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『普通はこうだよね~』とか、
『○○じゃないなんて、変だよ』とか
私たちの周りには、さりげなく自分の価値観を押し付けようとする言葉が大量に飛び交っている。
価値観や常識なんて人それぞれだし
あれこれ言ってくる人は、言うだけで責任なんてとってくれないのに。
主人公の春子さん(39歳独身一人暮らし)は、
相手にそんな言葉を投げつけられても
ふんわりと受け止めてしまう。
私なら例えその場ではニコニコしてても
心の中では『お前の顔なんて二度と見たくね~!』とか
思ってしまうような場面でも。
春子さんは相手の考え方を否定しない。
『そういう風に思うには理由があるのだろう』と考える。
いいな、私もそんな風に相手のことを決めつけないで
考えられるようになりたいな。
まだまだ修行が必要だ。
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つまんなかった 何かあるのかと我慢しながら読んだけど 最後まで つまんなかった。
大家さんとは言え 他人 入り込み過ぎ。あり得ない関係
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限られた空間に住まう人々。全く気にならないわけではないが、近すぎるのも考えもの。この距離感でこの住まい形態だと関係と距離を保つのが難しそうだ。
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全くバラバラの年代の女性3人のご近所さんのお話。
誰もが自分の価値観を正しいと思って生きているから、それにそぐわない人を見ると攻撃したり、あるいは善かれと思ってお節介を焼いたりしてしまうことがある。
でも、わたしが何をして何を選ぶかは「わたし以外のほかの誰かが決めることじゃない」
「人といっしょにいるにはエネルギーがいるから、一人の時間にそれを貯めてる」人もいれば「一人で過ごさなければいけない時間のために、賑やかにしてたくさん力をもらう」人もいる。
人は一人一人違うってことを分からずに自分がいいと思うことを押しつけてしまったり、相手に分かってもらえてるはずと思い込んでいたり‥‥そんなことに気付いて、このご近所さんの3人、これからも仲良くやっていけるんだと思う。
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*住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作! *
普通、ってなんだろう。
子供がどうしてもほしいと思ったことがない春子に対して、「自分は親に育ててもらったのにそんなこと言うん、人として普通じゃないでしょ」「しかもそれを隠さんと人に言うってどうなん?」と責める若い沙希。
え、そうなん??そんなに責められること??
もし、自分がこれを言われたら相当ショックだと思うけど・・・春子のふわりとした返答に救われた。
普通とかあたりまえとか、押し付けずに、お互いゆるゆると受け止められたらいいのにな・・・
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"「その子がね、なにがいちばん腹立つって、自分のために彼女は犠牲になった、って書いてたことや、って。わたしはなにひとつ減ってない、どこもおまえのためになんか使てないわ!って叫んでました」"(p.291)
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いつも比較的冷静に、でも何かが違う、自分とは違う価値観を押し付けられた、というときに感情が動く。
『机の上の書類を上司に投げつける映像が、春子の脳裏に鮮やかすぎるほどに浮かんだ。それから、いや、違う、と思った。書類も椅子も机もひっくり返して、わあああーっと思いっきり叫びたい。うん、それや。』ここはドラマなようにシーンが浮かんだ。
大きなことは特に何もないけど人生の中にある出来事がでも確実にひとりひとりの人生に波風を立てている。何もなし得てないかもしれないけど、きっとそんなことなくて、もっと自信を持ってもいいと考えるようになれた主人公が良かった。
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まとめた世間の声をくっきりとした発言に変えて話す、オブラートという概念のない人たちが多いという感じ。
そのために読んでてもやもやイライラすることも多かったが確かに言葉選びが上手。まんまとイライラさせられた。春子が紅茶の店で頭の中で反論してるところとかその上手さがスッキリと出ている気がしてよかった。自分がうまく言葉にできないことをわかりやすく的確に言葉にする人が好きだと思う。
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性別、年齢を超えた人同士の「違い」を描く物語だった。
主人公は人に対してあまり主張しないタイプの人。もどかしく感じる部分もあったが、自分と似てるので親近感を覚えた。
主人公がゆかりさん、沙希といった多くの人と付き合う中で、自分を客観視していくように見えた。物語の展開的にそんなふうに感じた。初めは感情の波が少ないようだった。(物語の展開もそんな感じ)だんだん主人公が感情をあらわにするにつれ物語が動いていく。終盤になるにつれ主人公のその人らしさが浮き彫りになっていく感覚がした。
会社の同僚、沙希、ゆかりさんなど周りの人からの言葉が主人公との違いを浮かび上がらせ、展開していった。
