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・コンストラクタル法則:万物はより良く流れる形に進化する
・より多くの、より容易な動きを求める衝動をもっている。
・より有利なかたちで一緒に流れるために協働する。
・大きいものは、効率的で速く遠くまで行ける。小さいものは、それほど効率的ではなく遅く短い距離しか移動しない。
・人間は、水の流動系の一つ。地表でより多くの水を動かす。
・「流れに乗っている」時に気分が良い。物理的な動きこそが生命。
・階層制は、不平等と誤解されている。階層制は、自然に発生する。階層制は、生命の進化と存続のために良い。
・少数の大きなものと、多数の小さなもの。
・自ら動くものなどない。強いられるから動くのだ。
・何かが広がるときには「S字形」を取らざるを得ない(遅、速、遅)
・優れたアイデアは伝わり続ける。
・大きいものと小さいものは敵対関係にはない。両者は一体となって流動する。一緒に動いた方が動きやすくなるから。
・知識は、一方通行で自然に広まる。知識(デザイン変更)は人間を動きやすくするからであり、より大きな流れに向かっていく傾向は自然で普遍的だからだ。
・「良い」アイデアとは、動きを促進するもの。
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コンストラクタル法則は、プリゴジンの説に対抗して提唱しているというが、非平衡が構造を作るという観点では同じような説といえるのではないか?
このような学説は、大きな考え方をまとめようとしているので、やや飛躍感や思い込み感を感じてしまうところはあるが、化学工学、熱力学を学んできた身としては、生きているということは非平衡ということや、現象の特徴を捉えたモデリングにより現象を大きく捉える考え方はとても納得感があり、また、自分も身近な例でモデリングを試みてみようと思った次第である。
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○コンストラクタル法則:新しい考えや拡散はS字カーブ(最初、遅く、次には速く、最後に遅く)
○流れは速く太いものと細くゆっくりしたものからなる(階層性)。
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著者は本書で、生命とはなにか、進化とはなにか、そして死とはなにか について答える。生命とは、進化とは、より少ない抵抗で流れようと変化する「流れ」であるとする。そこには変化する自由が必要で、変化する自由を失ったときに生命を失うとする。ここでいう生命とは生物学的な生物ではなく、著者のいう万物を支配するコンストラクタル法則における変化する流れのことである。
ということをとにかくややこしく、寄り道しながら回りくどく説明する本。生物と無生物を超越した視点で生命と万物の法則が説かれている という賛辞がちらほら見られたが、個人的には読む労力と長さの割に、得られたものが少なかった(もちろん私の読解力と忍耐力の不足が原因だが)本である。
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基本的な考え方やアイディアには見るべきものが多々あると
思うのだが、思いついたように話が飛ぶ、同じ事を何度も
繰り返す、わかっているだろうと省略するというトンデモ本
によく見る特徴があまりにも多く損をしていると思う。特に
この本は前作で共著をつとめたサイエンスライターが抜けた
せいか、その点が際立っていると思う。コンストラクタル
法則に通じた誰かに「通訳」してもらうような本が望まれる
ところかな。少なくとも前巻を読んでいればこの本は読む
必要がないと思われ。個人的には「言葉の解釈の問題」に
似てお約束をどの点におさめるかということのような気が
している。
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べジャン氏2冊目。
前作よりは難解だった。やはり、生物も無生物も元は同じだから同じ法則が当てはまるのは理屈としては理解出来るのだが、政治だったり、スポーツだったりかなり無理くり感があり、個人的には納得出来なかった。
さらに突如数式が現れ、ポカンとさせられる。図解があり理解を促進しようとはされているが、難解過ぎて置いてけぼりに遭う。数式の難解さと、前作より飛躍した事例に興味が失せてしまった。
と、難点ばかり上げてしまったが、こう言った常識にとらわれない、新しい観点を持つ事が大事、と言う事はよく分かった。
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『ファクトフルネス』みたいに分かりやすさ重視もいいけれど、たまにこういう難解なのも読んでおかないと、読解力が維持できない気がして、紀伊国屋の科学書コーナーで発見・購入。
ある法則(一つの見方)で色んなことが説明できるって本を昔から都度都度に読んでいる。岸田秀の唯幻論とかお気に入りだった。
著者のコンストラクタル法則自体は、生物学や水文学をかじっていれば、ロジスティック曲線など目新しいことはないものの、すべてのデザインは流れを止めないようになった結果であり、止めなかった生物、社会、組織が発展する、という見方がポイントと思う。この前に『国家はなぜ衰退するのか』を読んだのだけれど、主張が似ている感じだが、自然界の法則を人間社会まで演繹するのはちょっと無理があるかな。昔の東側で育った人だから、束縛されない社会の大事さを訴えたいのかもしれない。
それにしても難解。分かりやすいテーマもあるけれど、熱力学の図や数式で説明されても、説得されないのは知識が不足してるから?それとも他の書評で見るように話しが飛びすぎなのか?『流れとかたち』から先に読むべきだったかも。
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かなり面白い本だが読み解くにはそこそこの教養が必要だ。
生命、富、テクノロジー、スポーツ、都市、政治についてマクロ物理学で読み解こうと試みた本だ。
大胆な試みだと思うしそこそこ納得したり考えを新たにしたところもあるが理解しづらい所も多かった。
「最適化」はエンジニアにはつきものだが物理的な自然現象にも当てはまる。もっと言えば人間社会も物理現象の一つだ。そこの感情が入らない物理学論としては興味深い。
コンストラクタル熱力学は地球にあるものを「流体」として捉える。
階層制は不平等ではない。それは動物世界だけでなく河の流れや木の幹と枝の関係に似ている。中心と末端という構造を取る事により最適に機能すること事となる。
だから階層制と多様性というのが両立するのだという概念がないといけない。マクロとミクロは違う。末端器官の目や耳より体幹部が偉いわけではない。小動物は大動物の縮小板ではない。よく言うグローバルとローカルの対立構造もナンセンスだ。
富はエネルギーとも言える。エネルギーのないところに富は集まらない。エネルギーのないところに富を集める道理もない。
最適は工学的概念だが結局時間軸で変化していくものである以上その時々の最良のものという限定でしかない。成長と進化の概念について理解が必要。
成長はある流動構造の存続期間中に受ける変化でS字カーブ。進化はその時間軸ではない。
成長と進化の概念の違いを理解する為には死を理解する必要がある。成長が平衡に達するのが死であり生まれ変わる事が出来ればさらに成長はあり得るのだ、