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めがねを掛け替えれば見え方が変わる。荻上チキさんの多様な視点からのエッセイにヨシタケさんの挿絵が光る1冊。
昔はこう思っていたけど、「それってこうかも?こうなったらいいな」など荻上さんの考え方の変容が見られて、読みながら「そういう考え方もあるな」と
自分の引き出しも増えるような本でした。
荻上チキさんは、テレビやいじめ関連の著書から、かなり鋭い印象を持っていましたが、このエッセイはいい意味でその鋭さを崩してくれました。自身が子供の頃に受けたいじめ、病気のこと、乗り物が苦手な話、家族(母や子供)の事など荻上さんの人となりを形作る物が見えました。
特に印象に残ったのは、
「女の子の生き方」(最近のプリンセス事情)
「人生病リハビリ中」(うつ病について)
「呪いの言葉に向き合う」(家族だったら、男だったら、女だったら…。属性につきまとう言葉)
「母の思いと僕」(母が学力至上主義な理由は…)
「生きづらさを取り除け」(規格外な生き方)
NDC 914.6
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ヨシタケシンスケさんのイラストに惹かれて手に取った本です。評論家の荻上チキさんのことはこの本で知りました。私もディズニー映画は割と好きな方なので冒頭でディズニープリンセスから女の子の生き方を語るところからとても共感して好感を持って読み始めました。決して堅苦しくなく、わかりやすい語り口調で語られるので、なるほどなぁと感じることが多かったです。過去にいじめにあったり、うつ病を経験されたりした辛い出来事も人生のマイナス要素にするのではなくて、同じようなことで生きにくさを感じている人達に寄り添うことか出来る糧にしている所も好感が持てました。ポーランドのアウシュヴィッツを訪れたり、韓国の安重根義士記念館や日本大使館前やナヌムの家など実際に足を運んで自分の目で見て自分の耳で話を聞いた上で、戦争について、差別について、人権問題について考えてご自身なりの答えを見出しつつも、決して押しつけではなくて、こういう考え方はどうだろうか?と提案する所も好印象で受け入れやすかったです。将来は弱者や少数派と言える人たちも生きやすい多様性のある社会になって欲しいと思います。ヨシタケシンスケさんのイラストも期待を裏切らないユニークさで何度も笑顔になりました。とても癒されました。
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自分と似たところがある著者なので、親近感をもって読んだ。例えばゲーム好きな子供で、ゲームを通して学んだこところとか。
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「みらいめがね それでは息がつまるので」
荻上チキ ヨシタケシンスケ(著)
2019 5/24 初版第一刷発行 暮しの手帖社
2020 7/6 読了
荻上チキのエッセイの巻末毎に
ヨシタケシンスケの絵エッセイが描かれている魅力的な本。
初めて知った荻上チキって男の容貌を検索して
「あー確かに理屈っぽそうだ」と納得。
(ぼくは理屈っぽい男が嫌いだ)
素直に共感したくないんだけど
共感してしまってちょっと悔しい。
ヨシタケシンスケの絵があるのとないのでは
評価が断然違ってくるよね。
ヨシタケに救われたなチキ。
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『暮らしの手帖』連載時からのお気に入り。単にチキさんの大ファンという。。個人的なことのさらけ出しが読者とのつながりを感じさせてくれる。ヨシタケさんの絵があまりにもほっこりする。
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イラストが可愛く素敵な装丁だなと思った。
生きていると、いろんな人や物から影響を受けるのだけど、そのどれもを信じて受け入れ過ぎてしまうと苦しくなってしまうこともある。
この本の中で一つのキーワードとなっている自分にとっての「呪いの言葉」について考えてみると気持ちが楽になるかもしれない。あの時あの人に投げかけられた言葉は自分にとって「呪いの言葉」だったんだと気づくことで、生きやすくなれると思う。
荻上さんの母親とのエピソードには胸が熱くなった。
ヨシタケさんの考えさせられるイラストも楽しく、何度も読み返して見たいと思う。
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チキさんの著作を読むのは初めて。ヨシタケさんの挿絵目当てで読んだら、挿絵というより7コマの絵本みたいで楽しめた。呪いの言葉の5~7コマ目みたいのがヨシタケさんらしくて好き。
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ふだん、あまりエッセイは読まないのですが、
いろんな活字に溺れたようになっていたので、
ちょっと息抜きのつもりで借りてきました。
ヨシタケシンスケさんのイラストも、借りる決め手です。
歳を経たことや、コロナ禍。
いろんなことが重なってどんどん視野が狭くなっていたようです。
自分ではない誰かの見えているものをこうして見せてもらえると、自分は自分でいいのだ、と逆説的に思うことができます。
「母の思いと僕」
「『呪いの言葉』に向き合う」
が特によかったです。