また、家族とのつながりを意識させる場面もあった。子供のためと思って対面を保っていたのに、かえって逆効果だったり軽蔑されてしまったり。親の理想を押し付けるあまり子供が窮屈に感じている描写がよくあった。
子と親の距離感はどういう形が心地いいんだろう。自分も将来子どもを育てたいと思ってるのもあって、深く考えさせられる内容だった。
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いつもみたいに、真面目なのかふざけているのかよくわからないような軽妙なやりとりでクスリと笑わせてくれる柴崎さん独特の面白さがなく、あれ?と思ったのだけれど、読み進めていくうちに登場人物たちの世界がどんどん深まっていって、気付いたら私も一緒に母屋でお茶を飲んでいるような気分になっていた。
どこにでもいそうな、誰にでもどこかには共通点があるような人たちを、ここまで緻密に描ける筆力に圧倒される。まるで画家。鮮やかでにぎやかな一枚の絵を端から端までじっくり解説してもらいながら観ていた気分。堪能しました。
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のんびりひとり暮らしをしていた主人公が、ひょんなことからご近所付き合いが始まって…というお話。
マイペースなひとり暮らしの日々を描いているのは嫌いではないのだけど、300ページ強を読み進めるのにはちょっと単調だったかも。
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還暦過ぎと氷河期世代とゆとり世代、三人の女性たちがひょんなことから関わり合っていく。
この小説のフィクションで割り切れない感じ、「正しい人生」の定義や見本がない現実と鏡合わせだからかな。
立場が個人を透明にしたり、人それぞれ大事にしていることが違ったり、善悪に絶対がなかったり、誰でも過ちを犯したり…。
自分の歩みを信じたいから他人にも押しつけたくなるし、異なる価値観を否定したくなるんだよなあ、と思った。もちろん自戒とともに。
語りが大阪弁ですいすいとリズムよく読まされるけれど、ふと気がついたら思考が深いところまで潜っているような、不思議な物語だった。
立ち止まって考えたいときに、また手に取るかもしれない。
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一軒家の離れを借りてのんびり一人暮らしをする 39 歳の女性。
夫に先立たれたあと、大家として母屋に越してきたばかりの 63 歳の女性。
そして裏の家で新婚ほやほやの夫と暮らす 25 歳の女性。
世代、性格、価値観、どれもまったく異なる3人の女性。噛み合わない中での近所付き合いを通して、自分を見つめ直しながら築く心の交流を描くヒューマンドラマ。
◇
会社勤めの春子は 39 歳の独身女性。人づきあいが苦手でマイペースなひとり暮らしを始めて 10 年になる。趣味は消しゴムはんこ作りだ。
ある時、母屋に1人の女性が転居してきた。還暦を迎えた2年前に夫に先立たれひとり暮らしになったゆかりである。ゆかりは 63 歳になるが、裏手の家にはゆかりの甥が新婚の妻と住んでいるという。
妻は沙希というまだ 25 歳の女性。優しく頼りない夫とは対照的に無遠慮で常識に欠けるところがある。
大家でもあり、1人暮らしの寂しさを紛らすためもあってゆかりはちょくちょく春子を食事に招く。
気遣いながら人と会話することの苦手な春子だが、うまく断ることもできずに招待を受けるうちに……。
* * * * *
他人との距離感。人によって異なるものでしょう。
大事なことは2つ。それは、自分が平安でいられる間隔を知っておくことと、相手のパーソナルスペースをむやみに侵害しないことです。
主人公の春子はそれをよく弁えていました。ゆかりは時々暴走して距離を詰めすぎるところはあるけれど、気づけば改めることができる女性です。だから2人のやりとりは好もしい。
特に共感するのは最終話のやりとり。
「友人との時間は楽しいがエネルギーを使うので、1人の時間で充電している」という春子に対し、「1人でいなくてはいけない時のために、友人との時間でパワーをもらう」というゆかり。
互いに理解しあういいラストシーンだったと思います。
また、生き方についても距離感同様の弁えが必要です。けれどそれが最もできないのが沙希で、むやみに他人に突っかかっていました。
生育環境に同情の余地はあるにしても、自分は絶対に仲よくしたくない人物です。
春子の両親やゆかりの妹にしても、世間的な規範に寄りかかった、時代遅れとしか思えない言動が多い人たちで、春子タイプの人間にとっては、必要以上の接触は避けたいと思うのも無理ないことです。
ただ、そんな人たちの多くが悪気のない好人物であることは、春子ぐらいの年齢になると経験上知っているでしょう。
だから春子と同じく、不器用だけれど特に人嫌いでない自分にとっては、苦笑しつつも楽しめもする作品でした。
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居心地良く暮らす女性のご近所ネタあれこれ。こうあるべき論を無邪気に、いや、多分悪意を持ってぶつけてくる隣人に、落ち着いて対応する主人公。偉いなと感心する。見習いたいと勉強になりました。
悩みながら生きているの、考えを押し付けないで、と叫んでいるような話。私には届きました。
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ネガティブな感情描写が多く読んでいて気分の良いものではなかった。モヤモヤするだけで、結局は著者の価値観押し付けられてる感じがすごく不快だった。主人公含めて登場人物全員が嫌な感じだった。こういうのは現実の世界だけで十分。