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一言で現すと、異世界転生「めぞん一刻」
異世界転生ものにありがちな、現代知識で成り上がるとか、転生時に与えられたスキルでチートな展開はない
むしろ、転生者が大量にいるために現代の文化が大量に流入している世界
「異世界なめるな。マヨネーズや戦術とか、お前が考えつくものはすでにある」
「前の世界で何者でもない役立たずが、こっちの世界なら何でもできるわけないだろう」
と罵倒される主人公の神代湊
転生者の教育機関で平凡な職業にしかなれないのを嫌って、「勇者になる!」と飛び出したものの何の展望もなく失意の主人公を拾ってくれたのは古アパートの管理人さん
勇者になることを応援してくれる女神のような管理人さんの他、騙されやすいミゼット、ギャンブルとアルコール依存のドワーフ、怠け者のエルフ、人にたかるニート等々な住人達の織りなすお話
リボ払いとマルチ商法を持ち込んだ転生者……
異世界転生ものでネタとしても登場るすネタではあるんですけどね
他にも、迷宮までの満員馬車とかクエスト報酬の下請けとピンハネとか、現代の世知辛いものを異世界にも導入するんじゃないよ、まったく(笑)
土橋も異世界もの書きたかったんだなぁ……
ただ、単なる異世界ものではなく、既存の他作品を色々とディスるためなのか、定番ネタを揶揄する内容は面白い
あと、免許試験のあたりで「6号室の住人って魔王じゃね?」と読者に思わせておきつつ
最後まで読むと、「魔王と女神どっちだ?」と迷わせる展開は流石は土橋
他の作品でも、プレイヤーが良かれと思って開放したものが実は悪側だったというゲームありましたねぇ
やはりこの辺は土橋クオリティなんだな
あと、あとがきで騎士団のシンボルで球団批判をするとかね
本人はドラゴンズファンだからといって、そのディスに愛はあるのか?