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大学のサークルで箏に触れた。
その後ふと、本も読んでみるかと思いたち、大学図書館で『おもしろ日本音楽史』(釣谷真弓、東京堂出版、2000年、絶版)を借りて読んだところ、なんにも知らなかった! 一冊読むだけでも勉強になるな〜、と思ったのだった。
が、ほとんど覚えておらず、また箏と三味線について確認する必要があり、同著者のこちらの姉妹版のような本を図書館で借りた。
現代の邦楽が抱える問題をテーマにしている。
第1章 コト・琴・箏
第2章 おこと「箏」について(歴史編)
第3章 おこと「箏」について(楽器編)
第4章 アジアの箏・民族音楽体験記
第5章 三味線
第6章 尺八
第7章 邦楽界のいま
邦楽の演奏経験があってもなくても楽しめると思う。
地歌は、上方の人々が「土地の歌」という意味で用いた名称だとか。
2002年度に、中学の音楽の授業で必ず和楽器を習得すること、と文科省で決定したそうだ。
本書の内容からずれるけれども、地域の子ども向け無料お箏講座を横目に、気になっている点がいくつか。
基礎が大切ななかで、無料でどこまで?(ボランティアで地域の演奏家を集めても、流派が異なると子どもは混乱すると思う。爪の形と座り方から演奏技法まで異なるため)
無料と有料の境はどこか?
まず邦楽人口を増やすために、地域でボランティアをして種をまくということなのだと思うけれど。
箏や三味線にはメンテナンスなどにお金がかかる。
お金のかからない音楽があるのか?
楽器が演奏しづらい世の中(貸部屋も音出し禁止)になってきている。
生活の中で楽しめる音楽がいい、精神性や集中力を高める音楽もいい、でも、入っていける音楽にするにはどうしたらいい?
本の内容からそんなことまで考えたり。
でも、日本で生活するのなら、日本という土地にうまれた音楽に親しみたい、親しんでほしいと感じる。