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<溝猫長屋>シリーズ第二作。
新作が出たのかと思ったら、過去作品の文庫化だった。
面白いから再読してしまったが。
通り魔に殺されてしまった『お多恵ちゃん』の祠をお参りするようになって、霊感を持ってしまった溝猫長屋の少年四人組。
今回は幽霊が次に殺される人物の名前を告げる「優しい幽霊」。しかし何故か下手人の名前は告げない。そこに「優しい幽霊」ならではの理由があった。
しかしこれは手習い所の師匠・小宮蓮十郎が言うように優しさではない。結果的にたくさんの人が殺されているのだから。
なんて書くとシリアスな怪談話かと思われがちだが、輪渡さんの作品なので軽快。
パターンとしては少年四人組のうちの三人が幽霊を感じ、そこをきっかけに下っ引きの弥之助らが事件の謎解きをし、その手がかりを機に自称箱入り娘のお紺が引っ掻き回し、四人組の最後の一人銀太が一緒に巻き込まれ、小宮蓮十郎が下手人を痛ぶり回し、最後に長屋の大家・吉兵衛に四人組や弥之助が説教を食らうというもの。
この第二作も事件そのものは連続殺人で、しかもお紺と友達の年頃女性の縁談相手が次々被害に遭うというシリアスな話の筈なのに、少年四人組が呑気で、お紺は全くの他人事なのに首を突っ込みたがり、小宮は悪者を容赦なくいたぶることが出来ると狂喜し、弥之助は尻拭いに奔走し、吉兵衛は事件の真相などより子どもたちを教育し説教することに執心するという状況なので深刻さはない。
むしろ子どもたちとお紺との漫才のようなやり取りや、型に嵌った展開なども面白く、オチが分かっているのについつい最後まで読んで笑ってしまうという落語のような話で楽しめる。
しかし再読してみるとそもそもの始まりは祠に祀られた「お多恵ちゃん」の霊。彼女こそが彼らをうまく誘導し事件を解決に導く黒幕であるのが面白い。
幼いころの弥之助を通り魔から命がけで守った「お多恵ちゃん」ならではの、始末の付け方なのだろう。
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溝猫長屋の二作目。
相変わらず、祠のお多恵ちゃんに振り回されている溝猫長屋の男の子たち。
大きい空き家でかくれんぼをして、幽霊を嗅いで、聞いて、見る。
そして死体がみつかり、
その幽霊が告げた名前の男が次々と殺される。
自称箱入り娘のお紺がいい味を出してきて、
謎解きでも活躍していて面白かった。
まあでも、犯人を自殺に追い込む結末には納得がいかない。
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長屋の守り神(?)お多恵ちゃんの祠を
12歳になった(長屋最年長)の子供は
すぐに長屋を離れたくなる・・・霊を見
てしまうから(祠パワー)
忠次達も見る・聞く・嗅ぐに分担して霊
を見る・そして死体もでる運命になった
今までの子と違いそれを受け入れてるの
が不思議だが、もう一点銀太だけは順番
が来ると見る・聞く・嗅ぐを独りで受け
もつ
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溝猫長屋2作目。皆塵堂に比べたらまだまだ不安定ではあるものの、いつもの面白さ。
今回も幽霊と人情と猫の話。犬の野良太郎は情けない顔を見せるだけで、猫の手斧が活躍。
銀太は今回もまとめて「嗅ぐ」「聞く」「見る」をした訳だが、他より少年たちや前回に比べてもマイルドに終わった。…とは言え、今回は何ともスッキリしない解決だった。