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タイトルとヨシタケシンスケに引かれて図書館で借りてみた。みらいめがね、というなんだか明るい未来を予想して、明るいエッセイかと思っていたけれど、相反するものだった。タイトル、内容、ヨシタケシンスケがそれぞれ独立したもの感じられ、しっくりこなかった。
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とにかく荻上チキさんとヨシタケシンスケさんワールド。荻上チキさんの、物事の表面だけを捉えるのではなく、世の中を常に疑い目でしっかりと見つめる姿勢。話の終わりにちょっとユーモアたっぷりなヨシタケシンスケさんの絵は、くすっと笑ってしまいます。
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生きづらさ、いじめや離婚などのもろもろ重たげなテーマのエッセイとヨシタニシンスケさんの挿絵がマッチしてる。
こう生きるべし、とか、他人からは言われたくないよね。いつか自分の選択が正しかったと自分で思えるように生きていきたい。
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ヨシタケシンスケさんの本を調べてて
見つけた本。
読みやすいです。
色々な問題を考えている人なのだな、と。
様々な価値観を認めるという姿勢はすごく好感がもてました。
あと、やはりヨシタケシンスケさんの絵は可愛く、面白いです。
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難しく考えずに、軽く読めるのが良い。
ヨシタケシンスケさんの挿画がそれを助けている。
たくさんの人が読んで少しでも興味を持てたらもっと風通しの良い世間になるかもしれない。
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荻上チキさんのことを知れた
いじめられてた過去や鬱であること
赤裸々に語られながら
やっぱり考え方の高尚さに
尊敬の念を抱かざるを得ない。
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当事者にしかわからない。これは当然な事だと思う。それはみんながみんな当事者だからだ。その人特有の色のついたメガネを各々がかけていて、その人にしか見えない景色があるからだ。
だから、当事者の立場になって考える。これがなかなか難しい。他人の眼鏡をかけるわけにはいかないからだ。まずその人の景色を見ようと思うところからはじまり、見ようとしてもどうしても自分の色が入る。
当事者という言葉が使われるときは、何かの問題の被害を被っている人について語られるときだ。差別を受けた人、虐げられた人、悲しさ辛さ苦しさ悔しさなどを味わった人達だ。社会問題になっている大きな事柄が取り沙汰されるが、大なり小なり大抵みな当事者だ。
だから、社会問題になっているような大きな問題でも、その被害の訴えを聞いた時、「私だって」と言う思いに駆られる人も少なくないんじゃないかと思う。そして訴える側もしばしば「なぜわかってくれない」という口調で語る。その人達も当事者にならなければわからなかったはずなのに。冷たい言い方に聞こえるかもしれない。でも当事者にしかわからない事は言葉ではなかなか伝わらない。
そんな時、この本はメガネは着替えられる事を教えてくれる。色々な当事者を見るためのメガネ。そのなかには自分自身を客観的に見るためのものもあるかもしれない。あくまでもそれは自分専用のメガネではあっても、着目する当事者のメガネと同じような感度に調整されたものは作りだす事ができる。その当事者を浮き上がらせるメガネもあるかもしれない。遠視乱視近視用や老眼鏡やサングラスなどがあるように、その事柄に最適化されたメガネを作り、かけ直す事が出かけるのだ。
わかりにくい例を以下にあげる。自分の満足のために。我々は地球から太陽を見ることしかできず、太陽からの視点には立てない。だけれども、太陽を理解するために、サングラス越しに見たり、紫外線や赤外線を使った望遠鏡で見ることもできるし、月で太陽を覆って見る見方も知っている。ところが、我々の関心は大きな影響を及ぼす身近な存在には様々な方法で見ようとするものの、遠く何万光年先の恒星にはあまり関心が向かない。それでも関心を持ちさえすればハッブル望遠鏡やTMT望遠鏡を持ち出して見ようとする事はできるのだ。
荻上チキさんはメガネのソムリエだ。当事者のメガネを研究して色々な見方を提供してくれる。ヨシタケシンスケさんはそのメガネで遊びながら使い方を教えてくれるインストラクターだ。世の中にはそんなの知らないよって事がたくさんあるけれど、せめて知った時になるべく関心を持ちそれ用のメガネで見ようと思う。
気になったメガネを挙げる。
わかりあう事はできなくても笑い合う事はできるメガネ
人生病のメガネ(廉価版のを持ってる)
「僕は気付かなかった。仕事をする以外に、人生を楽しむ努力を何ひとつしていなかったことに。」メガネ(持ってる)
「ああ、仙豆があれば、食事なんて面倒なことをせずに済むのに」(持ってる)
世界音痴のメガネ(穂村弘さんの著書より)
世界リハビリのメガネ
つらさに応じて髪にクセがつく薬
ガラスの天井メガネ
「他人に感情を見せるというのは、自分の隙を見せる事を意味する」という世界観があるメガネ(持ってる)
石原千秋先生の受験国語の指南本(持ってる)
インポスター現象=詐欺師症候群メガネ
呪いの言葉に向き合うメガネ(お試し版を持ってる)
他人を適切に嫌いになる作法メガネ(トリセツ:その人に付属するものまで嫌いにならないこと)
「君たちに戦争の責任はない。でもそれを繰り返さない責任はある。」メガネ
ライフストーリーの「語り直し」メガネ