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すごくすごくよかった。湊さんうまいなー…これも映像化されたらきっとすごい話題になるんだろうなと、書籍でも映像でも(過去の作品はどちらかと言えば映像化されたものの方が面白かったけども)良い作品を残す作家さんって少ない気がします。
少しずつ、少しずつ明るみになっていく真実。知りたい、は救いになるのか否か。知ることを恐れずに突き進む香と、そうではない真尋。それぞれが抱える明かしたくない闇が溶け合うところが好き。この作品を読めてよかった。
長谷部香が撮った一時間、すごく観たい。観ていないのに作品が目の前に浮かび上がる描写がすごい。。
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映画監督の故郷でおきた殺人事件を
映画として表現したいと、真実を追求するため奮闘する
登場人物たちの闘志のもと、事件の真実が解明されていくまでの物語。
真実を知ることとは、、
今回の内容は、ずっしり重く、
現代社会に生きる我々にとっても深く考えさせられる内容だった。
ネットの情報を鵜呑みにして、私達はどれほど真実でない情報を真実として信じているのだろうか、、。
ある人にとっては、真実を知ることで絶望感を抱くことになるかもしれない、反面希望に繋がることもある。
真実を知るということは、時には痛みを伴うこともあるかもしれない。
この物語は、総合的にとても悲しいものでした。
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2019/09/06リクエスト
楽しみに読んだ本。
出来事の原因、お兄ちゃんは何が原因で虐待受けたのか?美形の兄に比べそうでもない妹が、両親から溺愛されたのは?など、自分にはすんなり入ってこなかった。
でも評価が高いので、いい本なのでしょう。
私には響かなかった、残念。
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この著者だし、タイトルからして悲しくなるかな?と思った。しかし…
ひよっこ脚本家の真尋はとある田舎町笹塚町の出身。母はなくなり、姉は他所の国に行っており、地元には父が一人で住んでいる。笹塚町では以前、一家殺害事件(引きこもりの兄がアイドル志願の妹を刺殺、自宅に放火し全焼、階下で寝ていた両親も死亡)があり、この事件を新進気鋭の美人監督長谷部香(笹塚町に幼少のころ数年滞在)が映画化するため、真尋に脚本を依頼してくる。既に裁判は結審し、犯人の兄は死刑が確定しているが、真尋と映画監督は隠された真実があると考え調査を始める。事件は監督の知人が絡んでおり、真尋に周辺にも掛かってくるのだが…。調査の過程で、事件の全体像の中にバラバラに点在する映像のワンシーンが一つに纏まっていく過程か素晴らしいです。猫将軍か、成程。細かいプロットがきちんと設定してあるから面白い。読んでいる途中、何か嫌なことが起こるのではとか、怖いことになるのではないかと、ドキドキしながらも先が読みたくて堪らなくなるあたり、著者の力量なのだろうと感心する。良かったです。
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落日
著作者:湊かなえ
角川春樹事務所
タイムライン
今年は令和元年と言うことでどの作家もミステリーを手掛けていますが果たしてこの作品はミステリーなのだろうか、違った意味でも否めない。
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湊さんの最新作ということで購入。
物語の構成としては、二つの物語が交互に進行しています。一つは脚本家の甲斐千尋の視点として、もう一つは、ある人の視点として、幼き頃のエピソードが綴られています。最初の段階では、誰の幼少時代なのかわかりませんが、途中で明らかになります。また、読んでいくと、千尋のパートでちょっとした疑問が湧いてきます。もしかして千尋の姉って・・・。
湊さんの特徴である負の部分を抱えた女たちが次々と登場します。時折、発した言葉が氷の刃のように読み手に冷たく斬りつけられる感じがしました。イラッとさせたり、心が痛くなったりとさせるのは、湊さんの真骨頂なのではないでしょうか。
事件の真相や映画作りの背景となったエピソードがゆっくりと紐解いていくので、なんとなく間延びしたような感じになりました。その分、登場人物の心の葛藤が詳細に語られています。ただ、後半になると、急なアクセルを踏むかのようにあっさりと真相がわかるので、ちょっと戸惑いがありました。帯では、衝撃と感動作となっていますが、正直あまりありませんでした。交互に物語が進んでいき、一番最後に真相が語られると思いきや、結局それが本当だったかはわかりません。モヤっとした状態が続いていたので、真相がわかったところで、「なるほどそういうことか」と個人的には納得止まりになってしまいました。
最後は感動というよりは、希望が灯されたという終わり方でしたので、イヤミスではありませんでした。
湊さんのエッセンスである女たちの嫌な部分を楽しむことはできましたが、映画の新作はどうなるのか、事件の真相はどうなったのかなどは、余韻が残ったまま終わったので、なんとなく歯痒い感じがしました。スッキリと終わらせて欲しかったなと個人的には思いました。
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イヤミス路線。それぞれの登場人物が秘めている思い。読み応えがあります。ただし過去の著作から考えると少し物足りなさを感じます。
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読むのに時間をかけすぎたせいで
いまいちはいりこめなかった。
一番の悪は虚言癖のあるサラってことで
いいんだよね??
