ったらないし、あくまで事件の要として語られるのが二重におかしみを誘った。章のはじめも著者がお断りを入れているようでこれもおもしろい。「鬼」に比べたら厚いが、他の京極作品と比べたら非常に薄い。とちゅう、間をあけてしまい登場人物が混乱したが、読んでいるうちに整理できた。そうそう、お馴染みの顔ぶれに加えてあの多々良先生もご登場! 微妙な活躍具合を見せ、憎めない。分厚いほうの記憶がすっからかんではあるが、やはりこのシリーズだいすきだ。
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今昔百鬼拾遺シリーズの2作目。「鬼」に続いて「河童」である。タイトル通り「河童」についての談議が冒頭で繰り広げられるが、女子学生が黄色い声で河童談義を長々と続けているのは、いかにもリアリティがない。戦後間もない頃、という時代設定であったにせよ、女子学生がそれぞれ己の出身地に伝わる河童像や逸話を披露しあうとは思えない。この部分がそれほど長くなく、物語への導入として簡潔に語られたのならまだよかったのかもしれないが、いかにも長く続く談義を読まされると違和感を覚えるのみである。
物語は、薔薇十字探偵社の探偵と中善寺敦子が邂逅し、それぞれが追いかけている事件の話をすることで、互いの事件は呼応し、さらにそこに河童が絡んでくるというものだ。これらの事件を追いかけるのは、一作目に続き中善寺敦子と主人公の一角を務める呉美由紀だ。妖怪研究家の多々良も加わり、ドタバタ劇の雰囲気をまとって物語は進んでゆく。
一作目の「鬼」はそれほど際立ったキャラクターはいなかったように思うが、今回は薔薇十字探偵社の探偵である益田にせよ、やたらと喚く妖怪研究家多々良にせよ、いずれも賑やかだ。特異なキャラクターを持つ彼らの登場は、京極夏彦の真骨頂である(と思っている)京極堂シリーズを髣髴とさせる。懐かしさを感じながら読み進めることができた。
明治維新以来、打ち続く戦争の集大成たる第二次大戦(物語の中では「先の戦争」と表現されている)で日本は破れ、国内は混沌と化した。敗戦、降伏、GHQ占領という混沌とした社会の中で、どさくさで発生した事件が端緒となり、河童になぞらえた水死体が揚がる。尻子玉を抜くという河童にちなんで、やたらと「尻」にこだわりながら、事件は端緒となった7年前の宝石にまつわる出来事と関連し、それらの因縁を解きほぐしながら大団円に向かう。京極作品のいわば定番化されたプロセスであり、読んでいて安定感はある。
本作では、物語に戦後の社会問題となった事件や時代背景が織り込まれている。これらは奇想天外とも思える物語にリアリティを与えることに寄与している。第五福竜丸、差別、女性の社会進出……いずれも河童と絡み合いながら、大団円を迎えるための重大なパーツとなっている。冒頭の河童にまつわるガールズトークにしても、日本各地に伝わる河童伝承をまとめたものと読めば、河童に関する百科事典としての読み方もできるかもしれない。
返すがえすも、なぜ河童伝承をガールズトークの形式で語らせたのだろう。しかも、物語の冒頭で。内容が奇想天外なのは京極作品の特徴だし、テーマである「河童」が物語の通奏低音となっていることも理解できる。だが、これが仮に明治時代の物語だったとしても、さすがに15歳、16歳くらいの女子学生が河童談義をし合い、長広舌を繰り広げるであろうか? 本来は、このトークは中善寺明彦の役回りのような気がしてならない。
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「品のないお話」で面白かった!!
お尻に始まり河童で終わるって感じかな?
今回も薄くて軽かった!!
次は誰が出てくるのかな?
