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紙の本
この人を知っているか
2019/07/30 11:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は大倉喜八郎について丁寧に書き込まれ、編集された伝記本である。少し前に、江上剛の小説「怪物商人」を読んでいたので喜八郎の生涯について大凡理解していたつもりだ。本書に描かれている喜八郎への評価はほぼ同じと考えられる。
喜八郎は持っていた才能を活かし、実業家として全うした人生であった。活躍した時代が明治維新から日清日露戦争というきな臭かったので、戦争で儲けた政商など批判されることもあったようだが、政治に近づいても経済人として矜恃を保ち、得た利益は教育や芸術・文化面での社会的活動や中国の革命運動家の支援等にも行っていた。昭和の初め頃亡くなったが、当時実業家としては初めて勲一等の叙勲の栄に浴した。
実に充実した92年の生涯だったように思う。ただ、さみしいことに現代では大倉喜八郎の知名度はあまり高くなさそうである。
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