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サウジアラビア、オアシスに住む住民の生活と50年での変化。
I ベールの内からみるー「みられる私」から「みる私」へ
II 住まうー暑い乾燥地の快適空間
III 装うーカラフル、リサイクル、リバイバル
IV 暮らすー生存ともてなしの知恵
V 来し方、行く先ー一人ひとりの個性
・エピローグ
引用文献有り。掲載標本資料リスト、執筆者一覧有り。
サウジアラビア西部に位置する、ワーディ・ファーティマ地域。
その企画展の解説書です。
木と緑に恵まれたオアシスの住民の生活を、半世紀も前から、
長期調査した日本人女性の文化人類学者、片倉もとこ。
彼女の調査を基に、50年後のその場所を訪れ、50年という歳月が
生活をどう変容してきたを追跡調査により明らかにしています。
基本的な衣食住と、遊牧から定住での変化。
井戸が配水車や水道に。女性の華やかな外着は黒が主流に。
多様な利用法があったナツメヤシの今は。
そして個性溢れる装飾で彩られた飾面、ブルグア!
ベールの内側から見る世界は、外側から見られるよりも自由度が
高い・・・そんなサウジアラビアという国の一端を知るうえでの、
良い内容でした。