投稿元:
レビューを見る
朝から夜まで喫茶店をフル活用している街といえば名古屋。
名古屋の「モーニング」の充実ぶりは有名だ。
そんな名古屋に喫茶店を紹介しているのが今回の本。
著者は「名古屋のフリーライター」で、名古屋情報を発信している。
名古屋発のコーヒーチェーン店「コメダ珈琲」でおなじみのオマケ、豆菓子。
名古屋の喫茶店では当たり前のこのサービス、発祥は名古屋だが港区のヨコイピーナッツが昭和36年に始めた。
「ピーナッツの薄皮をむく自動脱皮機が開発され、生産力が10倍にアップした。そこで、従来からのお菓子屋だけでなく喫茶店にも売り込むことにしたのです」と、横井慶雄社長は語る。
喫茶店側も競争の中で売りが欲しかったので、ちょうど良かったようだ。
ピーナッツの塩気と油分は、苦味が強い名古屋のコーヒーの口直しにも合う。
東京などに定着しなかったのは、コーヒー屋はコーヒーを出せばいいのだからというストイックな反応が多かったそうだ。
そしてマンガ喫茶のシステムも名古屋発だった。昭和50年代に「延長料金制」が名古屋で生まれた。
コーヒーのお供のピーナッツと違い、コーヒー1杯で粘られてはたまらない店にとってこの名古屋方式はいいシステムとして、10年以上かかって広まっていった。
昭和レトロの喫茶店から平成にオープンした喫茶店までいろいろ取り上げている。
それぞれの店の名物、店の雰囲気、店を切り盛りしている人たちも紹介している。
名古屋の喫茶店をハシゴしたくなったなあ。