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この本を読んで、子育てをしたい!と思う方は、どのくらいいるんだろうか。
いつも、こうしたテーマの話になると「労働基準法を変えればいんじゃね?」って思うけれど、果たしてそうだろうか。
サマータイムもプレミアムフライデーも、日本人にはなじまないように、きっと法律を変えたって(例えば、法律で一日の労働時間を短くしたって)日本人は働きまくる。
じゃあどうすればいいか。
日本人は、グレーゾーンが苦手だ。このままでは、生きるには専業主婦(主夫)もしくは正社員のいずれか選ぶことを迫られる。というか、迫られている。誰かがいないと生活が成り立たないような、そんな制度になっているからだ。誰もいなくても生活が、社会が回るシステムとか、お金と引き換えに誰かがやってくれるシステムとか、そういうのがないと、やっていけない。後者はお金がある人はいいし、実際そうしたサービスはどんどん増えている。でも、制度を利用できる人が、「世間体が…」と言って利用しない。前者はどうだろう。前者のシステムになるには、自立を前提とした制度が必要だ。
今の日本の制度は、自立を阻害するような制度になっている。扶養が特にそうだ。103万の壁と、130万の壁。逆転現象は特にダメでしょ。現在の自営業の保険を見てもわかる通り、会社員と比べると、圧倒的に不利。特に正社員。組織に属している、というだけで特権階級。
わたしは自由に生きたいから、世間体とか、専業主婦を選ばざるを得ないといけない状況とか、そんなことはまっぴらごめんで。でも働き続けると言っても今の世の中共働きで子育てなんて自分がキャパオーバーになるなんてわかってる。さらに、自分の生い立ちのことも含めると、家族を持ちたいとかそんなことも思ってない。だから結婚にもそんなに興味がない。
専業主婦を選ばざるを得ないのは、制度がそうなっているからだ。それを女性が担うのも、男性が当然のように働くことを選ぶのも、制度が前提となった世間体だ。日本の男性の育休制度は、世界が誇るほど素晴らしいものだ。それなのに、その利用を阻むのは、世間体だ。(おのれ世間体…!)ニワトリか卵か。制度ができた時は、一億総中流と言われた社会だった。格差社会の今は、それに合わせて制度を見直さないといけない。幼児教育の無償化が、果たしてその役割を果たしているのか?全く果たしてないわけではないかもしれないけれど、今着手すべきがそこなのかどうかってこと。
制度として扶養に入った方が生活しやすいのであれば、誰だって扶養に入りますよ。そしたら当然、扶養に入っている側が、どうしても立場としては弱くなる。いくらジェンダーがどうのこうの言ったところで、制度が、国が、力のある側の味方をしている。女性が子育てをするのは当然なのに、男性がちょっとでも子育てに関与すればイクメンと言われる。女性が家事をするのは当然なのに、男性が家事をすれば家庭的と言われる。女性が電車で子どもを泣き止ませられないと非難される。働くママ、と言うわりに働くパパ、とは言わない。男性は働かないとヒモと言われるのに、女性は専業主婦という立派な職業になる。
労働基準法をどうにかいじったところでこの国は変わらなさそうだし、保険制度をいじる方が、実態と合う気がするんだけどな、なんて素人ながらに言ってみる。
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家事負担がすごいという現状は非常に伝わった。
私はまだ学生なので身近ではなかったので、特にしんどいと感じてしまった。
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話題になってたので、読んでみたが、なかなかの読み応えだった。妙なリアリティ。細密に取材したのだろう。問題提起しているが「なぜ」には答えていない。女はしんどい。つらい。わかってよ、っていう結論。
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専業主婦前提社会が保たなくなってきているとして、どうすれば良いのかの分かりやすい処方箋は本書にはない。ある主夫の「自分の時間が欲しかったから」に激しく同意。3歳の壁、小1の壁、小3の壁、中一の壁、とこれからも壁ばかりみたいです。。。保育の質は重要。今の保育園は悪くないけど体力的には物足りない感じなのかもなぁ。学童ってどんなとこなんだろう?もしかしたら学校選ぶより大事かもしれない。学童イヤとか言われたらと考えるだけで恐ろしい。。。まぁ、そのときは自分が時短勤務しますかねぇ。期日は全部午前中にして、あ、IT化すれば家でできるじゃん!!素晴らしい。
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タイトルに一言で答えるなら、女性が過剰に家事育児を担い疲弊しているから、これに尽きる。
様々な論文やデータ、インタビューを元に構成されているが、学術的というより著者の強い思いも時折感じられ、何度も頷きながら読んだ。
親世代の丁寧な育児に縛られたり、夫のおふくろの味に縛られたり。便利家電が出てきても変わらない家事時間。
日本の女性は頑張りすぎている。
じゃあどうすれば良いかというと真新しい対策が出てくるわけではないけれど、現実を認識するのには良い本。
