投稿元:
レビューを見る
ある田舎町で起きた一家殺人事件を題材に、映画を撮りたい新進気鋭の映画監督・香と、脚本を依頼された香と同郷の千尋。香による昔の回想場面と、千尋による現在の場面が交互に描かれながら、事件およびその周りで起きていたできごとが浮き彫りになってくるという構成。
ふたりがそれぞれに過去に背負うものがあり、さらに千尋に至っては卑屈というか僻みというか、負の雰囲気があまりにも漂っているので、これが湊かなえ作品らしさと思いつつももやもやしながら読み進んだ。
しかし、事件の全貌、彼女たちふたりの過去などがみえてくるにつれて、とにかく先を知りたい!という気持ちから読む手を止められず。最終的には、あぁそこに落ち着いてよかった、とほっとした気持ちに。知ることが救いになったからよかった。
投稿元:
レビューを見る
湊さんの作品は好きなのだけど、最近は盛り上がらず終わってしまうような作品があったりして不満でした。しかしこのお話は引き込まれてえ読みました。おすすめ。
でてくる人物が、最初はあまり好きになれなかったが、みんな心に傷を持っていることがわかってくると、好意的に見ることができるようになった。
投稿元:
レビューを見る
映画というフレーズから筆者は書き上げたと最後の解説で知り驚いています
そこからこのいろんな事件が記憶が様々な方向から繋がってくる最終まで目が離せない感じはやはり湊かなえでした
良かったー
投稿元:
レビューを見る
「落日」 湊かなえ
2019/9/2初版 角川春樹事務所発行
2019/9/20読了。
「イヤミス」 読んで嫌な気分になるミステリー…
そのイヤミスの女王と呼ばれる湊かなえの新作がこの「落日」なんですねー。
もう二度と読まないように気をつけよう(嫌な気分になりますからそりゃ)と思っても
その気持ちを上書きする様な見事なラストにまた「イヤミスの女王」の作品に手を出してまう
ヒドイ中毒性のある作品です。
この世界は今生きている人のためにある
全てはこの瞬間のためにある。
美しい「落日」の風景とともにそう強く感じさせられました。
チックショー「イヤミス」
投稿元:
レビューを見る
いわゆる「イヤミス」感が薄いので、苦手意識のあった人でも読みやすいかも。すこし人間関係が複雑なので、整理しながら読み進める。希望、を感じさせるラスト。日は沈むから、また昇るのだ。
投稿元:
レビューを見る
最後のエピソードは鳥肌が立ったものの、香の父が自殺でなかったという所はうまく行き過ぎだと思った。
物語の構成の仕方は上手だと思った
投稿元:
レビューを見る
中盤過ぎまでは確実に五つ星になりそうな予感。あっと驚くラストが待っていると思ったのだが^^自分の理解力不足なのか、そのまま収束してしまった感じが否めない。2人の視点から進み徐々に収斂する技法は見事。
投稿元:
レビューを見る
イヤミスで終わるんかと思ってたけど、希望で終わり…清々しい気分になりました。表紙も秋らしくてとてもよかった。
1つの事件が、こんなにもたくさんの人の人生に関わっているんだと…当たり前たけど、実感した本でした。
2人の女性の視点で物語が進んでいくので、途中…これは、どっちやっけ?ってなったりもしましたが.
投稿元:
レビューを見る
初読。図書館。初めはは虐待が出てくるなど黒湊の雰囲気満載。そのうちどうやらこれは黒だけじゃないぞという空気を醸し出し、ラストは光ある未来を示す。2つの物語が1つになる流れは途中から透けてみえて、驚きの結末とはいかないが、それでもこのラストには納得の心地よさ。帯には「湊かなえの新たなる代表作」とあるが、イヤミスから一歩抜け出したいと模索してきた中での集大成と受け取った。背負った十字架は結局のところ自分でどうにかしようと前に進まなければおろすことはできない。時間が自然に解決してくれることはほぼないのだ。
投稿元:
レビューを見る
饒舌なんだけど、中身がない感じ。
気をもたせておいてそんなオチっていうがっかり感。
登場人物の名前が千尋だったり真尋だったり(本名とペンネーム)千穂(姉)こんがらがるっちゅうの。
虐待されてた女の子が(寒い日にベランダに一時間出される)女優顔負けの美貌で才色兼備の映画監督ってのも解せない、その原因が結婚を反対されてたから見返す?認めてもらうためにも優秀な子に育てたかった?ということ。
まぁこれは2次エピソードに過ぎず、小説の要の”笹塚町一家殺害事件”。なんで顔のきれいな兄は家族に虐待されていたのかも不明。アイドルを目指していた妹はなんであんな性格破綻者なのか。殺害されても致し方ないとおもわせる為か。
いちいち”お姉ちゃん”と呼びかける手紙もなんだかなぁと思っていたらそういうことね。
最後は綺麗にまとめた感じだけど、(お父さんは自殺じゃなかったしね。)せめて”告白”とまでは言わないけど”リバース”くらいの読後感が欲しかった。
投稿元:
レビューを見る
長谷部香は映画監督。小さい頃隣に立石一家が住んでいた。。引越した後、立石家は息子が父母、妹を殺害した。甲斐千尋は脚本家の卵。立石家の妹沙良とは同郷で、彼女のことを多少は知っていた。監督からその事件のことを訊かれ、脚本を書くよう依頼される。監督がこの時間に拘る理由は、そして真相は・・・
人物の描き方に、初期の湊かなえっぽい硬さはあるものの、ラストで明かされる真実にはなかなか驚かされた。
自分が見ている他人は、実は全然違う人なのかも知れない。
投稿元:
レビューを見る
書下ろしミステリー。
女流映画監督が語るエピソード部と脚本助手の現在視点からの本編との二重構成で、三つの大筋、女流映画監督の生い立ち、脚本助手の姉の交通事故、映画化題材としての過去の殺人事件が絡んで収束させていくのがうまいです。
ディテールでは、おや?と思うところはあるものの、2人の主人公が過去の呪縛から解放されるラストも読後感が良いです。
ただ、殺人犯の動機を正当化するために、その妹がかなり悪人に描かれているので、その妹がどうしてそんな人格になったかも盛り込んでいればもっと重厚な作品になったのではないかと思いました。
投稿元:
レビューを見る
後半での伏線回収はさすがの一言。
嘘つきの少女が招いた、1人の少年と1人の少女の悲劇。その真実に行き着くまでの、2人の女性目線での物語。
家族で姉の死を無かったことにしている脚本家と、父を自殺で亡くし、教育熱心な心を病んだ母に厳しくしつけられてきた映画監督。
交互に話が進んでいく様は、まさに湊かなえさんっぽいなーと。読みながらわくわく。
過去に向き合うことの辛さや、見えているものがいかに氷山の一角かということ、皆それぞれ心に闇を抱えているんだということ。
それをひしひしと感じましたが、最後は希望を感じる終わり方で良かった。でも、正直少し意外。湊さんなら、最後の最後にもなんかあるんじゃ…と、疑ってしまったほど。
終わりが少しあっけなかったかな。
投稿元:
レビューを見る
殺人事件を探りながら映画監督と主人公の過去を紐解き最後には繋がっていく感じが好き。公園と鉄塔のシーンは○
投稿元:
レビューを見る
最初のプロローグで、すっかり心を掴まれました。
そこから始まる出来事が 最後の結末にどのようにして繋がっていくのか…
最後の結末に救いがあり、今までの湊作品とは一味違う感じがしました。