紙の本
万人が納得いかないベスト100
2019/09/22 23:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tsukumo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベスト100とあるが、著者のランキング作成方法を読んで判断するに、これは半ばお遊びで作成された、著者の主観を全く反映させていない、他力本願ランキング。あまり本気には受け取れない。
まさかの大物が何人も抜け落ちていたり、なぜこれがこんなに高評価?と言いたくなるアルバムが何枚も入っていたり、とにかく大荒れの順位になっている。
これがベストの100枚だとは誰も思わないだろうけれども、個々のアルバムに対する著者のレビューは良い。アルバムの作られた背景や、そのロック史における意義がコンパクトにきっちりと押さえられた上で、よく聴き込んでいると思わせられる批評が述べられており、いろいろと教えられた。
文章にユーモアもあり、所々で笑わせてくれる。
ベスト100から抜け落ちてしまった重要なアーティストについては、できるだけ本文中でその名を述べるようにする、という配慮がなされていることをも、指摘しておきたい。
文章から伝わってくる著者のロック愛に感化されて、しばらく遠ざかっていた洋楽を久しぶりにいろいろ聴いてみようか、と思わせてくれるような内容の本だった。
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ガイドブックとして購入。
あの名盤が入ってなかったり、よく知らないアルバムが入ってたり。RS誌とNMEの評価の違いが面白い。自分はNME派かな。
いくつか気になったのがあるのでチェックしてみよう。
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読む前は絶対自分はNME派だろうと思ってたけど、意外とRSの順位に同意する事が多く…親父になったってことか?
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あまりに酷すぎる驚愕のランキング。ローリングストーンとNMEの平均値を取ってベスト100なんて、糞にもならないランキング。これがベスト100なんて絶対にあり得ません。
ひとつだけ収穫は、聴いたことがないアルバムが4枚取り上げられていたこと。ゲットして聴いてみようかと。
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もうこの手の「名盤紹介本」は買うのをやめよう、と思っていたのだけれど「教養としての~」というタイトルが気になって思わず買ってしまった。
「教養としてのロックってなんだよ!」とむやみに反抗したくなるけれど、結局「教養」とタイトル付けした動機が「戦後文化の中心にあり、ある意味で時代の変革をも導いた米英のロック音楽。現在我々が享受する文化のほとんどが、その影響下にあるといっても過言ではない。つまり、その代表作を知らずして、文化の深層はわからないのだ。現代人の基礎教養とも言えるロック名盤100枚を、これまでにない切り口で紹介・解説!」とのこと。
つまり「現在我々が享受する文化のほとんどが、米英のロックの影響下にある」そうだ。
え? そうかぁ? 買い被り過ぎじゃないの?
まぁ、それはそれとして。
本書のもう一つの特徴が、「史上初! 主観抜きのランキング」。
つまり著者の主観が全く入っていないランキングになっているのだが、これは本当のことだ。
何しろ米ローリング・ストーン誌と英ニュー・ミュージカル・エクスプレス誌で紹介された名盤リストを、機械的に点数付してリスト・アップしているのだから、著者の主観は全く入っていない。
その代わり、米英の評論家達による、「ここまで隔たっていいのか?」的な主観だらけのリストになっている。
自慢ではないけれど、僕はここにリストアップされた100枚は全て持っているか、以前は持っていて一度は耳にしたことがあるアルバムである。
それに割とこういう名盤紹介本は好きだったので、本書のリストも意外性は殆どなかった。
著者のアルバム解説も、新しい発見はなかったけれど、僕は好意的に受け止めることができた。
でもまぁ、読まなくても良かったかなぁ、というのが正直なところ。
意外性が殆どなかった、と書いたけれど、一番意外だったのは「U2」のアルバムが1枚も入っていなかったこと。
米英のロック評論家の皆さんは「U2」がお嫌いのようで。
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個々の解説文は面白いけど、クイーンもU2も入ってないランキングに意味はあるのか…。NMEとローリングストーンのオールタイムリストの両方に掲載されたアルバムの中間値を取ったそうだけど、それは意味ないよなあ。客観性を持たせるならもっとたくさんのオールタイムリストを参照すべきだし、尖ったものを作るなら何か一つの基準でランクすべきだろうし、まあマニアにもミーハーにも好まれたのがビートルズだということは分かった。
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ロックの名盤ガイド(R&B、ジャズ、ヒップホップ、ラップも含まれている)だが、類書と違うのは筆者自身が選定していないところである。
本書ではローリングストーンとNMEのランキングをポイント化し、上位100枚を選んでいる。
いずれもよく知られた作品ばかりだが、聴いたことがないアルバムも含まれているので、いずれ聴いてみようかという手掛かりとなる。
この手のものでは必ず「何でこれが入らないんだ?」という声が挙がるが、筆者ももちろん認識していて、ランキング紹介後に見解を示している。こちらも興味深い。