紙の本
おもしろい
2021/04/16 17:56
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
シンデレラの展覧会に行ったので、読んでみました。川田さんは、ギネス記録を持つほどのシンデレラコレクターとのことで、絵本だけでなく、多岐にわたって集めておられるのが、おもしろかったです。他にも、最古のシンデレラのお話のシビアな内容にも驚いたり、とじこみ付録のウォルター・クレインのミニ絵本に喜んだりと、シンデレラ好きには、とても楽しめる内容でした。
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1000点以上から厳選!誰も見たことがない貴重なコレクションの数々を紹介。世界中で愛されるシンデレラの新たな魅力が満載。(e-honより)
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ギネス世界記録にも認定されたシンデレラコレクターである著者の、膨大なコレクションをオールカラーで楽しみつつ、より深く「シンデレラ」を味わうことができる素敵な一冊。
ディズニーによるアニメ映画「シンデレラ」の影響力を語ったうえで、そのシンデレラの軸となったシンデレラ譚についても知ることができる…それだけではなく、絵本を始めとした様々なコレクションから、シンデレラがどうして世界中に愛されてきたのかを多角的な視点から読み解いていく。
充実したコレクションを眺めながら、気軽に読むことができ、シンデレラという大きな物語に愛着が湧いてくる。
巻末の綴じ込み絵本は、本書の中でも紹介されていたウォルター・クレインによる素敵なシンデレラ絵本を全て堪能することができるもので(終わりの方に物語の日本語訳あり)、満足度も高い。
シンデレラ好きな方にはぜひ一度読んでほしい夢のような一冊。
本書は全5章(+付録の綴じ込み絵本)で構成されている。
一章ずつ感想を織り交ぜながら紹介させてもらう。
Chapter1 シンデレラ・ヒストリー〜シンデレラ物語の誕生〜では、シンデレラ物語の構造や基本的なキャラクター(登場時物)たちの各シンデレラ譚でどのような役割を果たしているかなどを示していきながら、世界に広がっている数々のシンデレラ譚を紹介し、「シンデレラ」について深掘りしていく。
個人的には、シンデレラ絵本に描かれる、シンデレラが舞踏会に行くときに着ているドレスの変遷を取り上げているところが新鮮で面白かった。
とある絵本のたった一枚の挿絵から、シンデレラのドレスと王子様の服、そしてガラスの靴を再現した写真や、完成に至るまでの経緯をみると、感動ものである。
一番文字数が多い章で読み応えがあり、シンデレラについての知識欲が満たされる。
先日「シンデレラの謎」という著書を読んだのだが、本書で取り上げられているシンデレラ類話はこの「シンデレラの謎」にほとんど全てあらすじが掲載されているので、類話により興味を持った方はぜひこちらの書籍にもあたることをおすすめします。ちなみにこの書籍の著者である浜本隆志さんは、本書の監修もされており、監修としてあとがきも書かれてます。
続いてChapter2 シンデレラ・ワールド〜絵本で見る世界のシンデレラ〜。
この章が本書のもっともオリジナリティが光るところであり、見応えがあるところだと思う。
ページ数も一番多い。
著者が集めた世界中のシンデレラ絵本を国別に紹介している。英米の絵本がほとんどを占めており、他にも日本や中国、ベトナム、ヨーロッパ各国などなど、さまざまな国々の絵本が紹介されており、個性溢れるシンデレライラストに目が奪われる。
たくさん印象深いシンデレラがあったのだが、なんとミッフィーをこの世に生んだディック・ブルーナによるシンデレラ絵本のイラストが、個人的にものすごく記憶に残った。
ほんとにたくさんのイラストレーターがシンデレラの絵本を描いたのだな…と改めてシンデレラという物語の波及力を思い知らされる。
Chapter3 シンデレラ・カルチャー〜文化に溶け込むシンデレラ〜では、シンデレラがあまりに有名すぎるがゆえに生まれた、さまざまなシンデレラを元にした企業広告やおもちゃ、小物、コミックなどを紹介している。
立体絵本やボードゲームなども見ていて面白いが、一番印象に残ったおもちゃは、福笑いの要領で、足を差し出すシンデレラの足のイラストに靴をいかにぴったり履かせられるかという海外のゲーム。
いろいろ考えますね…おもちゃ業界の人。
今でもシンデレラの知名度は抜群。シンデレラを元にしたCMやポスター、コミックはこれからもたくさん生まれてくるんだろうなぁ、と思いました。著者が集めたコレクションだけでもかなりの数ですが…
この章で出た話題だったか記憶が曖昧だが、ディズニー映画のシンデレラのドレスの色が青であることに触れ、映画公開当時のアメリカでは、今とはイメージが逆で、赤が男の子、青が女の子の色という認識が主だったのが意外で印象に残っている。本題からは逸れるのだが、本当に意外だったので…シンデレラのドレスにも現れているように、時代は変わるものですね。
Chapter4 シンデレラ・パフォーマンス〜パフォーミング・アートとしてのシンデレラ〜
この章では、シンデレラをベースにしたオペラやアイスショー、ミュージカル、映画などを紹介している。
映画に至っては、白黒切り絵で出来た映画(ワンシーンだけ掲載されていたが、繊細で美しくとても見てみたいと思った)など、世界各国で本書で紹介されているだけでも何本もシンデレラを元にしたものがある。著者によると、現在では再生できず未確認のフィルムも含めると、シンデレラの映画は他にもあるだろうとのこと。
いよいよシンデレラ人気すぎません?
これだけ大量にメディア化されても失われない話題性…世界中で語り継がれてきただけある。
Chapter5 シンデレラ・レッスン〜人生が輝くシンデレラの魔法〜
最後の章です。
絵本によって細かい文章や展開の違いがあるシンデレラ。
それら多くのシンデレラ絵本を読み集めてきた著者が厳選するシンデレラから学ぶ名言がいくつか掲載されている。
また実在のプリンセスの紹介もされている。
去年崩御されたエリザベス女王を紹介する項目で(生誕年〜)の表記になっているのを見て、ああそうだ、この本が出版された時にはまだご存命だった…と歴史が変わったことを実感した。
また本題から逸れましたが。それにしても若かりし頃のエリザベス女王美しい。
他にもダイアナ妃など、まさにシンデレラと呼ぶにふさわしい方々も紹介されている。
名言だけでなく、シンデレラという物語の主軸から学ぶところがあるよと教えてくれる章でもある。
最後に。
本書を出版しているPHP研究所での本書紹介ページも素敵なので紹介する。以下そのリンク。
https://www.php.co.jp/cinderella/
この紹介ページでは、内容紹介だけでなく、一部試し読みもできるので、ぜひ興味のある方はこちらも見て、本書を読むか検討の一つとしてほしい。
それ抜きにしても素敵なホームページで感動。
長くなったけど以上です!