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書名通りのためあらすじ割愛。
現在子あり専業主婦の立場で、いずれは働きたいと考えているので、共働き、専業主婦どちらに関しても非常にためになりました。専業主婦については、自分では言語化できなかった部分を説明してもらえて、そうそう!と納得しました。
共働きに関しては、子供が大きくなるにつれて生じる問題が次々とあり、正直いつになったら働き出せるのかと不安にもなりました。
そして実際働き出したとしても、社会の構造上、主人に家事育児の一部を担ってもらうことは不可能なのだと絶望しました。
何度脳内でシミュレーションしても、全ての負担が自分にのしかかる姿しか想像できません。主人は保守的な人間なので、私が働きに出るまでに劇的に社会構造が変わることを強く願います。
子供が生まれてからは働きに出ていませんので、ワーママの実態について知ることができ、参考になりました。
自分で言語化できなかった部分は「sentient activity」という言葉です。ケアが成り立つために必要な「感知すること」「思考すること」。
この概念を知ったことは私の中では画期的なことでした。文中の例でもありましたが「料理をする」という一つの家事について、主人に任せた時は本当に単純に「料理をする」という事だけしかしませんが、私が日常の家事の一つとして「料理をする」となった時、その背景に冷蔵庫や日用品の「在庫を確認」して何日分かの「献立を立て」「買い出しに行き」、子供のお迎えや子供に割く時間配分を気にしながら、そこでやっと出てくる「料理をする」、その後も、調理後の「洗い物」「配膳」など…。たった一つの「料理をする」という家事をこなすだけで、言い出したらキリがないほどさまざまなタスクが生じます。そしてそれらが所謂「名もなき家事」にあたるのだな、とここまでは私の事前の知識の範疇でした。
更に「sentient activity」を加えると、献立を考える時に子供や主人の状況や好み、いつ買い出しにいけるかといった感覚的なマネジメントが加わります。
「こうした「sentient activity」を通じたマネジメントを女性ばかりが担っており、その状態から夫など誰かに作業を委ねようとするとかえって言語化する手間が生じること、マネジメントが目に見えない活動ゆえにその困難を男性に理解させることが難しい」(p.44)には激しく同意しました。
なぜ主人に料理を任せても私自身の負担が思ったより減らないのかがよく分かりました。
なぜ自動調理器やお掃除ロボットを導入しても家事の負担が思ったより減らないのか、本書を読んでとても良く分かりました。
そしてこれらの負担を確実に減らすためには、社会全体の構造を大きく変えていく必要があるのだとよく分かりました。
まだ私が働きに出ることが可能になるまで数年あります。それまでに社会構造が変わるとは到底思えないので、自身でできることを探していこうと思います。
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家事労働について考えさせてくれる。
今後の日本で生活していくためには、家事労働の負担軽減を真剣に考えないといけない。
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しんど、と言いながら最後まで読んだ。息子によれば、読みながら何度も、しんど、と言っていたらしい。
仕事をめぐって、家事をめぐって、子育てをめぐって、様々な角度からいかに女性がしんどい状態に置かれているか、これでもかこれでもかと畳み掛けてくる。断片的にはネット記事などでよく目にする内容ではあるのだが、この本の価値は、がんじがらめになって悪循環に陥っていく様を体系的に論じている点にあると思う。
しかし、論理的に説明されればされるほど、違和感が残るような気がする。それは、ジェンダーが文化と切り離せないという視点が欠けているからではないだろうか。
ジェンダーは文化そのもの、とも言える。ジェンダーから役割や振る舞いというものを切り離そうとすることは、文化そのものを破壊することに繋がっていくのではないか。
そして、今よりもっとジェンダーや公平性に配慮したきめ細かな制度は作れるだろう。でも、その制度を運用しようとして更に息苦しい世の中になっていくのではないか。
しんどい。
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“家に専業主婦の妻がいる男性“だらけの職場で正社員として勤務しつつ、激務の夫に頼れないで、小1の壁に苦しんでいる今こそ読まなくては!と手にとったものの…
社会構造の問題点が分かりやすく論理的にまとめられてはいるけれど、具体的に私達子育て世代が役員世代にどのように働きかけていくか、どのようなサービスや公的支援を利用していけば良いかといった解決策の提示は一切なく、ただただ、辛い事実が羅列され、こんな世の中で子育てとか無理ゲーじゃんと、絶望的な気持ちになります。
確かにタイトルも、''なぜしんどいのか''であって、''どうすればしんどくなくなるのか"じゃないもんな。
そしてなぜしんどいのかを理解していて欲しい"制度をかえていく側の人"は絶対読まないよなーこの本。
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なぜ女性は仕事で上り詰めることができないのか?
