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仕事柄、読まないわけには行かないと言うことで。ここまでの芯を持ってる方だからこそ、ここ数年の改革があったのだなと思いました。そしてここ数年どころか、ここまで主要な政策に歴年関わっていたとは。
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末尾で秋山真之の天剣漫録を引用しているとおり、危機感や矜持を持った生き様が一貫していると感じました。農水省にもすごい役人がいたのだと、自分の認識の狭さを実感しました。
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農林水産省の元事務次官である奥原さんの著書。この本に出会えて本当に感謝しかない。
農林水産省の行なっている農政改革について、素人にも分かりやすく、要点を絞って記されている。また林業、水産業分野についても簡単ではあるが、その政策が紹介されている。新聞記事では、政策の思いや裏側が分からないこともあるが、本書を読んで農林水産省が日本の農林水産業の発展、消費者利益の最大化のために種々の改革を実行していることを理解できた。
第また、6章の行政における組織運営、終章の行政官の責任を果たすためには、耳が痛くなる指摘も多々あるものの、まさにご指摘通りと感じる内容ばかりである。年齢ごとに意識すべきこと、やるべきことを明確に教えていただけた。
農政改革というタイトルではあるが、サブタイトルである行政官の仕事と責任、この部分だけでも一冊の本にできるのではないかと感じた。
私のように他省の公務員はもちろんだが、公務員志望者も是非読むべき一冊ではないか。手元においておきたい作品。
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行政官としての心構えが勉強になる。
実際、完璧に誰からも嫌われずにやるのは無理だから、ある程度達観することが必要。
「自分の意見を常に持つように心がける」
「自分の専門領域内外を常に学習」
「政策の立案・遂行に必要なのは、想像力と創造力」
「政策課題に正面から対応した解決策を考えることが重要」
「政策には、方向性とスピード感の二つの要素がある」
「新しいことを始めるには、従来の無駄な仕事をやめていくことも必要」
「やるべき項目を整理し、定期的に点検する」
「部下には、管理職が自分の考え方を明確に説明することが必要」
行政は、政治のシンクタンクのプロフェッショナル。遂行だけではない。
それから、農協改革について、理念や背景がわかりやすかった。
「知将秋山真之」ある参謀の生涯
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日本農業がどのような変遷を辿り、今日に至るのか興味を持ったので読んだ。
補助金頼みの業界であるので経営意識が低く、他国と比較しても競争力が低いことは何となく理解していた。
本書ではその背景には、戦後の国が生産量を管理する方式が供給過多になったにも関わらず、農協の集荷するのが仕事であるという思考から仕組みを中々変えることが出来なかったことが根本にあることを理解した。また、農協自体もバブル期に金融機関の斡旋から金融に注力し、本来の農業者の共同組織ということが薄れていたことも一因としてあった。
著者が仕組みづくりをしたことは大きな功績であるが、それを実現していくのは農業者であり、民間組織である。これまで国の保護を大いに受けてきたからこそ業界として未熟であり、ある意味伸び代の大きな業界であると感じた。