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これは、これは古代史にハマってからずっと待ち続けた本といっても過言ではない…
なにしろきっかけとなった人物早良親王の人物叢書だ…
早良だけでこの内容量…全ての記述が早良に関わる…というだけで胸熱…!
そして
_人人人人人人人_
> 圧倒的死後 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
知ってた。
まあそうだなそこは仕方ない。
それを差し引いても情報量ありがたい。
著者の西村先生は桓武についての講演を拝聴したことがあり、そこで伺った内容と同じものもありましたが最新の研究についてはあまり見れてなかったのでなるほどなものも多かったです。
諸説ある場合は極力その諸説が列されているのが望ましいと思ってるのでそういう意味でよかった。
「扶桑略記」にある廃太子されようとしてる早良親王が諸寺に頼んで白業を修めようとした件、これが暗殺事件有罪説の根拠とされてるのも驚きだったけど、この本で採られてる説については、比較的創作的な人物像を描くようなことをしないこの本の中で最も優しい説で、正直泣いてしまう…。
あとは死後の怨霊、というより御霊となってからの桓武による慰霊、春秋の金剛般若経の転読、その後の御霊会についての記述がとても詳しい。
「怨霊」という扱いがあまりないのも良い。
割とそうだろうと思ってた部分が否定的だった件もあったんですが、後世史料が多いことと生前の記述の少なさからは、やはり同じくらいのレベルで全ての説は否定も肯定もできるよなっていうのは本当に常に頭を入れておきたいところ。
生前の兄弟の関係についてはあまり言及がない印象だったんですが最後のまとめとしての「早良親王小伝」の末文が一番兄弟としてエモでした。人物叢書本当に早良親王出してくれてありがとう…
桓武天皇がやったことって未来永劫早良親王を自分と同列で名を遺させようとしたわけだもんな。
やっぱ最強ですわ。