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同作家様の前作が個人的にかなりのヒット作品だったので、今回も期待を胸に読ませて頂きました。
まず、本作家様の作品のテーマとする舞台背景や時事問題等、多数の文献を参考にされるなどその研究熱心なお姿に毎度脱帽させられます。
実在する世界にあたかも存在していたかのようなリアルで生々しい話の構成や描写は、読み手を一気に物語の中へと引き込んでいきます。
TLという枠に留めておくには勿体無い!と思うほど。
今回も前回同様に序盤から引き込まれました。
大正という時代を背景に、明治〜の史実が要所要所で盛り込まれ、近代史が好きな私にとっては特に読みごたえがありました。
しかし、なんだろう。
藤子があまりにも幼すぎたというか、行動や言動が一々稚拙で、それに振り回されてる千太郎があまりに不憫でした。
若干17歳で多感な時期、大人と言っても大人になりきれていない幼さ残る感じはまさに年頃の女の子って感じだし、まだまだ世間を知らない世代だったらそうなっても仕方ないのかな?…と思いつつ、その身勝手さ・危機管理能力の無さにモヤモヤした気持ちが残ってしまいました。
濡れ場は少なめです。
個人的には、本番よりも、序盤〜中盤までの、お互いがまだ有耶無耶な状態で睦み合ってる場面が一番エロかったように思います。
本作は、恋愛やTL小説として読むというよりかは、時代小説として楽しんだ感じですね。