章がかわるたびに「私」が変わるので
それが誰なのか理解するのに苦戦した。
まあこれも一気に読まなかったからだろうな。
登場人物を整理してもう一度読み直すとします。
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話が“エピソード○”と“第○章”という風にクロスオーバーしていきつつ、事実が明らかになっていく流れが読んでいて「早く続きを知りたい」という思いにさせられた。
香にしても千尋にしても救いようのない状況に加えて、大事な人達が死んでしまった中で、最後の最後に明らかになる事実に見える救い。
それがあったことに胸をなで下ろした。
香も千尋も次第に過去と自分と向き合いながら少しずつ前を向いて進んでいく姿に心打たれた。
タイトルと表紙のデザインが物語を見事に表現していて、クリエイターの方達の切り取り方って本当に凄いなと脱帽。
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一気に読んじゃいました。香監督の幼い頃の記憶から始まって、どんどん繋がっていく真実。知ることは、救い。香にとっても、真尋にもっても、真実は救いになったのかな。何気なく読んでいたあのシーンがこう繋がるんだ!っていう、あっ、の、気付きがハラハラドキドキでした。
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テーマ的にはいかにも湊かなえらしいミステリー。主人公2人がそれぞれ一人称で紡ぐストーリーを交互に積み上げて、最後はそれが結びつく、というある種、予定調和的な構成でもあり、とても納得感あります。
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誰にでも多分ある。幼い頃、自分のよりどころとなった思い出が。あるいは、自分が今生きていることの支えとなった思い出が。
その思い出が自分のなかにある、ただそれだけで生きていける、と言った方がいいかもしれない。
その支えを、心の中にしまったまま生きてゆけるのなら、それが一番幸せなはず。なのに、それを現実と照らし合わせる必然性、もしくは「本当のこと」として確かめる必要性、が出てきたとき、そこに隠れていた別の「真実」があらわになったら…
幼い時に受けた傷。その傷を埋めるために、そしてその傷をなかったものとして生きていくための支え。2人の女性がそれぞれに支えとして持ち続けていた「思い出」。
まったく別の人生の、かかわりのなかったはずの人生の、2つの思い出が重なったとき、本当の意味で2人の人生に新しい道が拓けた。
たくさんの思いが複雑に絡み合い、真実を覆い隠していた。それを知ることに意味はあるのか。知らずに生きていく道もあるはずなのに…
傷つきながらも本当の自分を見つめなおす、2人の女性の明日に光が差しますように。そしてその光が美しい夕日となりますように。
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ひらりと視点が入れ替わる。悪から善へ、善から悪へ。不幸の糸が少しずつほぐれていく。
3人それぞれに希望の光が見えたラストに救われた。
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ある田舎町で起きた一家殺人事件を題材に、映画を撮りたい新進気鋭の映画監督・香と、脚本を依頼された香と同郷の千尋。香による昔の回想場面と、千尋による現在の場面が交互に描かれながら、事件およびその周りで起きていたできごとが浮き彫りになってくるという構成。
ふたりがそれぞれに過去に背負うものがあり、さらに千尋に至っては卑屈というか僻みというか、負の雰囲気があまりにも漂っているので、これが湊かなえ作品らしさと思いつつももやもやしながら読み進んだ。
しかし、事件の全貌、彼女たちふたりの過去などがみえてくるにつれて、とにかく先を知りたい!という気持ちから読む手を止められず。最終的には、あぁそこに落ち着いてよかった、とほっとした気持ちに。知ることが救いになったからよかった。
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湊さんの作品は好きなのだけど、最近は盛り上がらず終わってしまうような作品があったりして不満でした。しかしこのお話は引き込まれてえ読みました。おすすめ。
でてくる人物が、最初はあまり好きになれなかったが、みんな心に傷を持っていることがわかってくると、好意的に見ることができるようになった。