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タイガ→角川文庫→新潮文庫の連続刊行の、2冊目。
本編のスピンオフ的なポジションなので果たして本編を読んでいない人がどう読むか、というのが気になるなぁ。
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「今昔百鬼拾遺」第二作目。
とにかく“尻三昧”。“尻”という単語を出したいばかりに、話が若干強引になってる?ような印象を受けました。
まあ、怒涛の河童トーク等、楽しく読めたので良しとします。
ラストの美由紀の啖呵(?)はお約束なのかな。
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のっけから60ページほど女学生の尻話が延々と続くのがが、そこが一つのサビかと思われる。非常にたわいないもののじわじわと笑えた。尻子玉を抜くカッパの話が本作のシーム。尻に宝珠の刺青とかちょっと設定がナニな感じではあるが、それもまた楽しかった。ミステリのほうはというとかなり早いうちからわかってしまっているので、登場人物の会話が存分に楽しめる作品となっている。大変楽しかった、
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かっぱ カッパ 河童 。 頭の皿、鳥の嘴、亀の甲羅 。誰もが同じイメージだと思ってた。小倉トーストは全国にあると思ってたのと同じか?違うか。
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冒頭、JKが河童の話で盛り上がっているのはかわいかったが、事件自体の内容はそんなに…おっさん4人だか5人が集まってなんだかんだやっていたというだけで、しかも本人たちは登場せず全部伝聞や推測だからキャラが立ってなくて全然頭に入ってこない。誰々が水泳が得意とか誰々は良い奴とか言われても全然ぴんとこないしどうでもいいし。
肝心のトリック?はアクロバティックでまあまあおもしろかったが。でも死蝋ネタがデビュー作と被ってる。死蝋ってミステリーの道具としては便利すぎて多用できないでしょ。
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「今昔百鬼拾遺」シリーズの3ヶ月連続刊行祭り第2弾。
夷隅川水系に浮かぶ、下半身を露出した奇妙な水死体。呉美由紀と妖怪研究家の多々良が偶然に三体目の発見者となり、敦子は探偵社の益田から相談を受けた模造宝石事件との関連を探るために現地に赴く。
今回は敦子と美由紀に加えて多々良先生が登場。
女学生たちが河童の話で盛り上がっている冒頭の会話は面白かったが、事件はなかなかつかみどころがなく、ちょっと都合が良すぎる展開のような気はした。
それにしても益田くんはどんどんウザさに磨きがかかってきている…
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で、で、でた、出ましたよ!2匹、じゃなくて二人も。百鬼夜行シリーズのワキキャラ、卑怯にして誠実なバカオロカの益田龍一探偵助手と、超博学にして超鬱陶しい多々良勝五郎センセイの登場だ。沼上はどうした?あんたがセンセイの妖怪探訪に同行しなくちゃ、世間は混乱するばかりだ。いやはや、その混乱こそが愉快なれど。河童と云えば、そりゃ頭の皿と背中の甲羅、我が敬愛する小島功先生描く「かっぱっぱー、るっぱっぱー」の黄桜マスコットですわ。お母さんカッパ、色っぽかったなぁ。てなわけで(どんなわけだ?)、益田、多々良両氏が絡めば、連続水死事件もしっちゃかめっちゃか、仰天の自爆たんこぶ騒動で幕を閉じる。いや〜、まことにおめでたい。
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河童トーク笑ってしまった。かわいいなー。
あっちゃんと美由紀は好きなんだけど、ああ〜やっぱり出ないのね、と思ってしまう。
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品がないのです、この小説は。
ネタは河童ですから。尻子玉抜きますから。
このシリーズ、前作で中禅寺妹シリーズなどと称しましたが、ちょっと違います。中禅寺敦子が兄に代わって謎を解き、呉美由紀が榎木津の代わりに事件を粉砕するという趣向となっておるのですな。
前作『鬼』が昭和29年の春先で、いまは夏。『鵼の碑』と思しき「栃木の事件」は「事件なのかどうか、最後までわからなかった」ようなもので、もう解決したらしいのですが、今度は「東北の方の事件」がこじれているようなのです。それって『鵼の碑』のさらに次の作品ということでしょうかね。忙しそうな京極堂に相談するまでもない事件ということで、榎木津の下僕の探偵・益田が敦子に知恵を借りに来ます。
その前に、美由紀とその級友たちの河童とはいったい何なのかという談義がかなり長く続きます。いかに河童が各地で様々に伝承されて、ひとつに像を結ばないかを、まあ、作者は披瀝したいのですな。もっとも作者も、というか美由紀も述べるように、河童なんていないわけですけれども。そして、その話題のもとになったのが、連続の覗き事件、しかも男を覗く事件だというのです。
他方、敦子のもとにもたらされたのは、尻をむき出しにした連続水死事件の話。
お尻お尻なのでありますが、水死体はあたかも河童に尻子玉を抜かれて溺れたかのように上がってくるわけです。
舞台は浅草から房総半島の夷隅川に。河童に誘われて多々良先生が登場するので、にわかに話はコメディタッチになっていきますが、まあ、彼には何とか黙っていてもらいましょう。
ときに、敦子は第五福竜丸事件の取材に行っていたなどという話題が出てきます。なかなか発表されない『鵼の碑』は、福島原発事故にからむ内容があるので発表できなくなったという伝説がネットに流布しておりますが、「栃木の事件」=『鵺の碑』は第五福竜丸事件と同じ時期ですなあ。ここで作者はネット情報の信憑性を示唆しているのか、ネット民をさらに撹乱しようとしているのか。
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三か月連続刊行第二弾。今回も敦子と美由紀が中心で話は進みます。しかし前作より若干話も長く、その上益田さんと多々良さんが登場。あれ?話が長くなったのは2人の脱線が多いからか? ともかくそれぞれがそれぞれにいい味出していて、さらに河童に対する蘊蓄も楽しめました。
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300ページ越えをしているのにあっさり読み終わりました。きっと品のない話を面白く追っていたからでしょう。冒頭から女子高生たちの恋愛でも悪口でもない馬鹿話を盗み見てる気持ちになり、彼女たちが知ったら恥ずかしがるんだろうなと勝手に感情移入してました。