なぜ家事がこんなにしんどいのか?
保育や学童はこれでいいのか?
など。
・sentient activityを通じたマネジメントは女性ばかり担っていて、その状態から誰かに作業を委ねようとするとかえって言語化する手間が生じてしまう。
・「もしかしたら自分だって選べたかもしれなかった選択肢」と比べての「相対的」な不満「相対的剥奪感」
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分析がしてあるのかどうか分からなかった
でも、対象は興味ある、自分のことだから、ここから何か読み取って生かしたいが・・・
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"手料理がうまくないと女性として失格、というような世間の見方もぜひやめてほしい。結婚披露宴でのファーストバイトで「一生美味しい料理を作ります」みたいな司会も、芸能人の結婚会見で妻の料理で好きなものを夫に聞くのもやめてほしい。料理をするのは女性でも男性でもいいし、その在り方もさまざまに変化していくものだろう。"(p.123)
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ぼんやりと感じていたことが明確に言葉になり確信に至った感覚。
いまだに強く根付く専業主婦前提社会によってみんな疲弊している。
働く母親…長時間残業前提の企業戦士並みの働きをしないと一人前と認められず悶々とし、十全な育児ができてないのではと思い悩む
専業主婦…閉鎖的な空間で家事・育児のすべてをひとりで担わなければならない、専業主婦がしなくてはいけない事柄が膨れ上がり脱せなくなる
また専業も働く母親も選んだ選択肢に自信がなくどことなく後ろめたさを覚える
男性…男女の賃金格差が大きいので、家計を支えるという任務から抜け出せない
では専業主婦前提社会を変えればいいのでは?といっても、この社会は社会全体のシステムが複合的に絡み合って成立してるのでそう簡単には変えられない。
(女性に不利な雇用制度、社会保険制度、家族同伴の転勤、ケアを外注できない風土など)
その時々のライフステージによって様々な役割をこなしそれが社会的に意義があると見なされきちんとキャリアに繋げる。なにより幸せなキャリア人生を送り、子どもに「働くって楽しい」と思ってもらう。そのために何をすべきなのか、なにからてをつけるべきなのか、。
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飛ばし気味に読んだ
たくさんある、○歳の壁
ギグワークを新しい選択肢として残しているものの、高い能力を持った人に限られるとか、社会の構造が変わってもできるか、とか課題も残してる
男の方が、自分自身のキャリアをどれだけ周りと柔軟にできるか
緩やかな階段; きつい期間をやり過ごしてその後キャリアを築けるように
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なにか課題があるにも関わらず当事者たちが「自分で選んだんだから」と自己暗示をかけることで、
本当は改善されたほうが良い既存の課題含みにシステムは放置され、ときに強化される可能性もある
再生産労働
共働き家庭が、喉から手が出るほど欲しているはずの「子どもとの時間」。長すぎると持て余すが、短すぎると渇望する。その二極化に親が四苦八苦している。
フルとパートの間くらいの働き方→ショートフルタイム
専門性が高く高所得を確保できる個人はギガエコノミーの経済圏でも活躍できるが、低技能層にまで拡大していくと、懸念もある。